潮明晰
烏風鈴
潮明晰
テレビはつけっぱなしにしておく癖がある。子供が家を出てからは特に。何をするにしても音があると私は落ち着くから、今日はそのまま本を読んでいた。
「あの………から……が経ちます。今だに…………は全員…………」
多分ニュース番組が流れている。本に集中していたから全部は聞き取れなかったが、そのニュースが妙に頭から離れなかった。
その日は明日の朝早くに予定がある。だから今日は栞を挟んでそのまま寝ることにした。
朝七時に起きた。予定自体は十時なので随分と早く起きてしまったものだ。起きてしまったものは仕方がない。そう思い、昨日の続きを読もうと本を手に取る。
殺人事件の…いわゆる探偵モノの小説だ。考えることが好きだから。たとえ、陳腐でも楽しく読めるだろうと思い、本屋で手に取ってからはよく読んでいた。
本を開くとサラサラと何かが落ち、机に落ちる。粉。いや、砂か。確かに挟んだ栞は、机の砂と共に添えられていた。
十時。早く起きたはずの私は五分の遅刻をした。本に没頭していたことを必死に説明すると、いつものことだと笑って流される。
いつどこで会ったかもわからないが昔から仲がいい。親友というのはそんなものだ。私が本に没頭して遅れるのも、一度や二度ではないのだろう。
カフェで親友とのんびりする。それが今日の予定だ。勿論、いつものカフェで。
「いらっしゃい!」
カフェのマスターはいつも気のいい人だ。私達の顔は覚えているし、
「いつもありがとうね。これ、試作品だけどよかったら」
こうやってケーキなんかもたまにサービスで出してくれる。だから私は時間があればここに来る。
名札には木村と書かれている。結局「マスター」とか「店長」とかいうから案外名前を覚えていない。
そうそう。ここのコーヒーは、飲みやすい。
身体に馴染む、というと変な話だが、すっきりとしていて飲みやすいのだ。
他に友人がいれば是非進めたいところなんだけど。
「また来るよ。」
会計を済ませてそのまま店を後にした。
帰り道に通る公園で、子供が二人遊んでいた。
ぱたん。また本を閉じる。明日もあのカフェに行く予定があるからそろそろ寝ないといけない。
三連休だからと、あの子にまた誘われたから。
簡潔に言うと、私は不思議な夢を見た。海にある廃村で子供が遊んでいる夢を。
夢だと分かる夢というのも随分久しぶりで、久々に明晰夢を見た。と、嬉しいような悲しいような。よくわからない気持ちになる。
明晰夢なら自由にコントロールできると聞いていたが、私の身体は金縛りにあったかのように、一ミリも動かなかった。
寝癖だらけで目が覚めた。睡眠の質は最悪だったらしい。
昨日の約束を思い出した。時間自体にはまだまだ余裕がある。
それにしても、二日連続のカフェは流石に飽きないかと思う。
たしかに、いい店主と店だ。ただ、遊ぼう話そうというのなら別の場所だってあるのにな、とつい口に出た。家でよかったと添えておく。
この街には水族館や展望台だってあるというのに。でも、あのカフェがいいと。彼女は水を飲みながら言っていた。
私は不思議と、五分の遅刻をした。本を読んでいたわけではない。いつもなら間に合う時間に出たが、今日はどこの横断歩道も決まって赤く染まっていた。
とはいえ、これも言い訳に過ぎなかった。弁明する気も起きなかった。
「そういえばさ、沙良」
今日見た夢の話をした。不思議だよね。と緩く話していた。その中で、一番動揺したのは私でも沙良でもなく
「その夢、あの夢みたいなものじゃないだろうね?」
そう、店主だった。壁にかかったテレビを指さして心配そうに言った。
二つの食器がぶつかり合ってかちんと音がなり、水面が揺れる。
