INUGAMI

バッカス

野良犬と飼い犬

野良犬




 ネオ・トーキョーの地下深く、かつて防空壕だった空間を改造したその場所は、重低音と紫煙、そして安物の合成アルコールの匂いに満ちていた。

 
 ここには黄泉路ヨミジにも地獄の釜にも似た名前が付けられている。

 ならず者たちの聖地、会員制バー『比良坂ヒラサカ』。


 分厚いコンクリートの壁に反響するインダストリアル・テクノのビートが、グラスの中の液体を小刻みに震わせている。


 
ヴィンセントはカウンターの隅、最も照明が届かない席に深く腰掛けていた。


 その異様な風体は、この薄暗がりの中でも嫌でも目立つ。全身を包む重厚なナノセラミック加工の軍用パンツと、装甲繊維コンバットシャツ。そして何より、彼の顔面を覆う無骨な耐腐食マスクと、そこから放たれる不気味な黄色い光――アポクロマートバイザーが、彼の二つ名である『単眼巨人サイクロプス』の由来を無言で語っていた。


 「……おい、あれだろ」

 
「ああ、サイクロプスだ。先週のミナト・ベイエリアでのドンパチ、あいつが一人で三河モーターズの強化部隊を壊滅させたって話だぜ」


 「マジかよ。あんな重装備で?」


 「重装備なのに、だ。目にも止まらねえ速さで動くらしいぜ」

 「マジか! 強くて速えなんて最強かよ!」


 背後で交わされるひそひそ話が、ヴィンセントの聴覚センサーにクリアに拾われる。


 
最強。


 誰かがそう囁いた。だが、マスクの下でヴィンセントは自嘲気味に唇を歪めるだけだ。


 
最強? 笑わせる。


 三河の部隊を潰した程度で最強になれるなら、この街は超人スーパーマンで溢れかえっているはずだ。
 こんなものでは足りない。もっと巨大な、そう、世界そのものを敵に回すようなが必要なのだ。


「待たせたな」


 不意に、ヴィンセントの視界に影が落ちた。
 氷のような冷徹な声。ヴィンセントはゆっくりと顔を上げる。

 
そこに立っていたのは、仕立ての良いスーツを着こなした男だった。だが、その顔には人間的な温かみなど欠片もない。最も特徴的なのは、蜘蛛のような横並びの四対の義眼。
ネオ・トーキョー随一のフィクサー、ファラリス。

 

「……予定より2分遅いぞ、ファラリス」


 ヴィンセントは手元のテキーラを呷った。


「交通事情が悪くてね。境インダストリアルの検問が強化されている……場所を変えよう」


 ファラリスはヴィンセントの嫌味を柳に風と受け流し、顎で奥の個室をしゃくった。

 
ヴィンセントは無言で立ち上がる。その瞬間、彼の巨体が動く際の駆動音が微かに響き、周囲の傭兵たちが思わず道を空けた。


 通されたのは比良坂の最奥にあるVIPルームだった。
 防音壁と強力なジャミング装置によって、外部からの盗聴を完全に遮断した空間。
 重い扉が閉まると、外の喧騒が嘘のように消え失せる。


 ファラリスはソファに深く腰掛け、四対の義眼を順番に絞りながらヴィンセントを見据えた。


 「単刀直入に言おう。今回の仕事は、君のような手合いのためにある」


 「前置きはいい。要件を言え。俺の時間は高いぞ」


 ヴィンセントは対面の席に座り、マスク越しに相手を睨みつける。ファラリスは薄い笑みを浮かべ、懐から一枚のデータチップを取り出し、テーブルの上に滑らせた。


 
ホログラムが展開される。
そこに映し出されたのは、一人の少女の立体映像だった。


 
黒のショートボブに毛先をアクアブルーに染めた垂れ目少女。黒いノースリーブジャケットに白いチューブトップ。白く短いホットパンツとポップな格好だ。能天気そうな表情とは裏腹に首には「境」の家紋が入ったチョーカー。ジャケットの背中には、境インダストリアルのロゴである円の中に引かれた一本線がグラフィティアート風に崩して描かれている。

 


 「ターゲットは、イルカ・サカイ……サカイの創始者、シゲル・サカイの孫娘だ」


 ヴィンセントの眉が、マスクの下で跳ね上がった。
境インダストリアル。
かつてヴィンセント自身が身を置き、そしてドロップアウトした古巣。今や『八雲ヤクモメトロポリス』を絶対的な拠点とし、ネオ・トーキョーの覇権を握ろうとしているアジア最強のメガコーポ。


