第7話 名前を失っていない、とはどういうことか
朝になっても、
あの一行は消えていなかった。
鞄の中に、
確かに重さがある。
——名前を失っていない。
どういう意味だろう。
書いた自分が、一番わからなかった。
希望、
可能性、
未来。
どれも、
今の自分にはしっくりこない。
失ったものに、
名前は付けられない。
でも、
残ってしまったものは、
簡単に否定出来ない。
意味を決めてしまうこと。
それが、
名前を失わせることなのかもしれない。
だから、
決めなかった。
それだけの話だった。
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