言われるがままにテレビに目を移すと、ニュース番組が流れている。
「現在、謎の失踪事件が多発しています。失踪した人々は約5日前から海の夢を見ると言っていたそうです」
「…私じゃん」
嫌な現象に巻き込まれたと思った。
「実はさ、私もその夢見たんだよね」
私も沙良も、味のしない薄焼き菓子を食べたような気がして、とっさに口に水を含んだ。
流石にカフェに居られなくなった私たちは近場の図書館に駆け込む。
たまに訪れては少し立ち読みをして帰っていたような気がする。改めて見ると初めて来たかのような新鮮さを感じた。
携帯でも調べてみたが、これと言って使えそうな情報はなかったから、藁にでもすがる思いで。
夢についての本がいくつかあった。たいていはレム睡眠とノンレム睡眠みたいな。本当に睡眠についての本。
明晰夢や白昼夢についての本。なるほど。あれが夢だと気が付けた以上、明晰夢に関する何かだと考えた。
特にいいものは見つからない。強いて言えば日本の有名ホラー映画の評論本が面白かったことくらいだろうか。
サボっていたわけではない。沙良に同じ弁明をした。一応海に呼ばれているような描写があったから、読んだだけだ。
そうやって得られない情報に残念だと告げ、帰ろうと思った時。
パタパタと走り回る足音が聞こえる。目を向けるといくつかの本を抱えて走り回っている女の子が見えた。
そんなに走り回ると司書さんに怒られるぞ、なんて思ったが。司書はこっくり船を漕いでいる。
「どうしたの。何か本でも探しているの?」
少女がこっちに気が付いた。そしてパタパタとそのまま駆け寄ってくる。
「わたし、きえちゃうかもしれなくて!」
図書館に不釣り合いな音量だった。
「お静かに。」
司書が起きるくらいには。
少女の手には布団で唸るような絵が表紙の本がいくつ抱えられていた。
「もしかして、変な夢でもみた?」
「うん、だからきえちゃうかもって」
私と同じように夢についての話を調べようとしていたのだろうか。その子は10歳くらいの女の子だった。
「名前は?お母さんはいる?」
「いなみるか。ひとりできたよ」
「そう、るかちゃんか。どんな夢を見たか教えてくれる?」
いろんな言葉を出してはやめて、どうやって説明しようか悩んでいるみたいだ。
「えっと…ゆめで…ちっちゃなこがあそんでて…」
幼いながらひねり出した言葉はどれも私たちが見た夢とそっくりだ。共感する中で、テレビの内容が真実味を帯びてきたことが憂鬱ではあったが。
「こっちむいたの」
「こっち向いた!?」
「お静かに。」
知らない。もしかするとこの子が夢を見始めたのは昨日からかもしれない。
「もしかして、昨日の朝からそんな夢を見たの?」
「そうだよ!なんでわかったの?」
「おばさんは心が読めるの」
なんか、懐かしい感じ。息子をあやしていた時に似ている。私は無意識にほほ笑んだらしい。
「一緒に探そっか」
「うん!」
「律?この本もしかしたら…って誰その子」
少女をあやしているところを沙良に見つかった。
「るかちゃんって言うらしいよ。同じ夢を見たって」
「そうなんだ。ほらこれじゃない?」
あんまり興味はなさそうだ。それより今見つけた本を見ろと沙良がページを指さした。
「夢…迎え?」
「夢迎みたいだけどね。これだけで迎え。」
死んだ人が自分が死んだことに気が付かず、人の夢に出てきてそのままあの世に連れていくらしい。
「確かにそれっぽいけど…これ何の本?」
「小学生向けの怖い本!でもこれが一番それっぽいし」
表紙には夜も眠れない!?恐怖の怪談と書いてある。表紙には布団で唸っている人の絵が描かれていた。
少女の手にあった本と同じものだ。
