第4話 健康の鉄人 特別編「内部崩壊 〜誰も料理をしなかった日〜」
冒頭
スタジオは完成している。
照明OK。
カメラOK。
食材も並んでいる。
だが、誰も立ち位置にいない。
控室前・通路
プロデューサー、壁にもたれる。
「……東さん、まだ来てない?」
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「楽屋、空です」
ディレクター
「遥さんは?」
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「“今日は調理しないって”」
沈黙。
会議室(緊急)
ホワイトボードに書かれた文字。
本日のテーマ:
油を使わない油そば
誰かが、
そっとマーカーを伏せる。
スタッフのざわめき(断片)
「もう番組じゃない」
「健康って何だっけ」
「数字は悪くないんです」
「でも説明できない」
誰も声を荒げない。
それが一番怖い。
関根勤(スタジオ入り)
関根さんだけ、
いつも通りスタジオに現れる。
台本を開く。
……白紙。
関根さん、座る。
「今日は、
何を見せるんですか?」
誰も答えない。
東、到着(遅れて)
エプロンなし。
食材なし。
手ぶら。
プロデューサー
「東さん、今日は——」
東、遮る。
「今日は、
作らぬ」
スタジオの空気が、
一段落ちる。
遥、スタジオ端から
遥
「栄養は、
食べなくても
“考えれば”届きます」
誰も反論しない。
異常な収録開始
カメラ、回る。
テーブルには
何も置かれていない。
東、腕を組む。
遥、資料を閉じる。
10秒。
20秒。
沈黙が放送される。
関根勤(唯一の言葉)
「……これは、
家でやってください」
カメラ、切り替わらない。
ナレーション(淡々)
「本日の健康の鉄人は、
料理を行いませんでした」
「視聴者からの
問い合わせは、
賛否、半々でした」
製作陣・事後
ディレクター
「次、どうします?」
プロデューサー
しばらく考えて、
「……続ける」
誰も理由を聞かない。
ラストカット
スタジオを出る東。
振り返らず、
一言だけ。
「腹が減ったら、
また来る」
暗転。
次回予告(極小テロップ)
「脂ゼロ唐揚げバトル
※豚肉使用」
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