ダウナー系の人外お姉さんに常識を書き換えられたい

@MazumeOchiai

0. 約束

……嬉しいね。

私のことが、ちゃんと見えているんだ。


どうだい、この“形”。

人間の姿をよく模倣できているだろう。

君に見てもらうには、これが一番手っ取り早いからね。


……いや、ごめん。

説明が前のめりになりすぎたね。


私は、そうだな。

「精霊」――君たちはそう呼ぶ。


でもね、期待してもらっても困るよ。

私は人間のことを守りもしないし、導きもしない。

せいぜい、見ているだけだ。


名前はない。呼び名は好きにすればいい。

君たちは、呼び名で安心する生き物だから。


そうだ。

私と一つだけ、約束をしないかい?


明日も、この場所に来ること。

私の話を、外に持ち出さないこと。

君だけは――毒されないままであり続けること。


一つじゃないって?

大丈夫。いずれそれらは帰着する。


……約束の対価?

それはもう君自身が握っている。

私だって、君を待つのに無償でここにいるわけじゃない。


それじゃあまた明日。

待っているよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る