第4話 野盗ガンシューティング

 クワを置いて、村へと向かう。


 野盗に襲われた村は、

 火を放たれて燃えていた。 


 逃げまどう村人がいれば、戦う村人もいる。

 もちろん、死んだ村人も・・・


 歩いて近づくと、

 ハンドアックスを振り回して、

 わめき散らす野盗が視界に入る。


「ヒャハハハ!!!

 略奪だあ!!! 帝国から逃げ出した日和見主義者ども!!! 皆殺しだぜえ!!!」

「きみ、世界観すごいねー?

 ホームレスやってるならず者が、

 大帝国の権威を支持して、善良な村人を日和見主義者あつかいって・・・

 ふつう、逆じゃない?

 その日暮らしの日和見主義者は、

 きみらの方だと思うよ???」


 バーン、とレッドガンを試し撃ち。

 赤いハンドガン・・・と呼ぶのは長いので、女神製ハンドガンをレッドガンと呼ぼう。


 背後から近づいて、後頭部を狙って撃ったのだけど、狙いがズレて男の左肩に着弾した。

 おや、意外と照準が悪いぞ???

 ・・・と思ったのも束の間。

 レッドガンの超威力に僕は驚愕する!


「うぼえええええええええ!?!?!?」


 男が消し飛んだ。

 木っ端微塵に、跡形一つなく消滅した!


 ・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・え?


「ねえ、女神さん」

「はい、お呼びですか!?

 なんなりとどうぞ、レイジくん!」

「ハンドガンの弾を当てたら、相手が消し飛んだのだけど、物理法則がおかしくない?」

「そ、それはゲームですから!

 ほら、血が出たり、肉片が飛び散ったりしたら、暴力描写でR指定がめんどくさいので!

 その銃で撃った敵は問答無用で消滅です!

 レイジくんのために作りました!」


 へー、女神製ハンドガンは違うねー?

 でもレーティング審査を気にするなんて、本当にゲームみたいな世界だな・・・

 絶対クソゲーだろ。僕は詳しいんだ。


 ここでメンタル弱い人間なら、

「こ、殺した、僕が、この手で、人を・・・」

 みたいな定番の精神的な成長シーンが挿入されるのだろうけど・・・どうしようかな?


 まあいいかー? ゲームだし?

 法も秩序も物理法則も無いみたいだし・・・

 まじめに考える必要はないだろう。 


 見たところ、相手も魔族かドワーフだったみたいだし、人間でないなら畜生と同じかな。

 猫が車に轢かれて死んだくらいの話さ。


 僕もグロテスクな表現が好きなわけではないから、死体が消滅してくれるのは助かるよ。


「きゅんっ、れ、レイジくんって、

 なんだかクールですね!

 歳に似合わず、すてきです!」


 女神が声援を送ってくれた。

 ファンレターかな?

 気が抜けるからやめてほしいね・・・


「お、おかしらがやられた!?」

「野郎、やりやがったな!!!」

「弔い合戦だ!!!」


 いや、きみら、よそ様の村を焼いておいて、被害者意識が強くないかな? 加害者が被害者めかせた言動をするのは、正常な認知が狂うからやめた方がよいと思うよ?


 レッドガンを速射、速射、速射。

 ゲームセンターのレーザーガン並みに引き金が軽くて、撃ちやすい。

 反動もまったくなくて、おもちゃのエアガンを撃っているくらいの手応えだ。

 だっていうのに、その威力は・・・ 


「うぼええええええええ!?!?!?」

「ぎょもおおおおおおおおお!?!?!?」

「おかぢらあああああああ!?!?!?」


 冗談みたいな断末魔を残して、

 寄せくる野盗が、片っ端から消滅した。

 ・・・触れ込み通り、弾数の制限が無い。

 リロードしなくてよいのは楽でいいね。


 無双系ガンシューティングって感じ?


「へえ、意外と楽しいな。これ。

 クソゲーかと思ったけど、

 プレイするだけならおもしろいかも」

「ありがとう! 実はこのゲーム、爽快感が無いと言われて会社に企画が通らなくて・・・

 でも、レイジくんが楽しんでくれたならよかったです! 報われました!」


 神様の世界にも会社があるの?

 大変だな、学生のまま死んでしまった僕には、社会人の苦労はわからないけど・・・


「次は企画が通るといいね」


 とりあえず、目にうつる者を

 片っ端から撃ち殺した。

 何人かは村人を誤射したかも。


 でもまあ、いいかな?

 だってこれ、ゲームだし。

 それに・・・


「きゃーっ!? 素敵です、レイジくん〜!」


 女神様がうれしそうに笑ってくれるし、さ。

 なんだか僕まで、うれしくなるよ。

 

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