 「……正気か? サカイの直系を誘拐しろだと?」


 ヴィンセントの声色が一段低くなる。


 「そうだ。彼女は現在、極秘裏にネオ・トーキョーへ来ている。表向きは『ネオ・トーキョー芸術振興会』の視察だが……実態は、サカイの支配領域を拡張するための政治的根回しだ」


 ファラリスは指を組み、冷徹に続ける。


 「クライアントは伏せるが、サカイの独走を面白く思っていない連中だ。彼女の身柄を確保し、交渉のカードにする……報酬は君が想像する額の三倍は下らない」


 「金の問題じゃない」


 ヴィンセントは吐き捨てるように言った。


 「相手はあの『サカイ』だぞ。俺は元社員だ、あそこのセキュリティの異常さは誰よりも知っている。ヤクモ・メトロポリスから連れてきた『魍魎旅団』や、あの化け物じみた『夜行』部隊が護衛についているはずだ。それに……イルカ本人の噂も聞く。ただの広報部のお飾りじゃないとな」


「だからこそ、君なんだ」


 ファラリスの四対の目が、怪しく明滅した。


 「元・サカイのエリートであり、今はフリーの傭兵として名を馳せるサイクロプス。内部のプロトコルを知り尽くし、かつ『迅雷』すら置き去りにする最新鋭の『過剰駆動オーバードライブ』を使いこなす男……君以外に、誰がこの死地を潜り抜けられる?」


 ヴィンセントは沈黙した。


 
脳内の戦術プロセッサが、瞬時にリスク計算を行う。

 成功率、0.01%未満。

 
これは自殺だ。一流の傭兵なら、鼻で笑って席を立つ案件だ。命がいくつあっても足りない。
 境インダストリアルに喧嘩を売るということは、この国で生きていけなくなることを意味する。


 だが。


 ヴィンセントの脳裏に、先ほどのバーでの会話が蘇る。


 



 
そうだ。安全な仕事をいくら積み重ねても、小銭は稼げても名は残らない。


 最強になるには誰もが不可能だと断言する壁を、暴力と速度で突き破る必要がある。
死の淵を歩き、世界を統べる巨人の喉元に牙を突き立てる。それこそが、俺が求めていた『大仕事』ではないのか?


 マスクの下で、ヴィンセントの口元が三日月形に裂けた。

 死線を前にした者だけが浮かべる、凶暴で愉悦に満ちた笑みだった。


「……おい、ファラリス」


「なんだ? 断るなら、この話は忘れてくれ。ここを出た瞬間に――」


「勘違いするな」


 ヴィンセントはデータチップを掴み取り、自身のリンクに接続した。
 瞳孔の奥で、イルカ・サカイの護衛配置図、移動ルート、セキュリティホールの解析データが滝のように流れ落ちていく。


「俺は、その自殺行為ケンカを買い取ると言ったんだ……いいぜ、乗ってやる。このヴィンセント様が、サカイの顔面に泥を塗ってやるよ」


 ファラリスの表情に微かな驚きと、それ以上の満足感が浮かんだ。


「賢明な判断だ、ヴィンセント。いや……狂気的な判断と言うべきかな」


「褒め言葉として受け取っておく」


 ヴィンセントは立ち上がり、軍用ブーツのつま先で床を軽く叩いた。
 全身のサイバーウェアが、戦闘モードへの予備起動音アイドリングを奏でる。
脊髄に埋め込まれた『阿修羅』過剰駆動オーバードライブが、今すぐにでも稼働したくて疼いているのが分かった。


「で? 作戦開始はいつだ」


「今夜だ」


 ファラリスは立ち上がり、窓の外に広がるネオ・トーキョーの毒々しいネオンを見下ろした。


 「イルカは今夜、チヨダ・セクターの迎賓館から移動する。ルート上のセキュリティは、こちらの『サーファー』が一時的に穴を開ける手はずだ。だが、物理的な護衛……特にサカイの私兵たちは君が排除するしかない」


