華、花、おはな。

心海

海斗視点


「...あれ、花屋の兄ちゃんじゃないかい!」

「あ、おばあさん!ご無沙汰してます、お元気でしたか?」

「この通り元気じゃよ!って、そんな花束持って、どこ行くんじゃ?」

「ぁー、...約束があるんですよ、」

「ほぉ〜?そんな真っ赤な薔薇を3本持って?」

「ッこ、これはたまたまなんで!じゃ、じゃあまた!!」

「おぉおぉw青春じゃのぉw」


もう!ニヤニヤしてくんなよ!!と心の中で悪態を着き、目的地へ歩く。

あのお節介ばあさん、もう記憶力が落ちてるって聞いてたけど...いつもうちの店に来て話してるうちに、顔を覚えられてしまったようだ。


...あいつはもう、俺の顔なんか忘れている頃だろうな。

会いたい、と思わないわけではないが......


未だにこんなことをしている時点で、俺が最後までどうしようもないのは分かりきってる。


それでも、...



神社の境内に行く階段を少しだけ逸れた獣道

その奥にある湖が、いつもの集合場所だったよな

...あーあ、もう小人のトンネルなんか潜れねぇよw


仕方ないから、いつも通り獣道の入口に花束を差し込むとするか、


えっと、ひぃ、ふぅ、...あー、しくったなぁ、


お前のことを思い出した時に、此処に来てはいるが...思ってる以上に高頻度で来ていたらしい

9つの薔薇が、まだひとつも枯れてねぇじゃねぇか

こういう時に限って動物の餌にもなってねぇし...どーすっか...


..........でも、お前が見ないなら、...


「...いや、良くないか。」


そもそも、普段の9本の時点で願望押し付けてんのに、...12本、なんて...


...1本だけ、持って帰ることにするか


そしたらまぁ、11本になるし...でも、見られてないのをいいことに好き勝手しすぎだよなぁ...



なぁ、

お前は、誰よりも花を見るのが好きだったよな

花言葉を教えてくれたのも、お前だった

だからきっと、お前があのバラを見たら一瞬で気付くんだろ、

笑ってくれよ...あの頃ずーっとバレないように取り繕ってた反動でこんなことして、馬鹿みてぇだろ?

...お前はきっと、俺の友達だったから、


俺は、





...あー、



ほんっと、嫌いだ

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華、花、おはな。 心海 @Koko_563714

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