【惑星腫瘍】
ニマルリ
惑星腫瘍〜天体レベルの病原体についての調査記録〜
皆さんは【惑星腫瘍】という言葉をご存知だろうか?
いや、知らないのは無理もない。何故なら地球が存在する天の川銀河にはまだ"到達"していないものだからだ。
ではその惑星腫瘍とは一体どんな存在なのか。
一言で言ってしまえば『惑星レベルの癌細胞』といったところか。宇宙を漂う腫瘍が一度惑星に到達すると、内からジワジワと侵略を開始し最終的には星を死に至らしめる恐ろしい存在。
そして何より厄介な惑星腫瘍の性質、それはその星に住む住民達にとって"非常に都合のいい"物体、存在としてある日突然現れるところである。
例えばだ。資源不足で僅かなリソースを奪い合っている星にはたった一欠片でそれまでのエネルギー源の常識を覆すほどの無尽蔵に近い力を持った鉱石だったり。或いは人口増加により食糧難に陥っている星にはいくら切っても食べても無くならない、そのうえ美味な無限の食料に。
しかし、はじめはその存在により今までよりもよい状態になったものの徐々に事態が悪化していく。
超エネルギーを独占しようと今までは牽制程度で済んでいた争いが大規模な兵器を持ち出す戦争にまで発展したり、極上の味の食料に取り憑かれて、昼も夜も寝る間も惜しんで腹が膨れて物理的に張り裂けそうになっても食べ続けたり⋯⋯。
惑星腫瘍は初めは甘い顔を見せ、侵略対象に自ら保護させ、星に根を下ろし内側からジワジワと確実に蝕んでいく。
そして最期、ついに星が耐えきれなくなった時、星核が崩壊・爆発により星を丸ごと覆い隠す程に膨れ上がった惑星腫瘍は散り散りになり宇宙空間に散らばってまた新たな星へと伝染る──という最悪な災厄なのです。
更に言うと、まるで惑星腫瘍は意思があるように漂着する星を選ぶ。それは一定水準を満たした『知的生命体』がいる星である。
これについては『自らを効率よく拡散させるため』だとか『邪悪な意図を持って狙い撃ちしている』等と推測されているが、やはり推測は推測。
さてさて、では上記のことを踏まえて、実際にどんな悲劇や喜劇が起こったのか。
一緒に星の海を探索してみましょうか。
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