ヤンデレ執事は今日もお嬢様を追いかける

星紫

プロローグ

 「お嬢様!」

勢いよく、満面の笑みで部屋に入ってくる男。それに驚いてペットの猫、シャルルが慌てて逃げる。

「あら、どうしたの。そんなに慌てて」

その男を冷たい目で見る女性。綺麗な金髪に青い目をしている。

「お嬢様、聞いてください! あなたのお父様に解雇されたのです!」

「……分からないわ。どうして喜んでいるの?」

「これからはあなたの専属執事ですよ!」

「…………」

女性は黙る。

(嫌だわ……あとでお父様に文句を言いに行きましょう)

「なんでもお申し付けください!」

「じゃあ消えてくれるかしら」

「かしこまりました! どのような方法で消えましょうか? 刺殺ですか、毒殺ですか?」

「…………」

また黙る女性。目の前の執事は首をかしげている。

(本当に面倒くさいわ……)

女性はため息をついて言った。

「もういいわ。下がりなさい、クラウド」

「かしこまりました!」

クラウドが下がる。そしてまた、ため息をつく女性。シャルルがおずおずと物陰から出てくる。

「ごめんなさい。驚かせてしまったわね」

ニーナはシャルルを抱き上げる。

「もうあの男は去」

「お嬢様!」

クラウドがまた入ってきた。シャルルが慌ててまた物陰に戻っていく。

「……何かしら」

「お嬢様はこれからお風呂の時間ですよね!」

「そうだけどなぜ知っているのかしら」

「ふふふ。秘密です」

クラウドは笑って言った。

「お嬢様! よければ私が着替えの手伝いを……」

「ふん!」

ニーナはクラウドの顔面に拳をたたきつけた。

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