アウトサイダーの異世界戦略

門月影丸

アウトサイダーの異世界戦略



 中学も高校もそれほど頑張らなくても成績は悪くなかった。将来を考えて特に努力もしなかったが そこそこの大学に入れた。

 就職試験でもまあまあなんとか一部上場企業に入ることができた。

 初任給は税込二十一万八千円 源泉徴収で税金と社会保険と厚生年金などもろもろ引かれて手取り十九万八千円 ボーナスは一テン八カ月保証でなんとか年収は三百万を超えるが アパートの賃貸料にスーツや靴など もあまりケチれないし昼飯代がバカにならい。

 この会社にいる限り昇給実績 給与体系がガチガチに決まっているから定年までに受け取る給料の総額は計算できてしまう。

 なんてことだ 二十二才でたどり着いた所はこんな虚しい所とは

 二十五才で結婚して そこそこのマンションを借り子供ができ やがて大きくなれば マイホームを購入したくなるが この会社の給料ではローンでも無理だ。会社はそこまで考えてはいない 頭金をなんとか親に助けてもらい 月の支払いが高額で生命保険付きのローンを背負うのがせきのやまだ。

 これでは気鬱症になってもおかしくはないだろう。

 大学のころ六本木のホストクラブでバイトしたことがあった。

 ホストクラブのオーナーはなぜか妖艶なニュイハーフの美女で

「あなたはとても美形の子だから うちでドップリ働けば ナンバーワンになれるわよ 月収百万は保証してあげる」といって誘われた。

 女を騙したりタラシタリするのはオレの好みではないし そのときは何とも愛想のない答えをしたもので

「いえ いいです」といったが 今思えば誘いに乗ってもよかったかもしれない。

 いまからでも間に合わないことはないだろうが オーナーの美女の後ろにはやっぱり腰が引ける。

 会社への通勤は私鉄と地下鉄を乗り換えるが 乗り換えの連絡通路がかなり長いので 在宅勤務を希望したが 新入社員は在宅勤務の対象外だった。

 もうすでに判で押したような繰り返しの日々が続くだけだった。

 ある日 ある時

 仕事から帰って唯一の趣味である料理で夕食に 醤油に蜂蜜 胡麻 ピーナッツ粉 柚子果汁 青のりなどを加えて自家製焼き肉のタレを作り特上の牛ロース肉の焼肉丼など作って食べたあと 寝るまでの間はパソコンでネットを検索してゲーム情報など閲覧していてRPGの異世界について調べてみょうとして異世界 超常現象 転生のキーワードで検索してみた。

 とるに足らない書き込みが ほとんどだったが 一つ興味深いものがあった

“俺は異世界へ転移して戻ってきた 本当のことだ 俺のパソコンに異世界への招待状が届いた 自分の名前が書いてあり 容姿と年齢はリアルかランダムの選択 異世界へ行きますかとあり ハイ イイエの選択がある 注意として それには異世界から ただ一度だけ戻ることができるが 二度と異世界へゆくことはできないとあった

 俺がハイを選択するとステータスの項目がでて一番下に戦略特記とある結局 俺は戦略がなく異世界でも失敗して戻るしかなかった”

 本当のことと言っているもので本当であったためしはないだろう 歪んだ自己顕示欲で捏造するてあいだろうと思って鼻白んでいると

 着信のチャイムがなり

 画面に招待状が表示されるいる

 名前えは紀野一徳とあり自分の名前が記されている

 容姿はリアルを選択した 年齢もリアルを選択して異世界へ行きますかでまさかねと思いつつ 考えもなくハイをクリックしてしまった。

 画面は変わってステータスが表示されていて ステータスの下の方に 戦略特記の項目がある

 注意書きとしてこの世界で実現不可能か具体性のないものは無効と書いてある

 割り振れるポイントは千ポイント

(結局 俺は戦略がなく異世界でも失敗して戻るしかなかった)とゆう書き込みの中の言葉が気になった

 実際の人生で戦略など考えてもみなかった。結局 戦略をもつことがなかったから それが自分を虚しい所へ辿り着かせてしまったのではないか

 もっと内申を良くする戦略をとればよかった 共通テストで高得点 高判定をとるための戦略をとるべきだった

 一流大学から公務員上級職試験を目指す戦略を早くとっておけば良かったと思っても今さら戦略を立てたところでどうにもならい 学歴偏重 上場企業はほとんどの会社が中途採用はしていない 両親が揃っていなければ採用されないし 社会構造としてやり直しはきかない クーデターでも起きなけりゃ変わるわけもない

 実際の人生ではすでに失敗していてどうすることもできないが ここでは異世界で成功するための戦略を立てるべきではないかと思って試しに酒は飲まない と思いつくままに書き込んでみた

 すると千ポイントが一千万ポイントに増えた どうやら割り振れるポイントが一万倍になっている

 そこで 入金率一万倍とするとポイントは千ポイントに戻ってしまった

 これは一万の逆数 一万分の一倍になってしまったとゆうことのようだ

 そこで タバコは吸わない と書いてみた 今度は また一千万ポイントに戻った

 だったら

 コーヒーは飲まない

 ラーメンを食べない

 餃子を食べない

 ハンバーグを食べない と次々に書き込んでみた

 ポイントは一万の十六乗倍 になったが数字が大きすぎるので 入金率を百万倍 経験値 百万倍としてみた

 割り振れるポイントは一千億ポイントになった

 どうやら戦略が自身にネガティブならポイント上昇 ポジティブならポイント下降のようだ

 筋力 体力 防御 器用 敏捷 智力 魔力 魔防 探知 運

 とりあえず平均に百億ポイントずつポイントを割り振る

 さらに重要と思われる戦略を書き込んでみた

 レベルが一上がると万能の創造神となる

 レベルが一とゆうのが迷彩になるか試してみた 一倍ならポイントは変わらないはずだからと思っていたらポイントは変わらなかった

 他人を攻撃する戦略を書く者がいた場合の対策を書いた

 本人以外の特記事項で自身に対して負にあたるものは無効

 すべての攻撃 神の攻撃さえ跳ね返し相手に返す

 不老不死 自ら死を望む時は死ねる

 思いつくままに書き込んでいると部屋の中が神々しい光に包まれ意識が薄れていく

 目が覚めた

 やはりベッドに寝ていた

 やはり手をかざしてみたリアルの自分の手のようだ天井はアパートの部屋ではない

(本当のことだ)が本当とゆうことか

 回りをみる

 安手の地味なチュニックを着た女子高生くらいの女の子が三人立っている

 女の子の一人が

「あなたも招待状がきた人ですか」

 と聞くので

「そうです どうやら本当に異世界への招待状だったみたいですね」

「わたしは城伽内(じょうがない)友梨(ゆり)といいます 最初にこの部屋にいて 次が呉田優子(くれたゆうこ)さんで その次に長崎真弓さんがベッドに現れてあなたが四人目ですよ」