「その本、この子も持ってたよ。るかちゃん、それ読んだの?」
「ううん、まだよんでないよ」
「ゆめのほんをさがしてたの」
「そうなんだね」
窓から見えたやけに青い空は気が付けば橙色に染まっている。
どうやら私たちは三、四時間も図書館にこもっていたらしい。それでも得られた情報は夢迎えとやらくらいだった。
帰ろうとすると少女が
「あしたもいっしょにさがしてほしいな」
そう言った。同じ被害者になりうる子だし、どこか放っておけなくて。
「いいよ。じゃあ明日集合しよう。場所は…あぁ。潮凪喫茶で」
また、いつものカフェで。
帰り道、また公園で遊んでいる子供が見えた。今日は一人で、曇った顔をしている。
「お子さん、どうしたんですか?」
気になってしまい、ついベンチに座っていた母親に聞いた。
「いつも遊んでいる友達がいなくなったとかで…昨日まで公園に来ていたのに」
「…ちょっとお子さんに話を聞いていいですか」
やはり子供の顔色は曇っている。
「友達、来なくなっちゃったんだね」
「うん…」
「昨日、その子なにか言ってなかったかな」
「祥子ちゃん、夢で子供がこっちに来てたって」
「また明日ねって言ったのに来なかったんだ」
「そう…ありがとうね」
目前で人が消えた。焦る理由には十分すぎる内容だった。
やっぱり今日も夢を見た。
昨日と同じように子供が遊んでいる。私がここが夢だと気が付いている。
だからか、随分と長く感じた。波の音がなる度に、進んだ時間を感じていた。
そろそろ終わりかと思ったあたりであの子供がこっちを見た気がする。少なくとも、砂をいじる手は止まっていた。
今日、私は遅刻をしなかった。少女を待たせたくなかったというのもあるが、連日の遅刻に続くのは流石に許されないだろうというのが本音だ。
少し早く出た。空気が冷たいような気がする。カフェまでそんなに遠いわけではないが、私は赤い横断歩道を一つ駆け抜けた。
車も人も、いなかったから。
珍しい。今日の客は私達だけだった。まったく気にしない店主の姿はそれがもう当たり前だと言わんばかり。
それに、びっくりするほど不愛想だった。
「…いらっしゃい」
「えっと…じゃあいつものと…オレンジジュース」
テレビは昨日のように失踪事件のニュースが流れている。裏からはかすかに波の音がした。
「なんていうか、かんじわるいね」
「いつもはこうじゃないんだけどね…どうしたんだろう」
少しすると飲み物が来る。でも、いつもより味が薄いと感じた。
初めて来たのか少女は、特に気にする様子もなくジュースを飲みほした。
「もうひとりのひと、きょうはこないんだね」
少し早く着いて少女と一緒に店に入った私は、沙良が来ていないことに今気が付いた。
「おかしいな…確かに伝えたのに」
メールを覗くと、送信が取り消されている。だから来なかったのかもしれない。
今から迎えに行くと送信し、携帯をしまう。
「じゃあ迎えに行こっか」
店から出ようとした時
「ありがとうございました」
そう、店主が言った。
確かに言ったはずだ。
でもその声は、ガラガラとうがいをしている時のように、溺れているかのように、ゴポゴポとした音が混じっていた。
「今なんて…」
後ろには無人のカフェがある。嫌に強い潮の匂いがするそのカフェには、水に浮かんだエプロンと木村という名札が落ちていた。
ボロボロの看板には、潮凪喫茶と書かれていた。
「…沙良のところに行かなきゃ」
少女の手は暖かい。離さず、少し急ぎ足でその場を後にした。
家の前。インターホンを押しても反応がない。鍵は開いているみたいだ。
引くと、ドアは押されるように空いた。空いた場所から水が逃れていく。
カフェと同じようになっているのか?
