第2話 記憶制限と長編運用(引継ぎ設計)

ID: S01E02

章話: 第1章 第2話

タイトル: 記憶制限と長編運用(引継ぎ設計)

版: v0.2(清書)

推奨運用レベル: L2(テンプレ運用)+必要最小限のL3(ワークスペース運用:置き場は1段落だけ)



 長編を書いてると、たまに起きるやろ。

「昨日めっちゃ良い設定思いついたのに、今日の自分が覚えてへん」ってやつ。

 生成AIとやると、それがもっと露骨に出る。会話が長うなるほど、前に決めた“前提”が、ふっと落ちることがある。


 でもな、ここで怒ってもしゃあないねん。

 記憶制限は欠点やなくて“仕様”や。仕様は、避けるんやなくて、設計で勝つもんやで。


 今日の結論はシンプルや。

 連載・長編・講評で破綻せぇへんために、「3点セット」を作る。

 ①正本化、②要約の積み上げ。③開始・終了プロンプト運用。

 これがあると、生成AIは急に“使える助手”になる。


1. 記憶制限は「容量」やなく「運用」の問題に落とす


 記憶制限って聞くと、「もっと賢いモデルなら解決」みたいに考えがちやけど、サービス固有の仕様を断定できへん以上、ここは一般論でええ。

 大事なんは、「いつか落ちる」前提で走ること。落ちたら困る前提は、会話の中に置かん。外に置く。


 外に置く先は、L2なら“テンプレ群”、L3なら“置き場(ワークスペース)”。

 今日は実装の話を深掘りせん。まず「何を外に出すか」だけ固定しよ。


2. 破綻しない3点セット:正本化/要約の積み上げ/開始・終了


2-1. 正本化:揺れたらここに戻る「確定ログ」を作る


 正本って、要するに「この連載で確定してることの台帳」や。会話がどれだけ伸びても、ここだけは不変。ブレたら、正本を優先する。


【テンプレ①:正本(決定事項)テンプレ/コピペ用】

 - 決定事項ID(D-___):連載の一文(テーマ)は「____」で固定

 - 決定事項ID(D-___):語り手はユキナ(関西弁/一人称ウチ)。舵取りはユキナ

 - 決定事項ID(D-___):制約の地図(記憶/捏造/著作権・引用/ポリシー/学習・データ不安)は共通前提

 - 決定事項ID(D-___):各話フォーマット(導入→本論→まとめ→次回予告)で統一

 - 決定事項ID(D-___):不明・根拠不足は止まる。推測は「推測」と明示

(※番号は増えてOK。けど“増やしすぎない”のも運用や)


 この正本の中身は、要するに「運用メモ(引継ぎ)」「連載バイブル(約束事)」「進捗ログ(各話要約)」に書いてある“確定事項”が核になる。

 会話のノリで決まったことを混ぜへん。決めたら正本に書く。書いてへんことは、未確定。これで事故が減る。


2-2. 要約の積み上げ:毎話300〜600字の“圧縮ログ”を残す


 長編が崩れる一番の原因は、「前提が散らばる」ことや。

 散らばるなら、圧縮して積む。毎話、要約300〜600字を残す。


【テンプレ②:各話要約(300〜600字)テンプレ/コピペ用】

 - その話で言い切った結論:

 - 新規貢献(この話で増えたこと):

 - 次話に持ち越す前提(3つまで):

 - 触れていない範囲(重複防止):


 ポイントは“3つまで”みたいに上限を決めること。要約が肥大化すると、今度は要約が読めんくなる。圧縮は筋トレやねん。


2-3. 開始・終了プロンプト運用:セッションを「入場」と「退場」で締める


 生成AIとの作業は、セッションのたびに“別現場”になる。せやから、開始時に「今日の現場はここ」って立て看板を出して、終了時に「持ち帰りはこれ」って梱包する。


【テンプレ③:セッション開始チェックリスト(L2)/コピペ用】

 - 目的:今日は第__章 第__話「___」を約3000字で1話完成させる

 - 絶対前提:制約の地図(5つ)を前提に、断定できない仕様は断定しない

 - 参照する正本:運用メモ(引継ぎ)/連載バイブル(約束事)/進捗ログ(各話要約)/直近の完成話(必要分)

 - 今回の新規貢献(1〜3):

   1. …

   2. …

   3. …

 - 今回は触れない(重複防止):

   * …


【テンプレ④:セッション終了時 出力テンプレ/コピペ用】

 - 完成物:話数ID(S__E__)本文(清書)+タイトル

 - 要約(300〜600字):

 - 決定事項ID(D-___)追加/更新:

 - 次回ToDo(3つ):

   1. …

  2. …

  3. …


 これを毎回やると、記憶制限が来ても“戻り場所”がある。逆に言うと、これがない現場は、毎回「勘と雰囲気」で走ることになる。長編でそれやると、最後にまとめて崩れるねん。


3. 「毎回アップする最小セット」提案(これだけで回る形)


 次回以降の自分を助けるやつ、ここで確定しとこ。最小セットはこう。


【テンプレ⑤:毎回アップする最小セット(提案)】

 - 必須:

   1. 運用メモ(引継ぎ)

  2. 連載バイブル(約束事)

  3. 進捗ログ(各話要約+決定事項)

 - 推奨:

  4. 直近の完成話本文(基本:前話1本。迷うときだけ2〜3本)


 直近の完成話を何本持ち込むかは運用で揺れるところやから、ここは断定せん。ウチの提案は、普段は軽く(1本)、整合が怪しい回だけ厚く(2〜3本)。これでだいたい回る。


4. L3(ワークスペース運用)は“置き場”だけ覚えたら十分


 L3って聞くと大げさに感じるかもしれんけど、今日言いたいのは1個だけ。

「正本と要約が迷子にならん置き場を作れ」ってこと。


 フォルダでも、ノートでも、ドキュメント置き場でもええ。中身は最低限でええねん。

 - 連載バイブル(約束事)

 - 進捗ログ(各話要約と決定事項)

 - 正本(決定事項IDの台帳:進捗ログ内でも可)

 - 完成話(直近分)

 置き場があるだけで、記憶制限は“事故”から“仕様”に格下げできる。


リスク欄(最小)

 - 記憶制限:前提は落ちる前提。正本と要約に退避する

 - 捏造(幻覚):不明なら止まる。推測は「推測」と明示する

 - 著作権・引用/ポリシー/学習・データ不安:未公開全文は貼らず、匿名化・最小化・要約中心。危険領域は直接描写を避ける


5. まとめ(要点3つ)


1) 記憶制限は欠点やなく仕様。落ちる前提で“外に置く”設計にする。

2) 破綻しない3点セットは、正本化/要約の積み上げ/開始・終了プロンプト運用。

3) 毎回アップする最小セット(運用メモ+連載バイブル+進捗ログ+直近完成話) 

 を固定すると、次回からの作業が速くなる。


6. 次回予告(第1章 第3話)

 次回は「捏造(幻覚)」や。

 生成AIって、確信満々で言うほど当たってるとは限らへん。執筆でも講評でも、「それっぽい嘘」に引っ張られた瞬間に全体が崩れる。

 ほな、どのタイミングで止めて、何を根拠として積み直したらええ?

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