 ベッドから起き上がり自分はと見れば 彼女たちと同じようなチュニックを着ていて見慣れない茶の革靴を履いている。よく見ればみんな同じ格好をしている

 部屋はどうやら宿屋の部屋のような設えに見える。外えでる扉がある

「扉の外へ出ました」

 友梨が

「いいえ まだ 誰もでてないです 怖くて」

「とりあえず自己紹介しましょうか わたしは紀野一徳といいます 容姿はリアルで 年齢もリアルの二十三才 新入社員のサラリーマンやってました」

「城伽内友梨です 容姿はリアルで中学三年の十五才です」

「うっ わたし ああ ええと 長崎真弓で容姿はリアル 中三 十五才」

「わたしは呉田優子 容姿はリアル 洗心女子大附属高校二年で十七 レディース 吉祥天女の総長やってた」

 容姿は全員リアルの選択は妥当なところだろうランダムではどんな容姿になるかわからないリスクがあるし 年齢もランダムでは容姿と乖離することもあるだろう

 それにしても なんの幸いだ 三人とも紛れもないS級美少女でわないか

 異世界の最初の出会いが三人ものS級美少女とわね そうゆうことなら

「提案があるんだけど これも何かの縁かもしれないから 四人でパーティを組むのはどうかな それに考えもあるから みんなの力になれると思う具体的にいえば 例えば戦略特記に入金率一億倍と書いた もしわたしが金貨一枚手にいれれば それだけで金貨百万枚が手に入ることになる」

 友梨が

「すご〜い それならお金に困ることはないですよね 真弓さん 優子さん パーティ組みましょう」

 真弓が

「嘘ではないみたいだから 乗る」

 友梨が

「呉田さんは」

「いいよ 乗った」

「よし それならこれからの異世界ライフで成功するための戦略を話し合う必要がある まず わたしがパーティのリーダーをやらせてもらっていいかな」

「問題ないです」と友梨

「オッケー」と真弓

「任せるよ」と優子

「それじゃ それぞれの戦略特記にどんなことを書いたか教えてほしい これはとても重要なことなんだ」

 友梨が

「わたしは(勇者として召喚)と書きました」

「ステータスに割り振るポイントは変化した?」

 友梨はステータス ウインドウをだすと「わあ〜でたあ〜」ステータス画面を見ながら

「変化していないみたいです」

「千ポイント?」

「はい」

「勇者として召喚が もし戦略として有効なら スキルを見て もし有効なら鑑定とアイテムボックスと表示されているはずだ」

「ええと あった スキル 鑑定とその下にアイテムボックスも表示されてます どうしてわかったんですか?」

「鑑定スキルとアイテムボックスは勇者に特権的に与えられるスキルなんだ これはとても役立つスキルだ それじゃ ポイントはどんなふうに割り振ったか 教えてほしい」

「魔力と魔防を二百ずつで残りは平均って感じですね」

「職は魔法使いが希望なんだ」

「はい」

「友梨さん どうもありがとう それじゃ 次は真弓さん どうですか」

「わたしは特記は何も思いつかないうちに時間切れだった」

「ポイントは千ポイント?」

 真弓はステータスウインドウを開いて「千ポイント」

「割り振りは?」

「よくわからなかったから平均に百ポイントずつ」

「希望の職業は何かある」

「よくわからない」

「ありがとう それじゃ優子さん」

「わたしはブロッコリーと芽キャベツが大嫌いだからブロッコリーと芽キャベツは食べないって書いた」

「それはすごいな それなら十の三乗かける十の八乗で十の十一乗 一千億ポイントになったはず」

「そんな感じ」

「割り振りは百億平均とゆう所かな」

「そんな感じ」

「そこはわたしと同じだ どんな職業でも大丈夫だ」

 真弓が

「わたしが一番ダメみたい」

「大丈夫だ わたしに考えがある わたしの戦略が軌道に乗れば どうにでもなる」

「本当に」

「本当だ 友梨 鑑定スキルでわたしを見てくれ ウインドウを開いてスキルの鑑定をタップして」

「あっ でた なにか凄そうな感じ」

「戦略特記を見て それをみんなに分かるように読みあげて」

 友梨がすべて読み上げてから

「この レベルが一上がると万能の創造神になる が うまくいけばパラメータをあげる効率をよくするポーションとか なんでも作れるようになると思う レベルが上がるたびに パラメータに割り振れるポイントはいくらかずつは取れるから 真弓のパラメータを改善することは必ずできるはずだ よし それじゃ まず この部屋の中をよく調べてみよう 何か使えるものがあるかもしれない」