「沙良!いる!?」
返事はない。ソファが湿っているのを見て、絶句する。
沙良とのメールのやり取りをもう一度見た。
私と沙良とのメールのやり取りを見た。
「ミサキ、明日カフェ行かない?」
誰かとの会話だ。
昨日の日付が書かれている。
「私…ミサキじゃないのに」
メールを送った。目の前に彼女の携帯があったから。
通知がなった。見ようと思うと送信が取り消された。
「なにこれ…」
その時、机にある紙とペンに気がついた。
夢迎について彼女なりに調べたのだろう。昨日見た内容とは違うことが書かれている
夢迎は、近くで大量の死者が出た時に起きる現象らしい。
そして、夢の中のナニカに自分がもう死んでいる事を理解させると夢が終わるみたいだ。
「もしかしたら、夢からは逃れられるかも」
「ほんと?」
少女が食いついた。
「夢の中の……子供に死んでることを伝えればいいみたい」
「そうなの?」
「みたいだよ」
子供。まさか。
今日はもう帰ろう。私も沙良と…店主?みたいになるかもしれないから。
流石に夢にも慣れてきた。毎回状態が違うのにはちょっと参るけど。
今回はこっちに向かって来ようとしている。メモに書かれたことを試すには絶好の機会でもあった。
「貴方はもう死んでいるの。だからもう、こっちに来なくていいのよ」
子供みたいなナニカにそう伝えるのは少し心苦しいものがある。金縛りで動かないのは身体だけだと知った。
ナニカは、そのまま私に向かってくる。そして、ぽてっと倒れた。
「そうなの?」
呟いた。言葉を覚えたての子供のような声色だった。
「うん、そうだよ」
その子は立ち上がることなく、そのまま動かなくなった。これで、夢から解放されるのだろうか。
そう、思った。でも、夢自体はまだ続いている。
「おい!おい!」
海の奥から誰かが呼んでいる気がする。その声に耳を傾けていると廃墟の中から人影が伸びる。
「沙良…?」
沙良だ。ナニカを見て、次に私に気が付いたようだった。
…沙良だけじゃない。そこにはカフェの店主も、公園で遊んでいた子供もいる。
他にもいろんな人がいる。
「貴方達も、みんな死んだの?」
波の音が大きくなる中、小さくパタパタと音がしていた。
インターホンの音で目が覚めた。そろそろ夢と現実の区別がつかなくなりそうだ。
「どなたですか」
扉を開くと少女がいる。
「ほんとうにいなくなったよ!もうこわいゆめみなくてよくなるね」
「そっか…よかった」
冷蔵庫にある物で二人分の朝食を作った。まだ食べてないと言ったからだ。
パンに卵を乗せたくらいのちょっとしたものだけれど。
「いただきます!」
少女はおいしそうに食べている。
「いただきます」
私もパンを口にした。
「…!」
思わずせき込む。あまりに塩味が強く、噴き出したのだ。おかしい。塩なんて一切入れていないのに。
水を飲もうと水道に向かう。蛇口から水を注ぎ、一口飲もうと。これも噴き出した。海水を飲んだかのように喉が痛くなった。
「どうしたの?」
少女は何気ない顔でパンを食べている。
「…それ、塩辛くない?」
「そんなことないよ」
私だけ?
「どこか行こうか。カフェ…は近くにないし…行きたいところはある?」
「うーん…としょかんかな」
そのまま外に連れ出した。外をみて声を失う。
どこもかしこも水が溜まっている。それも子供なら溺れてしまうくらいに。
「大雨…なわけ。るかちゃん、どうやってきたの?」
「ふつうにあるいてきたよ?」
来るときはこんなことになっていなかったのだろうか。運がいいと言うべきか、小さいので抱えて図書館に駆け込むことにした。
随分と軽い子供だった。
「どうなってるの?」
図書館は肩まで浸かりそうなほど水が溜まっている。下段にある本はいくつかが濡れたまま浮いていた。
浮いた本が、私に読めと流れ着く。
題名には「潮明晰」と書かれている。
「海に呼ばれたあなたへ?」
それ以外のページはぐしゃぐしゃになって読めない。
「このほんよんで」
少女は私に本を手渡した。その本も、少女も濡れていない。
どうやって?
「うん、いいよ」
「潮凪市」
潮凪市?
「潮凪市はかつて魚などの特産品と共に栄えた街です」
「しかし、十年前に津波に流されました」
津波?