 「上等だ。俺の『斬火』が最近血を吸ってなくてな」


 ヴィンセントは腰に差したカタナの柄に手を掛けた。

 
 これから向かうのは地獄だ。
だが、その地獄の底にこそヴィンセントが求める『夢』への切符が落ちている。

 「……今夜、トーキョーが燃えるぞ」










 ヴィンセントはファラリスと別れ、指定された合流地点へと向かうために、愛車である装甲改造されたスポーツカー『ヴェンデッタ』のステアリングを握っていた。

 
 窓の外を流れるネオ・トーキョーの景色は、極彩色の悪夢のように歪んでいる。


 かつてこの国には日本政府という絶対的な支配者がいたらしい。
だが、そんなものは教科書の中だけの話だ。
いつからだったか、ヴィンセントはその正確な年号を忘れてしまったが、理由は痛いほど分かっていた。
国というシステムは、あまりにも無能で、鈍重すぎたのだ。
「公共の福祉」だの「倫理」だのという綺麗事で、企業の利益追求という名の進化を押さえつけようとした結果、が今やリストラ寸前だ。


 
 笑える話だ。


 
 今や、かつての都道府県という境界線は意味をなさず、地図は企業のロゴマークによって塗り分けられている。
 境インダストリアルの『八雲ヤクモメトロポリス』、三河モーターズの『トウカイ重工区』、浪速バイオティクスの『カンサイ実験特区』。


 
ここは現代の戦国時代だ。武将の代わりにCEOが、刀の代わりに株価と私設軍隊で領土を奪い合う血とオイルの匂いがする時代。


「……だが、この街だけは特別だ」


 ヴィンセントは独りごちる。

 
ネオ・トーキョー。
この巨大都市だけは、あまりにも多くの企業が利権を主張し合った結果、皮肉にも誰も完全には支配できない奇妙な均衡バランスを生み出していた。


 どの企業も喉から手が出るほど欲しいが、手を出せば他社から袋叩きに遭う。


 
だからこそ、奴らは裏で動く。
妨害工作、暗殺、データの奪取。
表のニュースでは「遺憾の意」を表明しながら、裏では俺たちのような傭兵アウトローに金を払い、代理戦争をさせている。


「便利屋、掃除屋、あるいは捨て駒……呼び方は何でもいい。金払いさえ良ければな」


 ヴィンセントはアクセルを踏み込んだ。
V8エンジンの咆哮と共に、車体はチヨダ・セクターの検問を強引に突破し、スラム街の深淵へと潜っていく。


 指定された場所は、打ち捨てられた地下鉄の廃駅だった。

 
湿気たコンクリートの臭いと、ネズミの走る音が響く暗闇。
 そこに、二つの人影があった。


 「遅いぞ、サイクロプス。最強になりたいなら時間は守るもんだ」


 車のヘッドライトに照らされたのは、巨大な体躯の男だった。
全身をサイバネティックな装甲で覆い、両腕には改造されたドライビング・インターフェースが直結している。


 
ドライバーの『タンク』


 輸送任務において右に出る者はいないと言われる男だ。どんな検問も突破し、どんな悪路も踏破し、依頼品を『必ず』目的地へ届ける運び屋。彼にかかれば、スクラップ寸前のバンですら戦車モンスターマシンに魔改造すると言われている。


 そして、もう一人。


 
瓦礫の上に腰掛け、ホログラム・ディスプレイを操作している小柄な女。
 彼女はヴィンセントを見ても顔を上げず、空中に浮かぶコードを指先で弾いていた。


 「……五月蝿い。今、サカイの防壁(ファイアウォール)にバックドアを仕込んでいるの。集中させて」


 サーファーの『リズ』


 彼女の脳は常にネットの海(ディープ・ダイブ)にあり、肉体はこの場にありながら、意識は数キロ先の監視カメラを覗いている。境インダストリアルのような軍事レベルのセキュリティに穴を開けられるサーファーは、この街でも片手で数えるほどしかいない。


「タンクにリズか……ファラリスの野郎本気だな」


 ヴィンセントは車を降り、二人の前に歩み寄った。

 
確かに一流だ。このメンバーなら、小国の政府くらいなら転覆できるかもしれない。

 
だが、相手は境インダストリアルだ。
 あの『妖怪』どもを相手にするには、これでもまだ心許ない。


 「おい、サイクロプス。今回のヤマ、マジでサカイの姫様を攫うのか?」


 タンクが太い葉巻を噛み砕きながら尋ねてくる。その表情には、恐怖と興奮が入り混じっていた。


 「ビビったか? タンク」


 「まさか。俺はいつだって、デカい荷物を運ぶのが生き甲斐だ。だがな、サカイの『夜行』部隊が出てきたら話は別だ。あいつらは人間じゃねえ……お前なら知ってるんだろ? 元社員様」


