第2話 中層の試練
中層ダンジョン。天井から滴る水が床を濡らし、
薄暗い通路に不気味な影を落としている。
錆びた短剣だけでは心許ないが、今日も俺は
探索者として足を踏み入れる。
「……ここが、俺の戦場か」
呟き、光刃のレイピアを握り直す。
壁沿いに進むと、低く唸る声。小型魔物の群れが
俺を取り囲む。
一瞬の判断が命取り。無意識に剣を振り、
敵の動きに合わせて斬撃を連打する。
体が覚えていた感覚――魔剣士としての勘が
今、現代の俺を守る。
戦闘後、床に落ちた何かが光った。宝箱だ。
中には「氷結の盾」が入っていた。魔物の
属性攻撃に備え、防御力が格段に上がる。
手に取るとひんやりとした冷気が手に伝わる。
次の通路に差し掛かると、颯太の声が響いた。
「大介、まだそのレベルか」
視線を向けると、颯太がこちらを見下ろすように立つ。
小競り合いから一歩進んだ、一対一の剣術バトル。
斬撃がぶつかり合い、火花が散る。互角の攻防の
中で、俺は「絶影剣技」を意識せず発動していた。
体が勝手に動き、颯太の攻撃をかわしつつ反撃する。
戦いの最中、床の振動を感じ、罠に気づく。
一瞬で踏み外しを回避し、刃を振り下ろす。
颯太も驚きの表情を見せた瞬間、俺は連撃を叩き込み、
勝利を手にした。
戦利品として回復薬と古代の防具を獲得。
階層進行度は15層。少しずつ、自分の力が
現代の探索者としても通用することを確信する。
戦闘の疲れを抱えて帰宅すると、由美が待っていた。
「兄ちゃん、大丈夫だった?」
微笑む彼女を見て、心の底から安堵がこみ上げる。
「ああ、何とかな」俺はそう答えながらも、
明日の探索に備えて剣の手入れをする。
夜が更け、窓の外の風が迷宮の冷気を思い出させる。
この世界での戦いは、まだ序章に過ぎない。
俺は再び光刃のレイピアを握り、明日の迷宮へ
向かう覚悟を固めた。
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