 友梨が 小さなテーブルの上にある金貨を見つけて

「金貨が二枚あります」

「その金貨は一旦わたしに預からせてくれ」と言って金貨に触るとまるでスロットマシーンのジャックポットに当たったかのように金貨が溢れた

「凄いです」

「ワーオ」

「どうやって 運ぶの?」と優子

「友梨さん ウインドウを開いてスキルのアイテムボックスをタップして」

 友梨がタップするとアイテムボックスが現れた。

「金貨をアイテムボックスに入れる イメージをしてみて」

 二百万枚の金貨が一瞬でアイテムボックスに消えた。

「これで資金もできた 次はこの部屋から出て ここが何処なのかを調べる必要があるが まず リーダーだから わたしが 扉の外を見に行ってくる」

 三人を残して 扉を開けて外に出ると廊下があって 階段がみえた 階下の喧騒が聞こえる

 かなり多くの人の気配を感じて階段から下の階を覗くと騒がしくしているのは様々の装備をつけた冒険者たちのようだった

 思い切って階段を降りてゆくとそこに見えるのは紛れもなく冒険者ギルドの受付のカウンターと受付嬢だった

 受付嬢に話しを聞こうと思いカウンターに近づいて

「二階の宿に泊まっている者だが」

「ご出発ですか ご清算しますか」

「いや この街のことを少し知りたい」

「この街はタートスとゆう街です ジマハ王国のはずれにある街でハズテノ辺境伯がお治めになっています」

「冒険者の登録はできますかね」

「もちろんできますよ この近くにある森は魔物が多くて冒険者は常に不足していますから」

「できるだけ良い装備が欲しいのだが扱っている所を教えてもらえるか」

「ギルドでは冒険者の登録や依頼の取次ぎだけでなく魔獣の解体から素材の買取 各種ポーションの販売 武具の修理 販売 宿 食堂 喫茶 などのサービスも提供していますよ」

 二階の部屋に戻って受付嬢に聞いたことを三人に話しとりあえずみんな冒険者登録することにした

 みんな同じFランクで登録し受付嬢に聞いた武具屋で装備を整えることにした

「この店で一番の剣と杖が欲しい」

「剣ならこのミスリルの剣が 杖はかなりの魔石を嵌め込んだのがあるが高価だぞ おいそれと買える代物ではないが」

「問題ない いくらだ」

「剣は金貨二千枚 杖が金貨一千枚だ」

「友梨さん 金貨を」

 友梨が金貨三千枚支払うと 店の親父が驚いて

「あんたら 何者だ 大した景気じゃないか」

「もう一つ同じような杖が欲しい」

「これなら嵌め込んだ魔石もそれほど劣ってはいない 金貨九百五十枚でどうだ」

「それも買おう ほかにおすすめの武器や防具はないか」

「ここは王国のはずれの辺境の地だが魔物と背中合わせの最前線だ 良い武具の需要は高い 金さえ有れば結構な物が手に入る所だ うちの商品で一番高価だが金貨三千枚のオリハルコンの盾 魔法が附与されたローブ ミスリルの鎖帷子 アダマンタイトの軽量アーマー あたりが うちの最高級品だ」

「それも すべて買う」

「こんな大商いは初めてだよ あんたらのお陰で 名品の仕入れができそうだ」

 ブーツやグラブ ケープやシャツ ベスト ホーズとアクセサリーなども買って

「友梨さんと真弓さんは魔法使いで後衛がいいと思う 杖を取って 鎖帷子を下につけてローブを着て 優子さんは騎士がいいと思う パラメータ値がわたしと同じで かなり高いので 雑魚の魔物程度ではダメージはないから わたしと前衛をやってもらいたい 剣と盾に鎧を着けてケープでカッコよくきめよう」

 自分には魔法附与はないが黒にバイヤスが金の見栄えが良いローブと黒の光沢の強いブーツでローブの下も黒のシャツに黒のベストとホーズの黒一式でスタイリッシュにきめてみた

 受付嬢に宿の部屋を四人別々に頼んでから食堂で食事をとることにした

 四人がテーブルにつくと給仕のお姉さんがメニューを持ってきた 鶏肉のシチューと牛肉のようなステーキと焼きじゃが芋 苺と葡萄 リンゴのような果物 ジャポニカ種と同じようなご飯を頼んだ

 食事をしながら友梨が

「紀野さんのおかげで 異世界にも早く馴染めそうで 色々とありがとうございます」

「いや なんでもない わたしはサラリーマンだったんだけど よかったら友梨さんのことも 聞かせてくれないか」

「わたしは 孤児なんですよ 施設は十五才までしか面倒をみてくれないんです 来年は高校なんですが 施設をでて自分で働いて高校に行くしかないので昼間の高校には行けないんです それが たまらなく嫌で そんなとき招待状が来たんです」

「真弓さんはどうして異世界に来るきになったの」

「わたしは水泳をやっていてオリンピック強化選手だったの オリンピックで金メダルを期待されて いいタイムをだしていたし自分でも金メダルをとれると思ってた だけど結果は銅メダル 国民の期待を裏切った 負け犬みたいに見られるのがたまらなかった」

「優子さんは」

「わたしの親父はさ ヤクザの組長なの 極道のくせに娘はカタギじゃなきゃいやだとかわけのわからないことを言って お嬢さま学校にいれられた でもね やっぱりあわないのよ わたしには 中三のときからレディースの総長をやってきた バイクで走っているとき生死を意識して飛ばしているときほど精神が充実する百キロオーバーで車の間をスラロームでぬけてゆく死を意識するときの高揚感

 わたしはもう戻れない だからこの世界の方がきっと生きやすいと思う もとの世界に戻れると書いてあったけど わたしは何があっても絶対かえらない それから これから生死を共にする仲間でしょ さんづけはやめにしよう」

「優子さん いや それじゃ 優子は強い人だね きっと成功するよ わたし いや オレが必ず成功させてみせる それから 一徳でいい」

「年上だから 一徳さん」

「いや 一徳でいい」

 友梨が

「優子ねえ は」

「優子でいいよ」

「パーティの名称を決めよう これからパーティとして人に知られるように」

「リーダーの考えは」

「そうだな 月光の守護神とか 日輪の剣 オリオンの聖槍 とか」

「リーダーが決めてください」

「それじゃ 日輪の剣(つるぎ)に決めよう 今日は もう晩くなったから 各自 部屋で休息をとることにして 明日 朝 受付に集合 なにか依頼を受けよう では 解散」

「は〜い」

「わかった」

「了解 リーダー」

 部屋にもどって 明日からのパーティとしての活動のために ステータスの確認をすることにした

 まず レベルは一 クラスは土民

 HPは百 MPは二百 ここまではパーティ メンバーはみんな同じはずだ

 なんの戦略もないと 各パラメータは百平均しかならない 友梨と真弓がほとんどそれに当たる 優子はなんの考えがあったわけではないようだが 芽キャベツとブロッコリーを食べないと戦略特記に書いたのは運がいい それだけでポイントは初期値の千ポイントが十の八乗倍の一千億ポイントに跳ね上がる これを平均に割り振ると百億ポイントずつになり 戦略のない百ポイント平均の友梨や真弓と比べるとかなりの能力差となり圧倒的に有利だ

