エラー 「わたし」と「私」
@harari_324
1-1 高密度エリアの目覚め
朝、目覚ましは三回鳴っていたらしい。
最後の一回だけは覚えている。枕元でスマホが震えて、止めるつもりで画面をスワイプしたのに、気づいたらホーム画面もアラーム一覧もどこかに消えていて、「まあいいか」とだけ思った。
カーテンの隙間から、薄いグレーの光が差し込んでいる。
天気予報アプリを開くと、今日も「高密度エリア注意」と赤い表示が出ていた。人の動きと広告量をリアルタイムでマッピングしてくれる新しいサービスらしいけれど、わたしにとってはただの「頭が疲れそうな場所リスト」にしか見えない。
駅前のマンションが立ち並ぶ一角。
ガラス張りのビルが増えて、バス停の時刻表はいつのまにかタッチパネルに置き換わっていた。画面の端では、ニュースのストリーム配信が音もなく流れている。コメント欄には、人気コメンテーターのアイコンが点滅していて、「今すぐ参加」のボタンが小さく揺れていた。
でも、本当に高密度なのは人の流れじゃなくて、
画面の向こうから流れ込んでくる「正しさ」と「意見」のほうなんだろうな、とぼんやり思う。
エラー 「わたし」と「私」 @harari_324
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