episode3 別に雪くんとは特別仲がいいわけじゃないから -前編-

【桜side】

「雪くんどこなの?」

あ、いた!絶対に今日の朝のこと聞き出してやる!

「雪くん!」

「先輩⁉︎なにしにきたんですか⁉︎」

「弁当食べるんでしょ。ていうか、ちょっと雪くんと話したくて。あは。」

「え、なんですか。」

「雪くんさぁ。今日の朝、言ったこと。どういう意味?」

「えーとー。なんでもないです。」

うそだ。絶対になにかあるだろ!

「なんでもないわけないでしょ。言って!」

「じゃ、じゃあ!先輩も昨日のこと言ってください。そしたら言ってあげます。」

「昨日のこと?」

「とぼけないでくださいよ!」

う。流石に、そのままスルーはしてくれないか…やばい

「言わないなんてなしですからね。」

「だから。なんのこと?」

「先輩、昨日俺がおかゆ置いた時に...」

「え?なんて言ってた?」

「その、あの、だ、大好きって」

「…い、言ってない!」

「いや、言いました!」

やばい。この人の記憶力がやばい。押し通せないか…

「言ってないもん!雪くんの幻聴じゃないの⁉︎」

「は、先輩も覚えてるからそんな反応をしてるんですよね⁉︎」

「いーや!覚えてないし、言ってもない!その後帰ってほしくないとかも言ってないもん!」

「あれ?俺帰ってほしくないって言われたって先輩に言ってないですよ。ほんとは覚えてるんですよね?」

「あ。」

やばい。自分で自分をおとしめた…最悪。これもう言い逃れできない。

「先輩、正直に言ってください。」

「そうだよ。覚えてるよ。朝起きた時思い出した。」

「やっぱり。で、どう意味なんですか。そっちの方が気になります。」

「人として!人としてね!看病してくれたし。だから人として!大好きだなって言ったの。」

「…」

「雪くん?」

「ごめんなさい。ちょっと教室帰りますね。」

「え、でも雪くんおべんと、」

「大丈夫です。先輩が来る前に友達と食べました。」

なんで嘘つくの?雪くん、私と食べる時は一緒に食べてくれるのに。

「じゃ、また明日。」

「うん…また明日…」

それより、雪くんの声が落ち込んでるように聞こえて。

「雪くん?」

私、何かやっちゃったかな?嫌われてないといいけど。

______________________________________

「桜?」

「玲那。なに?」

「いや、なんか今日元気ないな〜って。」

「あの…」

「雪くんのこと?」

「な、なんでわかったの⁉︎」

「ふふ。女の勘だよ!」

「なんか雪くんが落ち込んでるっぽくて。」

「話聞かせて?」

「昨日…」

______________________________________

「へぇ〜!そんなことが!ニヤニヤ」

ニヤニヤしてるし。なんかいや。だから言いたくなかったんだよ。

「なにニヤニヤしてんの!」

「だって看病してくれたんでしょ?」

「そうだけど。」

「よかったね!」

「黙って!それで、さっき人としてだから。って言ったらなんか落ち込んでるぽくて。」

「え!やばい!それもう確実じゃん!」

「やっぱり⁉︎」

((これ絶対))

(桜のこと好きじゃん!)

(私のこと嫌いじゃん!)

「あは!頑張れ〜!」

なんで玲那ちょっと楽しそうなの!サイコパスなんじゃない⁉︎やばいよ〜。玲那にそう言われたらもう絶対そうじゃん!

「なんで笑顔なの⁉︎ほんとにピンチだよ!」

「え。なんで?」

「だって嫌われてるかもしれないんだよ!」

「は?」

「え?」

「はぁ。桜バカじゃない?」

「なんで!バカじゃないし!」

「あ〜もう!この恋愛音痴が!」

「は?いまそれ関係ないでしょっ!」

まじでこの人なに言ってんの?意味わからないんだけど!いま嫌われてるかもしれないって話してるんでしょうが!玲那の方がバカじゃないの⁉︎こっちがため息つきたいんだけど!さっきから玲那と話噛み合ってない…もう!理解力ないんじゃない?話聞いてた?しかも恋愛音痴でもないし!彼氏ができたことないだけ!勘違いしないで!玲那が彼氏いるからって!こんの…

「私が口出していいことじゃないってわかってるけど、これだけは言わせて。」

「なに?」

「雪くんは桜のこと嫌いなわけじゃないよ。」

「え?」

「これだけは言える。だから心配する必要ないよ。」

じゃあなんであんなに落ち込んでたの?私が何かしたわけでもないのに。本当になに?

「はぁ。桜が鈍感すぎて悲しなってくるわ。」

「は?なにそれ。軽くディスらないで?」

「いや、ほんとのことだから。まじでやばいよ?」

「なにが!なにがやばいの!」

「恋愛音痴がすぎる。だから彼氏いないんだよ。」

う。恋愛音痴ってまた言われた。というか彼氏いないことを言われると否定できない…でもでも!別に彼氏がいないのは恋愛音痴だからじゃないし!私は恋愛音痴でもなーい!

「なんってこと言ってくれるんじゃ!彼氏がいないことはいま関係ないっ!」

「関係なくないわ!まじで漫画とかよめ!このあほ!」

「ちょ、は⁉︎玲那の方がいつも順位低いくせに!」

「そーゆーことじゃない!ジャンルが違う!学力じゃない!まじでやばいよ?」

いやいやいや。頭が悪いことをまず否定してくれ。

「頭悪いのは認めるんかい!」

「それは認めるわ!」

「は!おかしいだろ!普通認めないだろ!」

「「はぁはぁはぁはぁ…」」

「もう知らんわ!桜が鈍すぎて話が進まん!」

「鈍くな…」

キーンコーンカーンコーン

「あ、チャイム…」

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「ばいばーい」

別れの挨拶がとびかう中、1人で帰っていくのは少し悲しい…玲那は毎日彼氏と帰るから1人で帰ることになる。友達がいないわけじゃないけど1番の仲良しではないし。私も彼氏と帰ってみたいよ〜。玲那ずるい!

「桜せんぱいっ」

「雪くん?」

「一緒に帰りましょー」

「いいけど…友達とかと帰らないの?」

「先輩と帰った方が楽しいんで。」

「なに嘘ついてんの。」

「嘘じゃないですよ。」

「あはは!雪くん面白いね。」

「え…」

雪くんは黙って下を向いた。

耳が赤い…怒らせちゃったかな?

「とにかく帰りましょ!」

「あ、そうだね。」

「先輩っていつも1人で帰ってるんですか?」

「そうだよ?彼氏はいないからね!」

「いじってないですから」

「いや、笑ってるじゃん!」

「だって先輩がすねてるから。はは」

「すねてはないよ⁉︎」

こうして雪くんにいじられながら帰った。ひどい。彼氏がつくれないんじゃなくてつくらないの!

会話に集中してたから、後ろにいる人影に気づけなかった。

______________________________________

「じゃあ桜先輩またあした!」

「うん。雪くんまたあしたね。」

パシャ

え。

カメラのシャッター音が聞こえて後ろを振り向くとガサッと音がした。

なんだなんだ?うーん。なんか考えてもよくわからんからもういいわ。

私は考えるのを放置した。

よし、お風呂入ろ。

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華のJKは彼氏がいない @meat_0109

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