奔放のレルムフォールド
甘織玲音
第1話 Reincarnation
すやすや眠っていたところで急に目が覚めた。
それもそのはず只今の起床時刻は、夜8時頃。人類がそろそろ寝ようとしている頃だ。
やばい、土曜日早々完全に休日を無駄使いしてしまった。今日の昼何してた?って聞かれても、何も答えられない。最悪だ。それならまだ、日中に壁にもたれてぼーっとゲームしてた方がマシだ。
今は夜の20時。
恐らくこの時間帯は、全人類が眠気に誘われ、就寝の準備をするような時間である。それと同時に、昼間の時間の間は各々の有意義な土曜を過ごしていたであろう。
例えば、バイトをしてお金を稼いだり、スポーツをして身体を動かしたり、テストに備えて勉強した者など様々であろう。
その一方、俺はなんだ?ただただ、昼間の間脳を休めてぐーぐー寝ていただけだぜ。
しかし、これを聞いて、『あれっ』と凄く疑問に思った人も勿論中にはいるだろう。
そうだ、その反応は酷く正しい。
なぜなら、俺は完璧なる昼夜逆転を行うような、完全生活習慣病、未来予備軍で、健康上最低で、ぐうたらくな奴なのだ。
しかし、そんな俺でも絶賛昼夜逆転生活を行うのは、休日のみだ、というよくわからない個人的なちょっとした感じのルールを、なんとなくで定めている。
やはり平日は学校があるのでどうしても朝早くにに、起きなくてはならないのだ。
でないとそれを理由に遅刻ばかりしたら死ぬ。つまり俺の成績、出席点がガクンと落ちるのだ。色々やらかして留年【コンティニュー】状態に移行する事だけは、どうにか回避したいのだよ。
まあ、そんなこんなで俺は基本休日は好き好んで自堕落な生活を、ほぼ毎回のように営んでいるだけなんだ。
ちなみに、俺の大の好物はスナック菓子類、全般である。なんならスナック菓子でも無くても、お菓子であれば何でも好きだ。
しかし、勘違いしてほしくない事が一つだけある。俺は決してニートなどではない事を先に明言しておこう。
ただちょっとだけ、一般人より自堕落ってだけだから。悪いがそこだけが譲れない、というか認めない。
認めてしまえば俺は学生なのに、ヒキニートと同じ扱いを受けることになってしまうであろう。
そこはリスクヘッジ、回避してくれ。
そして、ふとお菓子ボックスを漁っていたらこの前までパンパンにあった大量のお菓子がもう既に、切れていてそこには、この部屋の不穏な汚れきった空気しかそこには、入っていないことにさっき気付いた。
そう、とうとう俺の活動維持のエネルギーストックが切れてしまった。
はい、でた。最悪だ。
こう言う時に限って不幸はどんどん俺の方へと寄ってくる。
用事さえ無ければもう、出来れば外に出たくないのだ。
俺はこの無駄なエネルギーを使ってあまりゲーム以外では消費したくは無いのだ。と、言うか外が嫌いだ。閉鎖空間でゲームやってた方が100倍いい。コレを世間はインドア派とでも言うのであろうか。
まあ、でもついつい昼夜逆転してしまう気持ちをきっと、ガチガチのゲーム廃人なら分かってくれる筈だ。
そして外に行く用のほんの、ちょっとした準備をして玄関まで来た。
俺は玄関にあった、純白の白いシューズを雑に放り投げ、おもむろに棚から黒いシューズを取り出した。あまり使用していないので、そのシューズはピカピカで、まるで新品の様だった。
基本、学校に行くときは白いシューズなので黒いシューズは、滅多に使う事はない。
とまあ、外に出かける寸前な時、急に面倒な事が起きた。
母親だ。
母親が俺がゴソゴソしている事に気がついて、玄関までわざわざ出向いてきた。
ああ、分かっているとは思うがとても面倒だ。
母は呆れた様子で腕組んでいた。
「ちょっとあんた、待ちな。もー、こんな遅い時間に毎回どこ行ってんのよ.....。」
「.....ただ単にそこのスーパーでちょっと菓子買いに行くだけだ」
特に夜にお菓子を買う事は、そのまま包み隠すことでは無いので、これから行うことを母親に正直に話した。
すると母はおもむろに大きなため息をつき、俺を叱った。
「ちょっとあんたね、最近ご飯じゃなくて、お菓子ばっか食いすぎよ。最近夜ご飯残しすぎよ。SDGsに反するわ。」
「うん、まあそうだね。」
