第53話 新たな刺客




朝の光は、

王都の街に

ゆっくりと

差し込む。




だが、

ギルド周辺だけは

緊張が

解けていない。




昨夜、

包囲網を

凌いだものの、

新たな気配が

確実に

迫っていた。




「……来る」




アレンは、

屋上で

視線を

路地に

落とす。




影は

静かに、

しかし

確実に

距離を詰める。




「……まだ

 油断できない」




レオルが、

低く

声を

漏らした。




空気は

冷たく、

湿った石畳が

朝露で

光る。




影の数は

前回よりも

少ない。




だが、

存在感が

重い。




明らかに、

熟練者の

気配。




「……新たな

 刺客か」




アレンは、

拳を握り、

全身に

魔力を巡らせる。




強化。

回復。

警戒。




※自己強化

→ 反応速度・筋力・耐久を

 短時間で向上させる

 ヒーラー用補助魔法




証言者は、

怯えながらも

アレンの

横に立つ。




「……大丈夫、

 俺が守る」




アレンの

言葉に、

男は少し

勇気を

取り戻す。




影が、

路地の角を

曲がる。




アレンは、

魔力感知で

微細な

動きを

捉える。




刃の先端が、

光を

かすめた。




「……直接狙い」




レオルが、

剣を

構える。




アレンは、

微弱な攻撃魔法を

展開し、

牽制に使う。




攻撃ではなく、

相手の動きを

制限するためだ。




影は、

一歩、

また一歩と

前進する。




「……守る側だ」




拳を握り、

意識を

集中する。




証言者を

守りつつ、

屋根伝いに

安全圏へ

誘導する。




影の刃は、

寸前で

空気を

切るだけ。




「……焦るな」




レオルが、

肩越しに

囁く。




アレンは、

微弱な強化を

重ね、

反応速度を

さらに上げる。




証言者の

足が止まる。




「……大丈夫、

 前に出て」




声に

従い、

男は

慎重に

歩を進める。




影は、

一瞬

動きを止めた。




「……狙いは、

 俺か」




アレンは、

小さく

頷く。




屋根伝いに、

再び

前進を開始する。




「……牽制だ」




直接戦闘は

避け、

守ることに

全力を

注ぐ。




影の一つが、

屋根の端から

飛び降りる。




刃が

迫る。




アレンは、

咄嗟に

体をひねり、

避ける。




「……守れた」




微かな

安堵。




しかし、

新たな刺客は

影だけでは

なかった。




遠くの建物の

上から、

強大な

魔力が

放たれる。




「……来る!」




アレンは、

全身の魔力を

最大化し、

自己防御と

回復を

重ねる。




夜明けの

光が、

影の輪郭を

薄く照らす。




「……次は、

 俺の番だ」




拳を握り、

心を

決める。




守る側の

意志を、

新たな刺客に

示すため、

アレンは

路地を進む。




微弱な

攻撃魔法で、

敵の動きを

牽制し、

安全圏を

維持する。




影と魔力の

攻防は、

静かだが、

確実に

緊張を

生む。




「……まだ、

 終わらない」




レオルが、

剣を

握り直す。




アレンは、

証言者の

背後を

固めつつ、

新たな刺客を

迎え撃つ。




夜明けの

王都は、

平穏を

装うが、

戦いの影は

確実に

迫っていた。

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