第1話 関わり

 人の話を聞くのは、随分と嫌いだ。それは、今も昔も変わらない。嫌いというか、耳が受け付けないというか。人と深く話をするのが苦手だ。一つの話題で、何分も話し続けるなど…相手によるが、きっと耐えられない事が多いだろう。そんなとき、彼と出会った…のだと思う。正直、覚えていない。

「自分、絵描いてるんだけど」

そんな出会いだったか。いや、ほとんど捏造に近いかもしれない。でも、そこでその人に会ったのは確かだ。

「どんな絵?」

見せてくれたのは、個性が溢れた絵。罵っているわけでは全くない。ただ、表現が難しくて、自分の頭ではそうとしか表現ができない。言うならば、自分の世界が出来上がっている…という感じだろうか。

「上手いね。羨ましいよ」

絵は得意ではない。文も得意ではない。突飛したものは何も持っていない。そんな自分は、彼に嫉妬していたのかもしれない。彼の絵に対する情熱は驚いたが、それ以外にも、他にもあった。

「…で、あれがさ…」

好きなことになると、口が止まらないということ。授業聞いているよりも、短く感じる。僕はその声が異様に__重く感じた。

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