入れ替わり令嬢は惑わされない〜婚約者の溺愛(偽)すべてスルーいたします〜
さら
プロローグ
目を覚ました。
無駄に豪華な天井だと思った。
ここは…?
不思議に思い起き上がり、自分の部屋にある鏡の前に立った。
「…」
「えっ」
知らない人が写っている。
否
知ってるけど、理解が追いつかない。
鏡に映ったその外見、遊色を帯びたパールホワイトの髪、宝石のようなサンセットオレンジの大きな瞳
「ソフィ・シュゼル?」
ソフィ・シュゼルとは私が読んでいた異世界恋愛ものの物語の主人公だ。
公爵家の長女として性を受け、ヴァランティア王国の王太子、ルイス・ヴァランティアに求婚され、婚約者となる。
何か思惑がある政略結婚かと思いきや、ルイスがなぜか溺愛してくる。
そんな感じの王道の溺愛系物語だ。
それはそれとして
なぜ私がその本の世界に?
冷静っぽいが結構焦っている、だいぶ焦っている。
えっ、私死んだ?
よく本とかで見る、トラックに跳ねられて異世界転生とかあるけど、トラックに跳ねられた記憶も、死んだ記憶もないんだが?
いつも通りに学校から家に帰って、ご飯食べて
お風呂に入って、寝た、ところまでは覚えている。
そして、起きたら、ソフィ・シュゼルに。
「なんでそうなった?」
悶々と考えを巡らせていると、突然コンコンと扉がノックされた。
「失礼致します。ソフィ様、朝でございます。」
誰?と思う間に口が動いた。
「起きているわ、アリス」
なんで今、誰が声をかけたのかわかったのだろう?
本を読んでいたとはいえ、顔を見ないと流石に誰かわからないのに。
「左様ですか。それでは朝の支度をいたします。」
ソフィ付きのメイド、アリスが入ってきて朝の支度が始まった。
1日を通して分かったことがある。
中身は現世のままとはいえ、礼儀作法などはソフィの記憶で一通りちゃんとできるらしい。
助かった。
言葉遣いにも気をつけたため、入れ替わったことは誰にも気づかれてないだろう。
公約者のルイス・ヴァランティアは今日は忙しいとかで会えなかった。
そして、令嬢、めっちゃめんどくさい
ドレスも窮屈だし、言葉遣いに礼儀作法、慣れなさすぎて一日中緊張しっぱなしだった。
「戻りたいなー」
と、誰もいない部屋で思いを馳せる。
やることもないので、今日は寝よう。
そう思ってベッドの中に潜った。
眠っている、でも、誰かに呼ばれている気がする。
「せな」
「瀬奈!」
呼ばれて目を開くと、広い、暗い空間にいた。
振り返ると、自分自身がいた。黒い髪と暗い瞳、純日本人の色彩。
「えっ」
驚いて声を上げた。
「あなた、九条瀬奈よね?」
自分自身から声がかかる。
「わたし、ソフィ・シュゼル」
「わたしとあなた、どうやら入れ替わってしまったみたい」
困惑している目と目があった。
夢の中だけど、会ったんだ。何か、解決の糸口を話し合えるかもしれない。
そう思って、私は口を開いた。
入れ替わり令嬢は惑わされない〜婚約者の溺愛(偽)すべてスルーいたします〜 さら @sara_sa
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