 やはりこの世界での成功は最初に立てた戦略に大きく左右され 後からではどうすることもできないと言えるかもしれないが オレの戦略が上手くいけば 友梨や真弓を助けられる可能性はある

 ステータスウインドウを見ると シンプルなデータの確認以外の何ものでもない フレンド申請やパーティ申請のコマンドなどないし アドベンチャー的な異世界転移とゆう感じがする

 パーティで戦闘した場合は魔物を誰が倒してもパーティメンバーがそれぞれ経験値を獲得でき ドロップアイテムは魔物を倒した者が受け取る権利を得るのが普通だが パーティと言っても 自分たちで決めただけで 経験値やドロップアイテムがどうなるかは今のところ全くわからない

 明日 実際に確かめるしかない

 翌朝 ギルドの受付にみんなが集合したので 受付嬢に

「パーティで依頼を受けたい」

「パーティ登録はされましたか」

「まだだ」

「公式にパーティで活動するならパーティ登録が必要となりますよ パーティ登録されますか」

「もちろん」

「それでは パーティ名からお願いします」

「日輪の剣だ」

「リーダーの名前は」

「紀野一徳」

「メンバーの名前をお願いします」

「城之内友梨 長崎真弓 呉田優子 以上だ」

「これでパーティのリストに登録されました 今後はパーティ指名の依頼をお取次ぎすることができます パーティで依頼を受ける場合はパーティメンバーの中でもっとも高いランクまでの依頼が受けられますよ」

「全員 Fランクだ なにか受けられそうな依頼はあるか」

「そうですね 角ウサギを十匹狩る依頼がおすすめですね 依頼を完了すれば報酬は金貨一枚 別に討伐報酬が角ウサギ十匹で銀貨二枚です 場所はここから十五キロほど離れた村の近くの森です」

「その依頼を受けよう」

 牧場や麦畑が見える村の近くの森まで歩いて三時間ほどでついた

「角ウサギはそれほど手強い魔物ではなさそうだけれど それでもこれから初めての魔物との戦闘を経験することになる 戦い方をどうするか あらかじめ 話しておこうと思う 今はみんなスキルを全くもっていないので まず魔法の練習を友梨と真弓にしてもらう 魔法はイメージすることが大事だ 体内にある魔力の源を感じ それが 体内で血液が循環しているのと同じように流れて回っているのを感じ想像する 友梨 真弓 魔力を感じるか」

「何か 感じる」友梨

「感じる 感じる」真弓

「よし そのままで 火属性でもっとも基本的な魔法のファイアボールの練習だ 火の玉をイメージして魔力の流れを火の玉に変換するようにイメージして標的に投げるようにするんだ」

 友梨が突然詠唱し始め

「我が想いに応え炎の力 玉となって現れいでよ ファイアボール」

 かなり大きな火の玉が現れ友梨の前方に発射された

「やった かってに言葉が口をついてでてきた」

「真弓 友梨の言葉を使って やってみてくれないか」

「わかった 我が想いに応え炎の力 玉となって現れいでよ ファイアボール できた」

「友梨と真弓は実戦と訓練を積んで 魔法のスキルを完成していこう レベルが上げれば上級魔法のスキルが使えるようになるかもしれないし 自ら工夫し訓練して成長することができるかもしれない 二人は後衛として オレと優子の後ろで働いてもらう 前にですぎないように 立つ位置には常に注意してくれ よし 次は優子だ 優子は前にも言ったとうりパラメータが圧倒的に有利だから なんでもこなせるが 今は騎士として前衛で友梨と真弓を守ってほしい」

「了解」

「将来的には優子は魔法の使える剣士になれると思う 今日は友梨と真弓を守りながら盾で角ウサギの攻撃を防ぎつつ臨機応変に剣を振るうようにしてくれ それじゃ 森の探索をはじめよう」

 自分が先頭になって森のなかを探索していくと頭に角の生えた灰色のかなり大きなウサギが飛びかかってきた

 かわさず 攻撃されるようにしていると角ウサギは跳ね返り死んだ すべての攻撃を跳ね返えすとゆう戦略特記は有効だと確認できた

「一徳さん凄い」

 角ウサギは次から次へと湧いてでてきて すべて跳ね返して すぐに十匹狩ってしまった

 体が光にしばらく包まれたが レベルアップしたのだろう

 ステータスウインドウを開いて確認すると レベル百十五クラスが土民から万能の創造神になっている 戦略特記がここでも有効なことがわかる

 戦略特記に記した中でもっとも狙って仕込んだ戦略だ

 HP一万一千六百 MPは二万三千二百 HPは一レベルあたり百ポイント MPは一レベルあたり二百ポイント 上昇している

 パラメータに割り振れるポイントは一万一千五百入っている 一レベルごとに百ポイントとゆうことになる

 システムメッセージ表示されている 〈創造神には侍神を一柱持つことができます 女神と男神どちらにしますか〉

 女神を選択する

「畏れ多き我が主よ お召しにより慎んで お仕えいたします」

「声だけしか 聞こえないが」

「わたしに形はありません」

「形を持つことはできるのか」

「はい できます」

「聞きたいことがある」

「なんでしょうか」

「この世界での我々はどんな意味を持っている」

「この世界への転移者です」

「この世界の住民は人間なのか」

「この世界の人間です」

「この世界を司るものは」

「システムです」

「システムとはなんだ」

「摂理です」

「摂理とはなんだ」

「決まったとうりにすることです」

「その主体はなんだ」

「理由もなく そうなるから そうなるのです 主体はありません システムがただあるのです」

「システムは絶対とゆことか 絶対のシステムが ただ あるとゆことか」

「そうです」

 友梨と真弓 優子にもステータスを確認するように指示した

「レベルが上がっていると思うが オレは百十五レベルまで上がった 友梨はどうだ」

「ニレベルに上がってますHPは二百でMPは四百です」

「真弓も同じだね」

「そう」

「優子も」

「ええ」

「クラスは土民のままか」

 三人頷く

「わかった オレは戦略特記が有効のようで 万能の創造神になった」

 友梨が

「何か 変わりました」

「しもべの女神が現れた 今は形がないが 形を持つことはできるらしい そのときが来たら 紹介しよう これから 三人にはレベル上げと訓練を兼ねて角ウサギをできるだけ 狩ってもらう オレは指示だしに専念し優子は前衛で盾と剣で積極的に角ウサギに攻撃をしかけろ 友梨と真弓は優子をファイアボールで援護してくれ」

