ロミオの不在証明(アリバイ)―舞台袖の空白―

するめ まる

第1話 密室の消失と二つの遺留品

文化祭。みんな誰もが楽しみにしているはず。このマリアナ高校では、今日が文化祭の最終日だった。そして最終日といえば演劇部による「ロミオとジュリエット」が目玉だ。だが、開演30分前、事件はおきた。

「主役のハルが、放送準備室から消えたのだ。扉は完全に施錠されていて、完全な密室。」

手帳に私はそうメモした。私、自称探偵久我結名。いや、自称じゃない、本物だ。みんなが放送室前で賑わっている中、私は呟いた。

「内側から施錠、窓には格子。……物理的には完璧な密室ね」

「・・・」

あれっ誰も私を見ない?なんてこったパンナコッタ!決め台詞をこの小説に載せられたと思ったのにぃ。私は床に落ちた十円玉をピンセットで拾い上げる。これは探偵としてカッコつけたいのもあるのと、本当に解決したらどれだけ褒美がもらえるかという事を考えての行動だ。そして、

「指先に伝わる不自然な冷たさと、微かに残る白い霜。そして机の上の濡れた脚本。」と手帳に私はそうメモした私は、かこつけながらも十円玉と脚本を詳しく調べたあと、あることに気付いた。

「何か、おかしいわ。」

そう呟いた。一気にみんなの視線が集まる。私はクライマックスだと思った。にやりと笑うと、ひらめいた。やはり、私のアンテナは不思議だ。わたしは、気付いた。誰もが考えなかった、気に留めなかった、三つ目の遺留品を。

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