人外転生者の最恐国家〜人生やり直しの条件は『世界を救う』!?〜

Seala

#1

そよそよと暖かい風が流れる。

草原のほのかな香りを感じ、私は目を開ける。

ここは何処だろうか。

日本とは思えない草原。

空気が美味しいとはこのことだろう。


...思い出せ、何があったのか。

ワタシの名前は...?

ワタシは...【常都とこみや あぐり】。

あだ名は確か、【ランタンちゃん】だった。

!思い出した。

あぐりはあの日、大学の講義から帰って...通り魔に刺されたんだ。

ということは、ここは天国か。



『残念、不正解です!』

何処からともなく声が聞こえる。

声のする方を向けば、スマホが一台。

白く、シンプルなデザイン。

『おはようございます、常都あぐり様。』

『私が貴女をこの世界に招待した者の一人、豊穣の女神【フロージア】です♪』

スマホには笑顔の絵文字が映る。

「え?...ってスマホが喋ったぁぁ!?」

あぐりは思いっきりスマホを遠くに投げた。




バギャンッと音がして、ふよふよとスマホは飛んで戻ってきた。

「そもそも飛べるの!?なんで!?」

『それは...異世界だからですよ...イテテ』

「なんか...ごめんね?」

『うぅ、画面バッキバキじゃないですかぁ(泣)』

画面にはぴえんの絵文字が表示される。

『とりあえず、詳しい説明は後です。』

『そこでまだ眠っていらっしゃる方々を起こしてからですよ?』


辺りを見渡せば、あぐるの他に2人眠っている。

一人は何処かで見覚えがある...誰だっけ。少なくともあぐりより幼い少女

淡い水色の髪に、白衣を身につけている。

もう一人はわからない。服装からして軍人?自衛官だろう。

にしても二人とも美形だ...。

あぐりの姿がどうなっているのかはわからない。

ぱっと見、身長や体の感覚、髪の長さは前世と同じように思える。

ただ、服装が違うため、なんともいえない。

『自分の顔、見てみます?』

「え、?あ、はい」

『ふふ、どうぞ?』


いつのまにか画面割れが直っているのは気のせいだと思っておこう。

自撮り画面にしてみると、顔は前世のまま...あの二人に比べると劣るがそこそこ美形の部類だろう。自分で言うもあれだけど。


...ん?

今気づいた、耳と尻尾が生えている。

え?ちょ、え?

け、ケモ耳?

犬みたいな...。


『狼です♪』

「今...なんと?」

『だから、狼ですよ?』

「えええええええええ!?」

狼?え、あの怖かっこいい狼??

あぐりが?嘘!?

え〜嘘ぉ...可愛い!

本当に感情に合わせて耳も尻尾も動くよ。

尻尾今ブォンブォン言ってるもん。

すっごい振ってるよ。

『お気に召されてよかったです♪』

...あ、そうだあの二人起こさなきゃ。


常都あぐり18歳大学生。

通り魔に刺されて死んだら異世界転生しちゃってました。

しかもどうやら狼の種族っぽいです!

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