現代魔術師と俺

@129LT

第0話:プロローグ

 ――嫌に明るい視界の中、何かに呼ばれた気がしてゆっくりと瞼を開ける。


 優牙の瞼越しからでもわかる程に周囲から淡い青色の光が溢れている。


 ゆっくりと瞼を開く、周りに生い茂る木々の中に魔法陣が地面に描かれ、青白く発光していた。


 魔法陣の中央に立つのはまさかの自分自身――


「ってなんだこれ」


 まだ夢の中にいるのかそれとも現実なのか、そんな考えが頭の中を巡る。


 改めて魔法陣の周りを見てみると、こちらに手をかざしこちらを見る一人の女の子が居る。


 女の子は長い銀色の髪を靡かせながらこちらを見る。


 ここら辺じゃ見ない制服を着用している、俺の少ない語彙じゃ言い表せないぐらいの可愛い女の子がこっちを見ている。


「あのー、これって一体...?」


 優牙の発言によって最後の希望を打ち砕かれた愛は頭を掻き毟りながら感情を露わにする。


「あー!もう!!なんでここで失敗するの!!!」


 念の為右見て左見て、その後念の為にもう一丁右を見る。

 どうやら当てはまるのは俺だけだったらしく、俺は自分に対して指を指しながら、念の為の確認を行う。


「失敗って、俺の事?」


「そ「――――――!!!」んな事言ってる場合じゃないみたいだね」


 優牙は一五年の人生で聞いた事がない、この世のものとは思えない獣の雄叫びに体が思わず怯んでしまう。


「説明する暇はないわ、私の後ろに来なさい」


 愛は親指で自分の後ろを示しながら雄叫びが聞こえた方向を睨む。


 俺は言われるがまま、彼女の後ろに行く。

 その背中は男よりも漢らしいカッコ良い背中だ。


 森を踏み、大地を抉り、空気を震わせながらその魔物は優牙たちの前へ現れる。


「――――――!!!」


「挨拶にしては品がないね!」


 愛は一〇本の指先に魔力を集め、魔物に放つ。


 一〇個の光の球が大猿目掛けて放たれる。

 大猿は光の球を受けながらも彼女の脇腹を切り裂こうとする。


 ――理由はない。

 強いて言うなら自分が男児に生まれたからだろう。

 俺は彼女が受けるはずだった攻撃を全身で受け――

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