第51話 夜明けの包囲線




夜が

薄明るく

なるころ、

王都の

路地には

まだ緊張が

残っていた。




屋上から

見下ろすアレン。




包囲の

影は、

夜明けの光で

その輪郭を

少しだけ

見せ始めていた。




「……油断は

 できない」




レオルが、

低く

呟く。




昨夜の

襲撃は、

完全に

排除された

わけではない。




襲撃者たちは、

影の中で

再編成を

始めて

いる。




「……包囲は

 継続中か」




アレンは、

体勢を

低くし、

目を

細める。




風が、

微かに

魔力の

揺れを

運ぶ。




「……感じる」




影は、

屋根伝い、

路地裏、

建物の

影に

分散している。




「狙いは、

 俺たちだな」




「間違いない」




レオルの

剣先が、

微かに

震える。




「……守る側に

 立つ者の

 覚悟を

 見せる」




アレンは、

拳を握り、

強化を

重ねる。




回復魔法も

自己に、

証言者に

維持する。




※回復魔法

→ 傷や疲労を

 短時間で回復

 戦闘継続可能




「……準備は

 いいか」




レオルが、

問いかける。




「ええ」




夜明けの

静寂の中、

動きは、

音もなく

迫る。




影の一つ、

短剣を持つ男が

壁沿いに

前進する。




アレンは、

目を細め、

微弱な魔力で

感知する。




「……読まれた」




刃は、

寸前で、

逸れた。




「焦るな」




レオルが、

囁く。




一瞬の

隙を

見逃さず、

アレンは

証言者を

護りながら

退く。




影は、

追うが、

慎重すぎて

連携に

狂いが生じる。




「……逃げ道を

 作る」




アレンは、

路地を

曲がり、

屋根伝いに

移動を

誘導する。




影は、

追いかける。




距離は

縮まらない。




「……牽制だけ」




アレンは、

判断する。




直接戦闘は

避ける。




守るために、

傷つける

必要は

ない。




証言者は、

恐怖で

足が

すくむが、

アレンの

声で

一歩前へ。




「……大丈夫、

 動ける」




夜明けの

空気が

冷たく、

鋭い緊張を

帯びる。




影の配置が

微妙に

ずれる。




「……来る」




刃が、

屋根を

滑るように

迫る。




アレンは、

全身の

感覚を

研ぎ澄ます。




微弱な

強化で、

筋力と

反応速度を

底上げする。




「……避けろ」




影の刃は、

寸前で

空気を

切るだけ。




「……守れた」




レオルが、

短く

息を

吐く。




屋根の

上で、

視界を

巡らせる。




影の刃は、

再び

動き始めた。




包囲は、

まだ

解かれて

いない。




「……戦わずに

 守る」




拳を握る

アレン。




夜明けの

光が、

影の輪郭を

薄く照らす。




「……逃げずに

 護る」




守る意思は、

刃にも

影にも

通じていた。




襲撃者たちは、

心理的に

追い込まれ、

小さな

ミスを

連発する。




「……ここだ」




アレンは、

強化と

魔力で、

証言者を

安全圏へ

誘導する。




最後の

瞬間、

影の一つが

屋根から

落下する。




だが、

即座に

回避。




反撃ではなく、

牽制で

凌ぐ。




「……守れた」




微かな

安堵。




夜明けの

王都に、

静かな

光が

差し込む。




影の包囲網は

まだ完全では

ないが、

アレンは

守ることに

成功した。




「……これが、

 守る側の

 戦い」




拳を握りしめ、

アレンは

深く

息を

吸う。




中位ランクの

世界で、

守る意思が、

小さな勝利を

生んだ瞬間。




夜明けの

光とともに、

ヒーラーは、

守る側として

立ち上がる。

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