 探知のパラメータがレベルが上

 がったことで効果が大きく現れ索敵能力がかなり向上したので森中の角ウサギの位置や状態が手にとるようにわかり優子を誘導して攻撃させた

 角ウサギは動きが素早く攻撃的で次々に優子に飛びかかってくるが優子も盾を使って跳ね返し押し込んでは剣で斬り飛ばしている

「クソ ウサギども かかってこい やっ やっ えい やあ たあ」と力戦する

 友梨と真弓もMPが続く限り繰り返し詠唱してはファイアボールを撃っている

「我が想いに応え 炎の力 玉となって現れいでよ やあ ファイアボール」

 角ウサギを百匹ほど狩ったところで狩った角ウサギをすべて友梨のアイテムボックスに納めて引き揚げることにした

 三人ともレベルは七レベルまで上げることができた オレのレベルは一万五千六百三十三レベルになった

 今回の依頼の報酬は依頼完了報酬と追討報酬とを合わせると 金貨五枚と銀貨二枚 これをオレが受けとると

 金貨五百二十万枚となる

 タートスの街に戻りギルドで報酬を受けとって各種のポーションを大量に購入したりしてから狩った角ウサギの解体を頼んだ

 肉は食肉用にし素材は買取にしてもらい支払いは受付に預けてもらうことにして食堂で飯を食べることにした

 食堂は冒険者たちで賑わっている

 給仕のお姉さんに

「今日のおすすめは 何かある?」

「ソイペーストじたてのじゃが芋と玉ねぎのスープにソイソースじたての角ウサギのバーベキューがおすすめですよ」

「じゃ それを四つ」

 テーブルに料理がならび

「このスープはお味噌汁の味がする ソイペーストってお味噌のことかも」と友梨

「おお これは 紛れもなく お味噌の味だ これからの野営用の料理の味付けに手に入れたいな」

 串に刺して焼いた角ウサギの肉を頬張りながら真弓が

「角ウサギのお肉は鳥肉みたいで お醤油のタレの焼き鳥みたいで美味しい」

「間に刺した野菜は長ネギみたいね」と優子

「おお このソイソースも手に入れよう」

 食事の後は解散してそれぞれ宿の部屋にもどることにした

 ベッドに横になってしばらくくつろいでから侍神を呼び出した

「主 何かおありでしょうか」

「女神よ名前はないと言ったな」

「はい」

「名前がないと呼びだしずらいから 名前をつける ビネスと名のれ」

「慎んで名乗らせていただきます」

「では ビネス」

「はい」

「オレにはこれからこの世界に住んでゆくうえでの戦略特記で記したこととは別に大いなる戦略を持っている ビネス お前に やってもらいたいのは友梨 真弓 優子の育成だ まず レベルではオレの経験値はいたずらに多すぎているので これを分け与えたい できるか ビネス」

「はい 可能です」

「友梨はアイテムボックスのスキルを持っているが いちいち受け渡すのは面倒だ オレと真弓と優子にもアイテムボックスのスキルをつけてくれ」

「仰せのとうりにいたします」

「それぞれの育成方針は 友梨は魔法は無詠唱で使え杖も不要で 完全防御しながら強力な固有の魔法を生成し放つ力を持たせてほしい 真弓は魔法使いとして 無詠唱で杖も不要で 広範囲 完全回復 完全浄化 完全防御 を中枢としてどの属性の魔法も使える力を持つように 優子は 剣の技と魔法と両方使える魔法剣士に 完全防御しながら魔法附与の剣が使えるだけの力をもてるようにしてほしい できるか ビネス」

「可能です」

「ビネス」

「はい」

「形を持つことができると言っていたな 仮象することができるとゆう意味でいいのか」

「はい」

「では そうしてくれ」

「どのような形がよろしいですか」

「どんな形にもなれるとゆう意味か」

「はい」

「そうゆうことなら 人間の女 絶世の美女 年齢十八才くらい身長百六十五センチ バスト九十五センチウエスト六十 ヒップ九十 黒髪のショート 愛嬌毛が真ん中から自然に分かれて軽いつむじ程度でポイントのスジはない もみあげはIB 黒い瞳 肌は純白 服装は黒のスーツ クレリックの襟なしシャツに玉虫のボータイ 黒の網タイツ 黒のテーパードヒールパンプスで仮象せよ」

「仰せのままに」

 初めはビネスの姿がうっすらとリフレクションのように見えていたが やがて受肉した。

「ビネス」

「はい」

「姿を消すこともできるのか」

「できます」

「念話はできるか」

「できます」

「では オレが都合が悪いと思ったときは念話にせよ」

「仰せのままに」

「明日は市場など街を見て周りたい これから野営などに必要なものも買わなくてはならないし いつまでもギルドの宿とゆうわけにもいかない お金は有り余っているから 家を買おうと思ったが それよりも 空いている土地を探して大金持ちの篤志家の大邸宅を建てた方が 職人やさまざまな仕事に関わる労働者にお金が落ちて経済効果があるだろうから 余ったお金はそうゆう使い方をしたい 兎に角 貴族の大邸宅より奢侈で贅を尽くしたものにしたい 孤児や貧困者には無料で食事を与えたいとも思っている 自分たちが住む家だけでなく孤児 貧困者のための食堂や宿や必要な施設を建てるようにして建設労働者には職のない者を優先して雇い 賃金も相場より少し多めにしてやりたい 施設も充分な容量と規模を惜しみなく建設したい 施設を運営するのに必要な人員を集め無理なく生活ができる給金と家族を養い育める住まいを与えたい ビネスやれるか」