「そうだね、じゃないわよー。まったく。お爺ちゃんとか見たでしょう。塩分の取りすぎは身体に良くないのよ。それでお父さんも.....塩分の摂りすぎで、早くに死んじゃったから。」
「.......」
なるほど、早死になされたご先祖様を使うのか。
そして、この後やはり少し気まずくなり沈黙した。この空間に長い間いると、色々と崩壊する気がしてきたので、この混沌に見舞われた地獄のような空間から、一人逃げることにした。
すまぬが思春期の息子はこういうことをするときは、ほっといて欲しいんだな。
あばよ、母。
『バタン‼︎』
俺はこのままだと母がヒートアップしてさらに、めんどくさくなりそうだと感じたので、母の話の途中にドアを強引に閉めてそのままスーパーに旅立った。
説教はさせてしまうと、そのまま永遠と続く可能性があるのでプツリと切ってしまうのがまさに、人間の叡智だと言えるだろう。
はっきり言って全部が全部聞いていたらそれこそ時間の無駄だ。説教は別にミュートにするので大丈夫だけども聞いて無かったら無かったら結局あとで怒られるハメになるからな。
あー、もうめんどくさい。このまま母と何を話せって言うんだよ。
まあ、確かにお爺ちゃんも、お父さんも若いうちに塩分の取りすぎで死んだって聞いたけどもさ.....俺は若いから大丈夫に決まってる。まだそんな気にするような事でもないだろ。
流石に心配するにしても、ちと早すぎる。そもそもちょっと家事のストレスが溜まってるからって、大袈裟なんだよ。どうせみんないつかは病気になるんだから今更気にしたって意味ないし。我慢したとて、ストレスが溜まるだけさ。結局は心の健康に良くない。
そして俺が外にでると物凄い肌寒い寒さが、俺に襲ってきて、その冷たい風は寂しげにどこかへ去っていく。
この地域の夜は酷く静かで、走りゆく車の音すらまったく聞こえない。
聞こえるのはただただ、静かに吹く風の音と、カラカラの落ち葉が地面に落ちる音だけだ。
月は今日は三日月で、金色の光で夜の空で1番明るく照り輝いていた。
まあ、そんなこんなで今現在俺がいる場所はな、家からたった15歩程(俺調べ)の地元密着型の、中型ローカルスーパーだ。
家の目の前に立っている、世にも珍しい24時間営業の超絶便利なスーパーマーケットだ。
コツコツコツという音をたったの15回鳴らすだけでそこついてしまうぐらい近い。
うわっ、さぶ」
俺はあまりの寒さに体を縮めた。何故寒いって?それは外気温がマイナスだからだよ。コレは地域にもよるとは思うが東北の1月の寒さを舐めてはならない。
下手したら、外に出て一瞬で身体全体が凍傷になりかねないくらい、この地域はマジ寒いからな。
雪も永遠と降るしね。
しかし今降っているのは、それはもう雪.......というより吹雪にも近いような荒々しい雪模様であった。
それも結構な勢いでこちらに吹いてきてるし、かなり多い。
地面は一面雪で真っ白で、その雪によって足が掬われて、いつもよりかなり動きづらかった。
きっと北陸で雪なんかで喜ぶのは穢れを知らぬ子供と、九州ら辺にお住まいであろう県外人とかだ。俺なんてもう、この白くて寒い光景には既に見飽きたものだ。
そして、11月から3月の約4ヶ月の間はこの嘘のような地獄のような寒さが続く。寒いのに地獄と名付けるのは、暑さよりも寒さの方がつらいと感じるからだ。
俺は暑いのはある程度耐えられるが、寒さに関しては無理なことだ。
そんな事を思っていた時、俺の視界はチカチカと移り変わり、身体全体の倦怠感を覚えた。
なんか.....どういうわけか理解できないが、急に思考がどんどん回らなくなってきた。やばいダメだ。完全に思考能力が鈍ってしまっている。
一体俺はどうしてしまったというのだ。
明らかにいつもとは違う感じだ。
それだけは今の俺でもわかるくらい明確だった。
ということは、俺の体に何かが.....貧血か?いや、まさか、脳卒中とか?いや、俺には何もわからない。
原因はまったくわからないけど明らかにやばそうなことだけは、かなり明白なことだ。
早くなんとかしないと。
そして、俺の意識は急にプツンと途切れてしまった。
次の更新予定
奔放のレルムフォールド 甘織玲音 @yachirigi
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