第5話「油淋鶏の予定だった日」
冒頭
テロップ
本日のテーマ:油淋鶏(鶏肉)
誰も疑っていない。
今日こそは正常回だと。
遥(準備)
鶏もも。
下処理、完璧。
衣、軽め。
油は使うが、
使いすぎない。
これは
遥氏の得意料理。
東(登場)
無言でクーラーボックスを置く。
開ける。
大量の岩魚(いわな)。
スタジオ、凍る。
東(作業開始)
岩魚を一匹ずつ取り出し、
串を、一本一本、黙々と刺していく。
手つきは丁寧。
異論を挟む余地がない。
スタッフ(異常)
誰も聞かない。
可か不可か
安全面
番組フォーマット
誰も、問わない。
東(決断)
マッチを擦る。
焚き火。
スタジオ中央で、
臆することなく火を起こす。
換気?
知らない。
焼き岩魚
皮が爆ぜる音。
脂が、滴る。
それは
ゼロじゃない脂。
だが
誰も指摘しない。
東(宣言)
岩魚を一口。
ゆっくり噛み、
低く言い放つ。
「かような味ら
なまら味わえ!」
事故
仕事を忘れたAD、
無意識に一言。
「……美味しい!」
一瞬で、
空気が変わる。
遥(反撃)
何も言わない。
ただ、
油淋鶏を3人前、
そのADの前に置く。
「全部、どうぞ」
笑顔なし。
AD(地獄)
1人前
2人前
3人前
箸が止まる。
遥(静かな一言)
「理論は、
量でも証明されます」
関根勤(中核)
焼き岩魚と
油淋鶏を交互に見て、
「……今日は、
会社を休んだ方がいいですね」
誰も笑わない。
でも、全員うなずく。
エンディング・ナレーション
「翌日、
岩魚を食べた被験者は
体が軽かった」
「油淋鶏を3人前食べた被験者は
午後、有給を申請した」
暗転。
次回予告(極小)
「“健康に良いラーメン”
東、ついに“麺”を否定」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます