異世界ミリタリー、チート時代の終焉

山田 勝

異世界ミリタリー、チート時代の終焉

「伯爵殿!黒髪族の傭兵がきました。4体、下等遊民(ニート)級です!」


「な、何と、なら勝利は揺るぎない!」



いつの頃からか、この女神の世界に異世界日本から転移者が現れるようになった。

一部の者は最強の傭兵として君臨したが。



「チース!伯爵?俺ら最低侯爵令嬢ですから、名乗らないでいいしょ」

「小説的処置だな」

「ニキたち、面白くなりそうですね」



まるでスイス人傭兵のように自律的で内部の価値観にとらわれていた。

つまり、強力だが、気に入らない事があるとこちらに向かって来るかも知れない。


「あ、ちゃちゃっと殺して報酬をもらったら王都に行くベ」

「だな。ところで作戦はどーするよ」


でも、雇わざる得なかった。

何故なら敵が雇うかもしれないからだ。


「黒髪殿・・・左翼から攻撃して敵の本陣を殲滅してもらいたい」


「分かった。ちゃっちゃとジープで行って銃うてばよいっしょ」

「ニキ、セレクターのアビリティが上がっているのって、インステンクスショットと関係ありますか?」


「「それ、それ!」」

「ゴン、分かっているな」


日本はおかしな国だ。ある特定の層は海外のただの銃のインストラクターを神格し。


「おう、ゴン、銃を地面にさしておけ。マイケルさんのチャンネルで言っていた」

「へえ、いいんだ。チース」


例外を普遍化してとらえる。

平和な日本ならではの現象かもしれない。




「「「行くぜ!」」」



しかし、最強のスイス人傭兵が廃れたように、

日本人に立ち向かう者達がいた。



☆2キロ先、森林



「ニキ!ニキ!」


そこには横転したジープがあった。3人の中、2人は即死だ。

運転していた者が助かったが・・・

森林の中で1人の女子が号令をかけた。



「射手!撃て!」

「ライカ隊長、いいのですか?実験材料になりますが・・・」

「いらない。下等遊民級だ。生き残って知恵がついても厄介だ。処分が常識よ」

「了解!撃て!」


一傭兵団、対黒髪族戦闘団を名乗っている者達がいた。


「三体!撲滅です。でも、こうも簡単に行くとは・・・」

「油断しない。私達はこの本に書かれていることを実践しているのみ」


対異世界人戦闘術、長年の経験を元にこの世界の魔道師、下士官が書き上げたものだ。


「まさか、ワナ線で簡単に引っかかるとはな」

「油断しない。だって、私らは待ち伏せぐらいしか有効な手段が未だにないのよ」


森の道の中に、この世界の魔蜘蛛の糸で作ったワナ線を張っていただけだ。

丁度、ジープの後部座席に立っていたらの首の位置に設定していた。



「ライカ隊長、この後、どうします?敵は後一体です」


「どうせ、下等遊民級でしょう。一体で出没するのが常識よ。索敵を出して警戒を厳に」


「了解です」



・・・この時、私、ライカも油断していたのかも知れない。

まさか、キメラ級が出るとは思ってもみなかった。

今まで一度目撃例があって信憑性が薄かったが・・・・


ガタガタガタ~!


と轟音を共に現れた。キメラ級ガタガタ。



【流鏑馬(やぶさめ)~】



「ヒィなんだ。鉄の地竜に・・・上半身が融合しているぞ」

「どうせ、車だ。車止め、ファイヤーボール準備・・・」


次の瞬間、地面が爆裂した。


「ウワワワワワーーーーー」


対処しようとした班が全滅した。


【流鏑馬~ですからぁ!】


あいつ、走りながら魔道車から何か撃っている。銃の大きなものか・・・



「ライカ隊長、毒霧を使いましょう」

「馬鹿、相手は早すぎる。森の中に分散して逃げろー!」



【流鏑馬でぇ~〇共軍を浜辺で撃滅してえ】



日本には兵器が好きすぎて、それで全ての戦術を説明する階層の方々がいる。

兵器が好きすぎて、異世界で融合したのをこの世界の者はキメラ級と呼んでいた。



「はあ、はあ、雇い主の王国軍の陣地に向かうな。お前、使者として状況を知らせてくれ」


「りょ、了解」


森が火の海になった。


その時、黒髪族が出てきた。別の敵か?



「おお~い、こっちだ」


肩には銃を背負っている。敵だ。しかし、


「俺は松永だ。元自だ。王国軍に顧問として雇われた」

「味方?なら、あの化け物を撃って」

「無理なんだな。あれは90式戦車、銃は効かない。素人には運転出来ないが奴さん融合している」


「のんきな」


「だからだ。この先に冒険者がいる。ついてこい」



【流鏑馬ですからぁ~】


重度のミリオタは兵器から戦術を論じる人達がいる・・・・


『え、兵站、流鏑馬戦車があるから大丈夫でしょう』


兵器の個々の性能、諸元は詳しいが、途端にリアルな話になると意味不明になる。

そんな輩がごまんといる。



俺は女傭兵隊長をつれて死地につれて来た。


「今だ!」


俺が合図を出すと、仲間達は煙幕を張る。


「マツナガ殿、これは・・・」

「煙幕だ」

「それは分かっている。奴は木々をなぎ倒して向かってくる。時間稼ぎにもならない」


だが、煙幕の先は・・・沼地?


舟がる。


「さあ、乗って、戦車を沼地に落とす」

最強の戦車と名高い米軍のエイブラムス、イラン戦争で沼地にはまって脱出困難、敵に鹵獲されるのを防ぐために自軍の戦車で撃ったが壊せなかった逸話がある。



【や、流鏑馬~!】


しかし、沈まないな。でも脱出することは出来ないだろう。



「よし、ここを危険地帯に指定し、餓死するまで放置だ」

「あ、沈むよ」


戦車が傾いて砲を上にして沈んでいった。


「マツナガ、魔法で沼地に水を流しているよ」

「さあ、早くこっちに来て下さい」


ズドーーーーン!


まるで断末魔のように90式は砲を撃ち沈んでいった。


もしかして、異世界転移、チート時代の終焉の断末魔かも知れない。




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