漫才・ネタ保管庫

@keisei1

漫才ネタ「究極の恋」

甲「どうもよろしくお願いします」


乙「お願いします、小さい方が甲で」


甲「大きい方がツッコミの東京スカイツリーです」


乙「よろしくお願いします、そんなに大きくはない、乙です」


甲「早速なんだけどさ」


乙「早速なによ」


甲「俺、映画作りたいなと思って」


乙「映画。まあ夢は大きい方がいいからね。どういうの作りたいの」


甲「許されない恋愛ってあるじゃない」


乙「ロミオとジュリエットとか、そういうの」


甲「そう。それの究極形を作りたくてね」


乙「究極形。どういうの」


甲「十三日の金曜日のジェイソンと、エルム街の悪夢のフレディの恋」


甲「究極だな。どっちもホラー映画のバケモンだぞ。あの二人、戦うことはあっても恋することはないと思うぞ」


乙「そこを何とかしたいのよ」


甲「何とかなるかな」


乙「ちょっとやってみようか」


甲「ジェイソン、こんなところに呼び出してなんの用だ?」


乙「今度の13日の金曜日空いてるか?」


甲「空いてるけどものすごく不吉だな」


乙「一緒にキャンプに行かないか。材料は揃ってる。肉に、マシュマロに、バーベキューセット。あとチェーンソー」


甲「最後がものすごく不吉だな。殺す気満々な気がする」


乙「俺たち二人は相性がいいと思うんだ。お互い社会からのけものにされ」


甲「バケモノ扱いされて」


乙「嫌われ、さげすまれ」


甲「憎しみで抑えられない衝動が!」


乙「フレディ!」


甲「ジェイソン!」


甲乙『殺しあおう!』


乙「戦っちゃダメだろ!恋をしなきゃ!」


甲「恋にはならないよ。バケモノ同士なんだから」


乙「お前が言い出したんだろ!」


甲「俺が?」


乙「そう!許されない恋の!」


甲「ちょっとシチュエーション変えてみよう」


乙「そうだな、キャンプ場じゃ怖い。二人で食事に行こう」


甲「フレディ。今夜のコースはなかなかのものだろう」


乙「このスープが特にうまい、ベースはなんだ」


甲「蛙の生き血とすり潰したトカゲだ」


乙「この白くて丸いものはなんだ」


甲「ワニの目玉だ」


乙「なるほど、絶品だ。ちなみにこの赤い肉はなんだ」


甲「ネズミのレバーだ」


乙「気持ち悪い食事だな!もうちょっとマトモなメニューを出してくれ!」


甲「仕方ないだろ!バケモノ同士の食事会なんだから!メニューもおのずとそういう感じになる!」


乙「恋をしてくれ!恋にはならんだろ!このメニューじゃ!」


甲「バケモノ同士が恋をするか?」


乙「お前が言い出したんだろ!」


甲「俺が?」


乙「そう!わかった。食事会はもうやめよう。夜景を見に行こう!甘いムードが必要になってくるから。恋をするには」


甲「甘いムード。わかった」


乙「ジェイソン、綺麗な夜景を見てるとロマンティックな気持ちになるな」


甲「そうだな、誰かれかまわず人を襲いたくなる」


乙「イルミネーションのビルを見てるとうっとりしてくるだろう」


甲「ああ、文明社会をぶっ壊したくなる」


乙「クリスマスの夜にはサンタさんがやってくる」


甲「サンタさんはきっと恋人たちをズタズタにするだろう」


乙「愛を語らえ!頼むから愛を語らってくれ!甘いムードにならんだろ!」


甲「甘いムードにはならんよ!バケモノ同士なんだから!」


乙「究極形を作りたいんじゃなかったの?!」


甲「俺も頑張ってる!」


乙「もうちょい頑張れ!わかった。もう甘いムードは諦めよう。ベッドインしよう!プロセスに問題がある」


甲「恋愛はプロセスが楽しいんだけどな」


乙「あなたがプロセスをダメにしたんでしょ!」


甲「わかった、ベッドインね!」


乙「こうやって二人になると胸に熱いものが込み上げてこないか」


甲「そうだな、俺を捨てた母親を思い出し」


乙「バケモノ扱いしたクラスメートを思い出し」


甲「石を投げつけた人々を呪い」


乙「抑えられない衝動が!」


甲「フレディ!」


乙「ジェイソン!」


甲乙『殺しあおう!』


乙「だから戦っちゃダメだろ!愛のフィナーレを迎えられないだろ!」


甲「バケモノ同士じゃ迎えられないよ!フィナーレは!」


乙「始めたのは君!」


甲「わかった。究極形を作りたいなんて夢が大きすぎたよ。大きいのは東京スカイツリーのお前だけで充分」


乙「そんなに大きくないよ、もういいよ」



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