おまえとはホントに気が合わない!
白菊
暑い
「いやあ、おひさま さんさんでうれしいね!」
「……」
「すごいよ、すごいよ! ねえみて、みて! くもがひとっつもないんだ! おひさま、あびほうだいだよ!」
「……」
「ねえげんき? どうしたの? こんなにおひさまがでてるんだよ?」
「ちょっと黙れ」
「ええ……?」
「頼むから黙っててくれ」
「どうして? げんきないの? こっちのはっぱじゃま? おひさまたりない?」
「いいから黙ってろ、殺す気か」
「ころ、す? あっ、そういうことか! やだなあ、きみをからしてやろうなんてつもりはないよ。ねえねえ、おはなししようよ、こんなにすてきなばしょにうえてくれた、おくさんのこととか!」
「るっせえ、頼むから黙っててくれ。ああ、あの女……! ちくしょう、あの女の話なんかしてくれるな……!」
「どうして? おくさんのことがすきじゃないの?」
「好きなものか、あんなバカ女……! このおれを、よりにもよっておまえと一緒に植えやがったんだぞ!」
「いっしょじゃ、いやだった?」
「嫌に決まっている! なんだってこんなクソあっついとこに植えられなきゃならねえんだ! 直射日光⁉︎ 冗談じゃない!」
「おひさま、すきじゃないの? そんなことある?」
「うるせえ黙れ。おれは日なんかよりずっと水が欲しい! なんだこのパッサパサの土は⁉︎ 雨はどうした、水やりはどうした⁉︎ あの女、おれになんの恨みがあるってんだ⁉︎」
「うらみなんてないよ。おくさん、おみせでみつけてくれたとき、『あらかわいい』っていってくれたじゃない。きっとかわいがるためにここへつれてきてくれたんだよ。きたいにこたえて、きれいにさいてあげようよ!」
「綺麗に咲いてやるどころかどうにか裂いてやりたい!」
「……わかんないや。とにかく、はなをさかせなくっちゃ。そのためには、おひさまがひつようだよ。きみもあびたほうがいいよ!」
「だっから必要ねえんだって! おれには! 太陽なんか! 太陽なんかより水が欲しい! 花が見たけりゃ水をくれってんだ!」
「おみずはそんなにひつようじゃないよ。おみずよりおひさまをあびるほうが、ずっとげんきになれるよ」
「黙れそれはおまえの場合だろうが。おれの場合は! 燃えるような熱波をぶっ放す太陽じゃなく! 優しく、涼しい! 水が! 必要なんだよ!」
「そんなことある? おみずはそんなに──」
「必要ないっていいたいんだろ黙れ! おれには! 必要なんだ! おまえとは違うんだよ、生態が!」
「せーたい? せえたい?」
「もうほんと黙れ」
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