二通目


【二】


2113年7月7日


大好きなゆうとくんへ


 元気ですか?

 手紙おそくなってごめんね。


 あれからすぐにアメリカのナサっていう所にいって、お父さんたちがつくったロケットに乗りました。

 ここから、だいたい半年もかかるんだって! びっくりしました。


 それでも、だいぶ速いんだそうです。

 お父さんが言うには「光速の99%」の力が出るっていっていたけど、よくわかりません。でも、ものすごく速く星の間を動けるんだって。


 お父さんとお母さん、それからいろんな人が、そのわく星を開たくしなきゃいけないんだって言っています。


 あ、心配しないでね。テレビでも言ってたでしょ。

 移動して住む人もいっぱいいて、大きなコロニーもあるから、くらすのには問題ないんだって。

 交代で住まないといけないんだって言ってたけど、やっぱり地球に帰りたい人もいるよね。


 この手紙は、ロケットに乗って2か月ちょっとたったところにある「オールトの雲」の「深宇宙かん測ステーション中けい地点」という「明月コロニー」から出しています。

 お手紙が地球に届くまでには、1年半くらいはかかると言われました。そんなに遅いんだ! って文句を言ったら、スタッフのお姉さんは笑っていました。


 そういえば、カレンダーが変なんだ。今日は七夕だって言うの。しかも、1年もズレてる。

 それを、お母さんに言ったら「これで合ってるのよ」と言われました。まだ、9月のたん生日も来てないのに。なんでなのかな?



 最初は星がきれいだったんだけど、すっかりあきちゃいました。

 まどから外を見ると、すごく大きな岩とか、よごれた氷の固まりみたいなのが、ぷかぷかと、ういているのが見えます。

 お父さんは「これがすい星のもとだよ」って教えてくれたけど、なんだか古い雪の固まりみたいで、あんまりきれいじゃありません。


 ステーションのお姉さんが、ここは太陽系の出口なんだよって言っていました。

 ここをすぎると、もう目的地までずっと何もない「深宇宙」なんだって。


 そうだ。ロケットが走りだしてから、しましまの大きな木星や、輪っかのある土星の近くを通ったんだよ。図かんで見るよりずっと大きくて、吸いこまれそうで少しだけこわかったです。


 でも、今はもう何も見えません。

 まどの外は、地球の夜よりもずっと真っ暗です。

 地球はもう目で見えなくて、太陽は豆つぶみたいに小さい光です。


 食べ物もあまりおいしくありません。

 宇宙食っていうのかな? パサパサしてます。ゆうとくんと食べた、だがし屋さんのおやつが食べたいです。


 そういえば、アイスをわけっこしたよね。あれも食べたいな。

 だがし屋のおばあちゃんに「仲がいいね」って言われて、ゆうとくんおこってたよね。わたしは、すごくうれしかったんだよ。


 地球が少しだけ、こいしいです。

 お友だちに会いたいです。

 めぐちゃん、元気かな?

 ゆうとくんにも会いたいな、っていつも思います。



日向 あかりより



※ 追しん


 本当はあまりよくないことなんだけど、これからは、ナサにお手紙を送ってくれたらお返事が書けます。

 だから、ゆうとくんのお手紙もほしいな。

 ずっとずっと待ってます。




⇒ 2114年 秋頃着予定



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