「はい」

「頼みたいプロジェクトがもう一つある。オリジナル料理のレストランを 王都や大きな街に造ることだ。この世界には七つの王国があるとゆう このすべての国の王都や大都市に オーガニックとゆう店の名のオリジナル料理のレストランを造って欲しい。必要な食材の確保のためには各所の貧困者の救済事業として土地を開削し農場を作り貧困者に充分な賃金を払い畑を作らせて食材の自家製産を実現してもらいたい。では 明日からかかってくれ」

「承りました」

 ビネスが計画を進めている間に 日輪の剣はギルドのさまざまな依頼を受けて あちこちへ出かけて行った。

 イノシシ型の魔獣 ブラックボアの討伐 ゴブリンに襲われた村ではゴブリンの巣の掃討と連れ去られた住民の救出 牛型の魔獣 ダークホーンブルの群れの討伐 沼地で大繁殖したリザードマンの討伐などななど依頼をこなしているうちに 冒険者ランクはCランクに上がっていた。

 友梨 真弓 優子の育成も順調に進みクラスもかけだし冒険者 レベル100から 初級 冒険者 レベル200 中級 冒険者 レベル300 上級 冒険者 レベル400と上がりベテラン 冒険者レベル500にまで上がっていた。

 大邸宅もほぼ完全して施設もかなり整ってきたころにはタートスの街は大富豪の篤志家の話しで持ちきりとなっていたが オレたちは邸宅にはほとんど帰らず 冒険に出ていた。

 大鹿型の魔物ジャイヤントディアーから オークの群れに襲われた街の救援 オーガに鳥型のロックバード ブラッドホーク 巨人ベヒモス 砂漠のヘビ型の魔物サンドサーペント など次々に討伐していったが パーティ日輪の剣の名も王国中に知られるようになっていったころ ジマハ王国の王都に滞在しているころに怪鳥グリフィンやキメラさらに火龍がたて続きに来襲した。

 グリフィン来襲で王都のギルドは大騒ぎして緊急クエストを冒険者たちにだしまくっていたが そのとき戦力として当てにでき 依頼を受けられる上級冒険者が少なくギルドマスターは頭を痛めて

「グリフィンの街への被害をできるだけ少なくしなければ グリフィンは火に弱い 火属性の対空魔法が使える魔法使いはいないか 城壁の上から迎撃してもらいたいのだ」

「オレたちが迎え討とう 日輪の剣だ」

「あの日輪の剣か 最近の活躍は良く耳にしている 対空魔法は使えるか」

「問題ない」

「すぐに討伐に向かってくれ」

 オレたちは城壁の上に登り

「真弓 グリフィンを撃ち落とせ 」

 真弓が無詠唱でいきなり強力な砲撃を放った。

「フレイムブラスター!」

 一撃でグリフィンは墜落した

「友梨 とどめを」

「メテオインパクト!」

 火焔の隕石が 地上に落ちてもがいているグリフィンの上に容赦なく降り注ぎ グリフィンは炎に包まれぐったりと生き絶えた。

 不安そうに見ていた群衆から一斉に

「オオー」と歓声があがった。

 キメラのときは城門に近づくキメラに対して日輪の剣が城門から打って出て迎え討った。

 オレはキメラを状態異常の魔法でスロー状態にし 優子には状態異常を無効にするは強化魔法をかけた

 優子は猛毒を吐く尻尾のヘビに近づくき ヘビの首を一刀で切り落とし

「サンダーブレード!」と剣から雷の刃を飛ばしキメラの胴を切り裂き瞬殺した。

 火龍が王都を襲うようなことは 王都の歴史に於いて ただの一度もないことだとギルドでは騒ぎになっていた。

 火龍の強烈な火焔のブレスにはほとんどなす術がなく王都の兵士の放つ弓も冒険者たちの魔法も火龍にはとどかず 火龍のブレスの炎に焼かれ おおくの兵士や冒険者の犠牲者がでていた。

 不敵に飛び回り街を焼き巨大な翼の羽ばたきで瓦礫を巻き上げ 大きな瓦礫の塊をあちこちに降らせ 逃げ惑う人々を戦慄させた。

 オレたち日輪の剣はキメラを討伐した後 ひとまず本拠地のタートスへ戻ることにして王都からタートスへ向かっていると早馬の蹄の音が近づいてきてギルドの伝令が

「一徳殿!一徳殿!火龍が王都に来襲し大変な事態に ギルドマスターからの伝言です。日輪の剣はすみやかに王都に引き返し火龍を討伐されたしとのことです」

「了解したとギルドマスターに伝えてくれ」

「では そのように 御免!」とゆうと伝令は折り返し走り去った。

 今までオレはずっと指示だしと支援に回っていたが 相手が火龍とゆうので 試してみたいことがあった

 一つは火龍の強烈な火焔ブレスを跳ね返し相手に返すことが火龍のブレスにも成立つかを確かめることともう一つは 万能の創造神としてビネスに聞いていたスキルやアビリティを自由自在に設計できる創造神の絶対的な働きを試すことだ。

 ビネスによれば万能の創造神は この世界でただ一柱だけの神で すべての神の頂点でふたなき存在であると ようはほかの神は様々あっても 創造神がふた柱存在することはないとゆうことだ。

 新たに創造したアビリティは飛行能力で空中を飛翔するドラゴンを地上からでなく空中から迎撃し火龍のブレスを火龍に返す戦法をとりたかった。

 王都に着くと友梨と真弓と優子には地上でドラゴンの被害をできるだけ食い止めるように絶対防御で建物や住民を守るように指示してから 飛行アビリティを使って ドラゴンの前に空中で立ち塞がった。

