ダイン・リバース ~最弱探索者の逆襲~
塩塚 和人
第1話 転生の迷宮
異世界で魔剣士として名を馳せた俺、ダインは、
最後の戦いで無念にも命を落とした。光と痛みに
包まれた瞬間、世界は一変した。目を開けると
見慣れた天井があった。ここは……現代か。
「兄ちゃん、朝だよ。遅刻するってば」
小さな声が耳に届く。振り返ると、妹、由美が立って
いた。十一歳。小さな体だが、物怖じせず、しっかり
者の彼女は、いつも俺を気遣ってくれる。
俺の生活は厳しい。家計は火の車。ローンに
食費、光熱費。最底辺探索者として日々の糧を得る
しかない。十六歳にして、現代の迷宮に挑む日々が
始まる――そんな現実が待っていた。
今日の依頼は、初めての地下ダンジョン。湿った空気と
金属の匂い、薄暗い通路。そこに魔物が蠢く。手に握った
錆びた短剣は、長くは使えないが命をつなぐには十分だ。
「……行くぞ」
剣を振り、魔物に斬撃を叩き込む。ぎこちない動きだったが、
小型の魔物を何とか撃退した。鼓動が胸を打つ。
これが現代で生きる探索者の初めての戦いだった。
探索者仲間は皆、俺を見下す。
「まだ雑魚だな」視線が刺さる。だが、ダンジョンは容赦しない。
戦わなければ、家計は回らない。現実は残酷だ。
そんな中、颯太という年上の探索者が現れた。
俺より一年上。Sランク候補の高校生だ。
初対決は軽い小競り合い。結果は敗北。
「もっと考えろ、大介」
颯太の声が耳に残る。家に帰ると由美が心配そうに待っていた。
「兄ちゃん、無理しないでね」
その言葉に、少しだけ救われる。家計のため、
俺は再び地下に足を踏み入れる決意を固める。
中層のダンジョンに挑む。落とし穴や罠が、そこかしこに
仕掛けられている。慎重に進むが、魔物の群れに囲まれ
絶体絶命の瞬間――体が勝手に動いた。剣が魔物を正確に
斬りつける。無意識のうちに、魔剣士としての感覚が蘇った。
戦闘後、宝箱から「光刃のレイピア」を手に入れる。
光を帯びた刃は手に馴染み、戦闘が少し楽になる。
由美と夕食を取りながら会話する。
「兄ちゃん、強くなったんだね」
俺は微かに笑った。まだ序章に過ぎないが、
現代でも魔剣士としての力を取り戻す手応えを感じる。
中層の通路で颯太と再会。
「覚悟しろ、大介」その声に戦意が湧く。
一対一の剣術バトル。斬撃がぶつかり火花が散る。
俺は光刃のレイピアで連撃を繰り出し、
颯太も俊敏に応戦する。互角の攻防。
だが最後に勝利したのは俺だった。
戦利品として回復薬と古代の防具を手に入れる。
階層進行度は10層。少しずつ、現代での
魔剣士としての力を取り戻している実感がある。
迷宮にはまだ秘密が隠されていた。壁の亀裂を押すと
隠し扉が現れる。中には宝箱。「炎の指輪」を発見。
魔物は属性攻撃を仕掛ける。火炎の爪が迫る中、
俺は剣で防ぎ、反撃の斬撃を叩き込む。戦術を考え、
一瞬の動きを逃さず斬る。
迷宮の歴史を示す手がかりも手に入れる。
探索者としての手応えを実感し、妹との日常も
俺を支える。現代転生の俺の物語は、ここから
本格的に動き出したのだ。
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