〈白紙の物語〉

バート

〈白紙の物語〉


-とある宮殿-


目の前に一冊の本がある。


道化師は言った。

「王様、これは最高の物語ですが、バカには読む事ができません。」


王様は言った。

「そうか。では、読んで聞かせよ。」


大臣は言った。

「私ならきっと読めます。」


騎士団長は言った。

「私には読めませんな!はっはっは!」


お妃様は言った。

「メイド長、あなたなら読めるのではなくて?」


メイド長は言った。

「読みたくありません。」


老臣は言った。

「うーむ。近頃老眼での。司教はどうじゃ?」


司教は言った。

「神は試練をお与えになった……。」


姫は言った。

「司教さまがそう言うならきっと難しいんですわね!」


王子は言った。

「ばぶばぶー。」


(先王の亡霊は無言で嘲笑った。)


−−道化師は、いつのまにやら居なくなり、天井裏の盗賊は、どうしたものかと眉を顰めた。

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