 火龍は間髪を入れずに体当たりしてきたが 跳ね返り自身の体当たりのダメージを受け少し落下して喘ぐようにしてから持ち直した。

 怒りをあらわにした火龍は大きく構えてブレスを放ったが オレに当たる直前で跳ね返り火龍自身が火焔に包まれた。

 怒りに怒ったドラゴンは続けざまに火焔を吐いたが 三度目の火焔を吐いた跳ね返りの炎に焼かれぐったりとして虚しくなり落下して地上に激突した。

 日輪の剣は冒険者ランクがAの王国最強のドラゴンスレーヤーのパーティとなった。

 ギルドの祝勝会と歓喜の人々 王と拝謁し王じきじきの感謝の言葉を受け 王都じゅうが歓声に沸き返った。

 ビネスに指示して於いたオリジナル料理のレストラン オーガニックがすでに王都に開店していて ドラゴンの被害に遭った人たちに無料で食事を提供していた。

 ギルドの討伐報酬や王からの恩賞で資金は天文学的に増えてしまい 使っても使っても使えきれない。

 オーガニックのなかにはVIP用の豪華なダイニングルームがありパーティメンバー四人でゆっくりと食事をとることにした。

 友梨 真弓 優子はビネスの育成がかなりの成果をあげ 英雄 レベル600 勇者 レベル700 使徒 レベル800 亜神 レベル900 神 レベル1000まであがり ステータスは神になっている。

「ステータスが神になると不老不死になるとビネスは言っている。三人ともまだ十代だからピンとこないかもしれないが」

「本当なら驚きです」と友梨

「すべて 一徳さんのおかげよね」と真弓

「もとの世界に戻れても わたしは絶対に帰らないわ この世界で生きて行きたい。魔物との戦闘にも慣れたし 力もついて 冒険のある世界は刺激的で充実している」と優子

「どう この屯食は お酢と蜂蜜に柚の果汁を加えた甘酢を白炒ためしたご飯にきって握ったものに胡麻とピーナッツ粉をうっすらかけてみた」

「うん これは美味しすぎるほど美味しいわね」と真弓

「一徳さんが考えたレシピなの」

「そうだ 食材はすべてビネスに用意させた これは 手打ち無塩パスタを茹でてからキャノーラと胡麻油を調味油に適油して炒め薩摩芋 カボチャ じゃが芋 人参 玉ねぎの天ぷらをトッピングして さらに醤油と椎茸 蜂蜜 鰹節ソフトタイプで作ったつゆで かけうどん風にしてみた 食べてみて」

「食べる 食べる」友梨が 一口食べると

「美味しい!異世界でこんなに美味しいパスタが食べられるなんて 涙が出そう」

「まだ まだ ある これはオリジナルのハヤシライスで 豚ロースの角切りと玉ねぎの中みじん切りをキャノーラと胡麻油を適油して炒め 焼きじゃが芋 焼き人参をコーンスターチに醤油 黒砂糖 味付けしたルーと合わせて炊き 白炒めしたご飯にかけたもの

 微毒性のウコンや毒性の強い黄色い色素のカレールーと違ってヘルシーなレシピだ」

「わたし食べたい う〜ん 頬っぺたが落ちそうな カレーなんか問題にしない美味しさ 一徳さんのレシピは凄い」と優子が感嘆の声をあげた。

「これも食べてみて 膨張剤を加えない五色ミックス ブレンド ナチュラルパンのトーストだ パン生地にスリ胡麻 ピーナッツ粉 きな粉 青海苔 ココアパウダーの五色を加えて水分をよく捏ねて馴染ませてから しばらく寝かせて熟成させたパン生地で焼いたパンのトースト これに合わせて 焼きじゃが芋のマッシュポテトに白炒めした人参と玉ねぎのみじん切りとを柚甘酢を加えて練ったポテトサラダをトーストにのせて食べるのが抜群に相性がいい」

「食べたい う〜ん この世のものとは 思えない美味しさですよ これは」と友梨が 如何にも勘に耐えないとゆう声でいった。

「一徳さんの困窮者や孤児の救済プロジェクトと このレストランは関係しているんですよね」

「このレストランの食材は自家製産していてそれを生産する農場や牧場は困窮者を働き手として家族を養える充分な賃金を支払い住まいも無料で提供している。施設の建設も彼等を労働力として妥当な賃金をえられる仕事としてこれを六つの王国の大都市で展開している」

「この先の考えもあるの」

「事業資金は天文学的な金額になってしまったし これを虚しく眠らせているのはあまりにも愚かなことだから今のプロジェクトを進めているが まだ充分じゃない。この先は国を造ろうと思っている」

「国を造るって どこに」

「これからは未踏の深淵の森を探索して魔物を討伐 排除して開削し国土を切り拓く。深淵の森は辺境伯領に近く 場合によってはジマハ王国やギルドを敵にまわすことになりかねないが そのため初めは密かに速やかに建設する必要がある。ある程度開削が進んでしまえば 資金はあり余っているから王国の支配層の貴族を買収できる可能性は高いだろう」

「国の名前は考えてあるの」

「七番目の王国 リベルタニヤ王国だ。王国であっても封建的な身分制度ではなく国民は豊かな暮らしが保証され自由な生活を享受する。オレはリベルタニヤ王だが 使いきれない資金があるのだから国民から税を取らない。ただ 国民から敬愛される王であればいい」

 本拠地タートスに戻って 深淵の森を探索する準備をする事にして 自前のゴウジャスな大型のコンパートメントの四頭だてユニコーンのような白馬の特別注文の馬車で帰ることにした。

 国王の馬車にも勝るこの美麗な馬車を路線馬車のように走らせるため 六台ほど作らせたものだ。

 各国の大都市を繋いで将来の領事館 商館として使える構えをレストランの近くにたて人材育成もビネスに指示し 文字の読み書き 支配層の上級貴族の接待に必要な礼儀作法 知識 教養を効率よく仕事をしながら資質のある孤児や貧困層の女子に学ばせて 彼女たちが業務のための移動ように派手なデモンストレーションを兼ねた加美な馬車が必要だった。

 彼女たちの安全と優美な馬車の旅のためには 名前のある冒険者パーティに高額報酬で護衛を依頼し名のある冒険者との良好な関係を築いておくことも深謀遠慮とゆうところだった。さらに彼女たちには高額のマジックバックを持たせ 旅の途中に必要なテントや寝袋などから食材や料理や果物 菓子などマジックバックのなかでは食品が腐ることがないので入れて冒険者に野営を快適にする便を計り冒険者たちにより好感をもたれるように指示している。

