君は空を飛んでいった

奏流こころ

第1話

 桜並木の綺麗な道を自転車で颯爽と通る。

 風は冷たいが、どことなく心地良い。

 地面は桜の花びらが散りばめられていて、桜の絨毯のように見える。

 今日から高校2年生になる俺、北野きたの悠志ゆうじは、心躍らせて、2年目の高校生活を謳歌すると、密かに決意する。

 3年生になると、受験モードになるから、後悔しないように。

 自転車置き場に自転車をとめる。

 鍵をかけた。もう一度チェックしてから離れた。

 歩いて校門まで向かう。

 坂道をゆっくりゆっくり登る。

 坂の下に自転車置き場がある不思議な高校なのだ。

 緩やかに見えて、傾斜もあり、急坂なのではないかと疑ってしまう長い坂。

 登り切るとようやく校門が見えた。

 バス通学は校門前にバス停があるから羨ましい。

 ちょうどそのバスから降りてきた男子が俺を見つけるや、走って向かってきた。


「おはよう!悠志!」

「おはよう、総志そうし


 彼はみなみ総志。

 茶髪に染めてちょっとチャラそうに見えるが、話してみると印象はガラッと変わる。

 茶目っ気があって、コミュニケーション能力が高く、分け隔てなく接している。

 勉強は優秀で、みんなを引っ張る力を持っているカリスマみたいな感じだ。


「休めたか?春休み」

「バイト三昧」

「マジか」

「貯めたから暫くは大丈夫。夏休みにまた本気出す」

「それな、頑張れよ」

「おう」


 総志と一緒にクラス表を見に2階に直行し確認した。

 自分は…B組か。

 それだと希望通りの文系の大学に特化した勉強ができる。


「俺も無事にお前と同じ」


 良かった、なら安心だ。


「あと2年よろしく」

「こちらこそ!」


 心を許せる友達が1人いるだけで安心だ。

 良かった良かった。



「よろしくお願いします」


 雷に撃たれる衝撃を感じた。

 この女子が頭の中がバグった。

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