第32話 戦術の結晶
宿に戻ったクロウは、戦闘で手に入れた宝箱とレア素材を前に座った。
手元の魔力強化素材、古びた魔法書の断片、そして小型の装備品――
これらは単なる報酬ではなく、自身の戦術とスキルをさらに高める鍵だ。
(……これで、さらに戦術の幅を広げられる)
#### レア装備の確認
クロウはまず、魔力強化素材を装備に施す。
・ 短剣の刃に魔力結晶を埋め込み、斬撃時の反応速度を強化
・ 軽装の鎧に魔力防御の結界を展開
・ 手首の護具に反応速度増幅装置を埋め込み、《微調整》の精度を高める
目の前で装備の魔力が微かに光り、クロウの身体能力が向上する。
筋力や俊敏性は劇的ではないが、戦術応用の余地が大きく広がった。
#### スキルの進化確認
次に、古びた魔法書の断片を解析する。
・ 《遅延感知》の精度が向上し、より微細な魔力振動も感知可能に
・ 《空間把握(狭)》で、床や壁の変化をより正確に予測
・ 《微調整》の反応速度が向上し、複数の攻撃を同時に回避可能
さらに、《蓄積変換》との連携も強化され、敵の行動パターンをより高速に学習・適応できる。
(……俺のダメスキ、ここまで強くなったか)
これまで「微弱」「役立たず」とされてきたスキルが、連携することで強力な武器になることを実感する。
#### 戦術応用の確認
クロウは小さな試運転を行う。
・ 宝箱を前に、攻撃と防御の動作を組み合わせて反応速度を確認
・ 床や周囲の微細な変化に応じて、即座に戦術を切り替える
・ 想定される規格外モンスターの行動に備え、最適化された動線を頭の中で描く
小さな成功が積み重なり、戦術全体の信頼度が高まった。
#### 心中の確信
クロウは短剣を握り、深呼吸する。
(……これで、次の迷宮でも、さらに上を狙える。
力じゃなくても、戦術と観察で勝てる)
隠し階層で得たレア装備とスキル進化は、
最弱判定の冒険者に戦術的な自信と可能性を与えた。
胸の奥で、静かな決意が燃え上がる。
(……次は、もっと遠くまで。もっと高くまで)
隠し階層制覇で得た成長を糧に、クロウは静かに次の挑戦への準備を整えた。
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