「いまだ行方不明者も多く、捜索は続けられています」
理解できなかった。だって、ここは潮凪市だから。
「もう終わり。別の本を持ってきてよ」
「うーん、わかった」
少女はまた本を探しに向かった。水で浸かった図書館の中へ。
その間、本の続きに目を通す。
行方不明、犠牲者は以下の通りです。
御園修一(62歳)、田中拓郎(23歳)、日比谷宗次(81歳)…
そう、つらつらと並べられている
園崎沙良(35歳)、木村竜次郎(42歳)、内村祥子(4歳)…
知っている名前も載っている。
伊波正俊(22歳)、伊波雅子(21歳)…
伊波?
そして、最後にこう書かれている。
伊波流華(生後0か月)
「じゃあこのほんよんで!」
ちょうど、少女が本を持ってこちらに戻ってきた。
「あー!わたしのほんよんでる!」
子供らしく少女は言う。
「私の名前は書かれていない」
「どうしたの?」
私はこの世界の住人じゃない。
「はやくはやくー!」
夢迎。
「おあーさん?」
夢の逃れ方。
「ねぇねぇ?」
死に気づかせる。
「流華ちゃん」
「なに?」
「貴方ももう、死んでいるんだよ」
すると、夢が壊れる。
「わるいゆめはもうおわったんでしょ?」
「ほら、ここに貴方のなまえがあるでしょ」
「なんてかいてあるの?」
文字の読めない子供。
「いなみるか。貴方の名前」
「貴方はもう、死んでいるんだよ」
苦虫を嚙み潰したような気分だ。小さな子供に酷な事を理解させなければならないのは。
「…そうなの?」
「うん、そうだよ」
「そうなんだ」
「わたし、しんでるんだ」
視界が揺らいだ。立ち眩みがする。
立ち直る暇もなく、大きな音が響く。
「津波です!早く高いところに避難してください!繰り返します…」
避難を勧告する放送だった。
高いところ。展望台。
「行こう、流華ちゃん」
じっと立ち尽くす少女の手を握り、展望台へと走り出した。
繰り返し流れる放送とサイレン。そして地をかき分ける水の轟音が鳴り響いている。
「もういきられないんだ」
少女の目に涙が浮かんでいるのを見た。
そして、ぐずり始めた。
10歳前後に見える少女から、赤子の鳴き声が響いている。
そして、少しずつ溶けていくように見えた。
それでも、私は手を引いた。
展望台。海が広がっている。急いで階段を駆け上がり、息を切らしながらたどりつく。
小さな裂け目がある。ここから出ろと言わんばかりにたたずんでいた。
「早く出ないと!」
一心不乱に裂け目へと駆け出す中、ふと後ろを振り返る。
津波に流される街、あのカフェ、不思議と沙良も見える。
そんな中、赤子を必死に抱きかかえる家族の姿があった。
この子だけでも助けようと、必死に。
「だって、私だってそうするよ。」
溶け行く流華と共に、裂け目の中に落ちていった。
「おい!起きろ!」
知りもしないおじさんが必死に呼びかけている。
目が覚めたのを確認すると
「目が覚めたぞ!」
と近くの人に報告して回った。
どうやら私は海で溺れて意識を失っていたらしい。
救急車を呼ぼうと思った時、目が覚めたそうだ。
私はふと、海辺で貝殻を拾ったことを思い出した。
ポケットに入った、小さな貝殻。
手を入れ取り出すと、それが貝殻でも何でもないことに気が付いた。
小さな、人の骨。それも赤子の骨に似たもの。
これを拾った私は小さな小さな命の夢に巻き込まれたのだと思った。
かくまってもらった海の家のテレビでニュースが流れている。
「あの大災害から十年が経ちます。今だに被害者は全員見つかっておらず、いまだ捜索が続けられています」
私は、思わず息子に電話を掛けていた。
潮明晰 烏風鈴 @karas_kaze
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