第2話
白虎の騎士ヴィラン-2
多くの大貴族や王族は帝国に属する一般的な兵隊とは別に、自身直轄の私兵を有している。
当然ミレリア様も例外ではなく、自身の守護、補佐をする兵や魔術師をお抱えになっている。
中でも常にミレリア様に付き添って守護している精鋭中の精鋭は不死隊と呼ばれ、その名が帝国中に知られている。不死であるミレリア様に付き従っているから「不死」の隊というわけだ。
先日の先輩がやらかした現場にこの不死隊がいたら、ミレリア様がいかに取り持とうとも処罰は免れなかっただろう。先輩は実に幸運であった。
そんなわけでこの不死隊に入隊することが当面の目的になるわけだが、当然というか恐ろしく狭き門となっている。
まずは社会的な信用、要するにある程度の家柄が必要になる。実力があるからといって、怪しい人間をミレリア様の近くに置くわけにはいかないのだ。
まあ実際のところはあまりにも志願者が多いため、とりあえずは家柄で撥ねているという実態があるらしい。すさまじく突出した実力があれば、例外はあるにはあるらしいのだが。
この件に関しては幸運にも自分はクリア出来ている。今まであまり家柄というものにありがたみを感じてこなかったのが、今までにないほどにこの有難みを噛みしめている。
そして当然だが実力が伴わなければならない。武術の心得もそうだが、たとえ専門でなくともある程度魔術に関しての知識も必要になる。
魔術は今まであまり好きではなかったのだが、新しく付けてもらった家庭教師から興味深いことを聞いた。
現在の魔術体系は数百年にわたる理論の蓄積の結果なのだが、その過程でミレリア様が多くの理論構築に関与されていたらしい。特に「生命と魔力は本質的には等価」という、現代魔術の礎の理論実証における草分けとして有名であった。あの方の膨大な魔力は、その無限の生命力の転化によって生み出されているのだ。
改めて考えるとなんて凄いお方なんだろう。完璧ではないか。
ヴィランのモチベーションは最高潮に達した。
もともと素直な性格で飲み込みが早かった。また突如として生まれ変わったようにやる気を出した息子を不思議に思いつつも、ここぞとばかりに資金を惜しまない両親のサポートの成果もあり、ヴィランは筆頭として入隊を決めた。
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