察したプロポーズ

〜これが10年前の記憶。〜

今でも、はっきり覚えているこの告白の瞬間。

そして、まだ私達のこの関係は続いている。

今日はちょうどこの日から10年記念日の日。

カフェにケーキを食べに行こうと、拓と道を歩いている。

10年以上、拓と一緒にいた私にはわかる。

今日、拓にプロポーズされることを。

カフェに着いた。

一旦、いつも通りに飲み物とケーキを頼もうとする。だが、

「綾音。今日は、飲み物だけにしてみない。」

と、止められた。

なるほど。ここで、プロポーズする気か。

「そうだね。たまには飲み物のをちゃんと味わうのもいいかもね。」

私は言う通りに従った。

会計のとき、拓は私に

「先に席に座っていて。」

と言った。店員とプロポーズのことを相談するのだろうか。

しばらくすると、先に飲み物が届いた。

その瞬間拓は席を立ち上がりトイレに行くと言った。

ああ、今からプロポーズか。と、思った瞬間店内の明かりが暗くなった。

みんなが驚いている。だが、私は驚かないで厨房の方を見つめる。

すると、案の定拓が指輪ケースを持って私の方へ出てきた。

全員の視線が拓に向く。拓が口を開く。

「綾音。今日は付き合って10年記念だね。いつも、僕と一緒に居てくれてありがとう。10年だから、喧嘩もしたけれど、その分喧嘩の後はこのカフェでケーキを頼んで一緒に食べたよね。他にも、遊園地やイルミネーションにも行ったよね。楽しかったよ。僕はいつも笑顔だったり落ち込んでいたりすぐ顔に出る綾音と一緒にいて楽しかったよ。良かったら、僕と結婚してくれませんか。」

私はすぐYesと答えたかったが、私の直感が悩んでその言葉を止めてくる。

何かがおかしい。プロポーズの時に必要な何かがないと。

それは、物か言葉か態度かは分からない。

でも、私は直感を押し切った。

「私も、拓と結婚したい。大好きです。お願いします。」

私がそう答えて指輪をつけると、ろうそくがついたケーキプレートが運ばれてきた。また、周りから歓声も聞こえてきた。

その中には、「おめでとう」、「お幸せに!」という声もあった。

また、あるカップルは「いいなぁ〜。私もああいうプロポーズのがいい。」という声も聞こえてくる。

拓はそんな私に、「このプレートのろうそく吹いてみて。」と言った。

言われたとおりに吹くと、部屋が明るくなった。

もう一度、みんなから祝福の声が届く。

でも、この声も一瞬だ。少しずつ、自分たちがしていた話や、食べていた者に興味が戻っていく。

だけど、私はいつまでもプロポーズの余韻に浸っている。

「あや・・・。この・・・・・・ようよ・・・。あや・・?あやね・・・?あやね」

4度目ぐらいの拓の私を呼ぶ声で現実に戻っていく。

「ああ、拓ごめん。嬉しすぎてボーッとしていた。本当にごめん。さっき、なんて言ってた?」

「そうなの?さっきは、このプレート食べよう。って言ってたんだ。」

「ごめん。うんうん、食べたい!」

じゃあ、取っていこうか。と、拓が言い、取り皿に分けたいつものカフェのスイーツはいつもの何倍も美味しく感じた。

お店を出ると、拓に私は聞いた。

「お互いの両親にはプロポーズの事言った?」

「あ、いや、まだ言っていないよ。でも、姉ちゃんにはプロポーズをどうやってやればいいかとか相談したよ。」

と、答えた。そうなんだ。

今度あった時に、お礼を言わないと。

「じゃあ、今度はお互いの両親に報告だね。」

「うん。そうだね。楽しみだな〜。」

と、やけに嬉しそうに、多分報告が楽しみなんだろうけれど。

その後も、雑談をしながら二人の同棲している家に帰った。

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