 自分たちは安全のための護衛はいらないから パーティメンバー四人と御者は生活困窮者の仕事として職業訓練したピートをいれて五人だけだった。

 御者のピートが馬車を止め

「このあたりで野営した方がいいでしょう」

 ピートはマジックバックを持っていて いかにも野営に慣れているとゆう様子で手早くテントを張り テントの中に寝袋を入れフォールディングテーブルに椅子 魔道コンロで湯を沸かし抹茶カップティーを入れて

「皆さん お茶をどうぞ 都でのご活躍 本当にご苦労様でした」

 テーブルでみんなでお茶を啜りながら

「ピートさん 野営は手慣れたものだね」

「マジックバックは便利ですから こんな高価な物を自分がもてるなんて夢のようですよ。夜も絶対防御のシールドを張る魔道具がありますから安全ですし この魔道具に使われている魔石は魔力容量がとても大きな物ですからどれほど高価か想像もつきません。鉄製の連射ボウガンも支給されてますし 篤志家の旦那さまはお名前は聞いていないのですが執事のビネスさまからも伺っていないので きっと信じられないくらいの大富豪なのでしょうが それよりも人を愛する方として 本当にありがたい方だと敬服しています」

「ピートさんのご家族は?」

「妻と一人娘がいます。家も無料で貸していただいて 人並み以上によくしていただいてます。娘もメイドの仕事をしながら読み書きまで習わせてもらってるんです。そろそろ食事にしましょう」

 ピートはマジックバックから食材を取り出し魔導コンロで調理してあるオーガニックの食材を使った焼き鳥や唐揚げピラフを温め皿に盛り付けた。飲みものは牛乳にココアパウダーときな粉に蜂蜜を加えたホットのココアオーレに蜂蜜苺ミルク 牛乳にすり潰したメロンを混ぜたメロンシェイク 黒酢に蜂蜜とマスカット葡萄 果汁を加え湯冷しウォーターで割ったマスカットTテイスト 黒酢に蜂蜜 柚子果汁を濃厚な濃さに湯冷ましウォーターで割った栄養ドリンクリビドなどオーガニックのメニューにある物ばかりだ。

 五人で大いに飲み食べ話しを弾ませて 夜も更けてからそれぞれテントに入って眠りについた。

 しばらくしてオレのテントに人影が近づく気配を感じた。外は魔道具で広範囲に防御結界が張られているし探査にも引っかかるものもないので そのままにしていると 優子がテントの中に入ってきた。

 優子は寝袋のなかに潜り込んでオレの胸に顔を埋めるようにして

「暖かい」と呟くように言った。

 オレは優子の髪を優しく撫でて

「どうした」

「わたしは十八よ」と優子はゆうとオレの上に覆い被さるようにして唇にキスした。

 快適な旅で本拠地タートスへたどりついた。屋敷でビネスからプロジェクトの進捗の報告を聞き 冒険者志望の資質のある孤児の話しを詳しく話させた。

 候補者はケナン ムビチカ ストレル ピルリスの四人でケナンとストレルは男でムビチカとピルリスは女だ。

 ケナンは十四才幼い時に両親を亡くし 祖母に育てられたが最近その祖母も亡くなり祖母の家で一人で暮らしていた。

 冒険者になって生計を立てようとしたが十五才以下の冒険者登録は認められていない。祖母の家の近所に住む人たちが生活に困っている孤児を支援してくれる篤志家の話しを聞いて そこを頼るようにケナンに勧めた。

 ムビチカは十三才で冒険者の父親がいたが ダンジョンで命を落とし身よりもない境遇になったらしい。

 ストレルはケナンと同じ年の十四才で賃仕事をして病気の母親の面倒をみていたが その母親も亡くなってしまい 一人で暮らしていた。

 ピルリスは古代の先史文明の文化を源流とする古代神マルネスを信奉するマルネス教の教会で運営する孤児院で暮らしていたのをビネスが見つけ出した。

 本拠地のタートスにたつ大理石をふんだんに使った大神殿を想わせる邸宅 将来的にはジマハ王国内のリベルタニヤ領事館になる予定だが その応接間でビネスが

「あなた方 四人にはこれから冒険者育成のプログラムをこなしていただきます これはわたしの主人さまの進めているプロジェクトの内の一つのプログラムです」

「あの その方はなんとゆうお方でしょうか」とピルリスが尋ねる。

「主人さまは大富豪の篤志家ですが 今は故あってそのお名前は明かすことはできません。続けてよろしいですか」

「はい」

「あなた方には宿舎にそれぞれに個室が無料で提供されます。また 食事も食堂で無料で食べられます。昼間は訓練場で剣や魔法の訓練だけでなく 文字の読み書きから必要な知識や教養 礼儀作法 など身につけるような勉強もしていただきます。あなた方の先生は皆 名前のある方々ですから しっかりと身を養ってください」

 それから オレたち日輪の剣はハズテノ辺境伯領に近い深淵の森の未踏の領域を三年の長い年月をかけて探索した。

 ハイドラ 雷竜 氷竜 火竜 オーガロード ゴブリンカイザー オークキング など SS級 S級の魔物やグリフィン ベヒモス ブラッドホーク ジャイヤントディヤー などなど あまたの魔物を討伐していった。

 これと並行して各国の貧困者 生活困窮者を支援するプロジェクトの延長として 魔物を駆逐した森を開削するプロジェクトの労働力として彼等を良い賃金で雇用することにしリベルタニヤ建国の礎としての街や畑を建設していった。

 深淵の森を探索中に迷宮とダンジョンの入り口を発見し さらに古代遺跡も発見していたが リベルタニヤの国家経営のうえからギルドに報告せず秘匿した。

 迷宮やダンジョンの入り口に結界を作り リベルタニヤのギルドの管理として 入場税をとってギルド運営の経費とするためだ。ギルドに対しては背信行為ではあるが 建国とゆう大いなる望みをもつ以上は致し方ないとゆうところだ。



















 筋力

 体力

 防御 物理攻撃に対する基本防御

 器用 剣や武具などを自身で造ることや また道具を使う時の技能に関係する

 敏捷

 智力

 魔力 魔法攻撃力に関係 スキルと合わせることで実際の攻撃力が決まる

 魔防 魔法攻撃に対する基本防

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アウトサイダーの異世界戦略 門月影丸 @yuiti001

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