 タンクの視線が、ヴィンセントの黄色いバイザーを射抜く。

 
ヴィンセントは鼻で笑った。


 「ああ、知っているさ。だからこそ、俺たちが必要なんだろう?」


 ヴィンセントは熱能カタナ『斬火ザンカ』の柄を軽く叩いた。

 
 かつて企業は、その飽くなき欲望のために国へ反旗を翻した。
 ならば今度は俺が自身の名声のために、かつての飼い主へ牙を剥く番だ。


 「リズ、セキュリティの解析状況は?」


 「……あと3分でルートが開く。イルカの護衛配置、共有するわ」


 リズが指を振ると、ヴィンセントの視界にAR拡張現実で地図が展開された。
 複雑に入り組んだ首都高速の立体交差。その一点を指し示している。


 「ここよ。サカイのコンボイが通過するポイント。護衛のドローンが一時的にネットワークの死角に入る、わずか6秒間の空白地帯」


 「6秒か……十分すぎる」


 ヴィンセントはニヤリと笑った。
 

 『阿修羅・過剰駆動オーバードライブ』を発動すれば、その6秒はヴィンセントにとって数分に等しい。


 「作戦を確認する。タンク、お前は退路の確保だ。サカイの追撃部隊を撒くルートをリアルタイムで計算しろ。リズ、お前はドローンの目を潰せ。奴らの通信をジャックして、混乱を引き起こすんだ」


 「了解……で、お前さんは?」

 「俺は真正面から突っ込んで、護衛を皆殺しにする。そして、お姫様を優しくエスコートしてやるさ」


 ヴィンセントはマスクのフィルターを開放し、地下の澱んだ空気を深く吸い込んだ。

 
 血と鉄と、死の予感がする空気。
 

 これだ。このヒリヒリするような感覚こそが、俺が生きていられる唯一の証だ。


 「さあ……仕事の時間だ」


 ヴィンセントの言葉と共に、三人の影が動き出した。








 廃駅のさらに奥、かつて車両整備工場だったと思われる広大なスペースに、その『怪物』は鎮座していた。


 タンクが誇らしげに親指で指し示した先にあったのは、もはや車と呼んでいいのか迷う代物だった。

 
 ベースは三河モーターズ製の大型装甲車だろうか。だが、その原型を留めないほどに魔改造が施されている。
 

 ボディ全体を覆うのは、戦車の主砲すら弾き返しそうな分厚い爆発反応装甲リアクティブ・アーマー。
フロントには障害物を粉砕するための巨大な衝角ラムが取り付けられ、ルーフには格納式の対空ガトリング砲が、まるで眠れる獣の牙のように天を向いている。
 そしてタイヤは六輪すべてが独立駆動する極太のランフラット・タイヤだ。


 「……おいおい。こいつは『輸送車』ってツラじゃねえぞ。移動要塞だろ」


 ヴィンセントは思わず口笛を吹いた。

 
 装甲の継ぎ目から覗く、剥き出しのエンジンパイプと冷却用チューブが、荒々しくも機能的な美しさを放っている。
 これなら、境インダストリアルの『ガシャドクロ』戦車と正面衝突しても押し勝てるかもしれない。


「気に入ったか? 俺の可愛い『鉄血アイアン・ブラッド』号だ」


 タンクが愛おしそうに装甲板をバンバンと叩く。



 「エンジンはトウカイ重工区からくすねた航空機用のターボファン・エンジンを無理やり積んでる。ニトロを噴射すれば、この図体で時速300キロは出るぜ……まあ、燃費は最悪だがな」


 「燃費なんぞ気にして戦争ができるか……いい仕事だ、タンク。これなら地獄の底からでも生きて帰れるだろうよ」


 ヴィンセントは素直に称賛した。

 
一流の傭兵は道具を選ばないと言うが、それは嘘だ。
超一流は、自分の命を預ける道具には徹底的にこだわる。タンクのこの仕事ぶりは、彼がただの筋肉ダルマではなく、繊細な職人であることを証明していた。


 「で、席順はどうなってる?」


 ヴィンセントが助手席のドアに手をかけた時、タンクがそれを大きな体で遮った。


「悪いが、こいつに乗るのは俺とそこのサーファーちゃんだけだ」


「……あ?」


 ヴィンセントは怪訝な声を上げた。
マスクの奥の黄色い瞳が、タンクを見上げる。


 「俺だけ蚊帳の外かよ。この鉄の棺桶でドライブできるのを楽しみにしてたんだがな」


 「バカ言え。お前の図体と装備を見ろよ。この助手席には、リズのダイブ用機材と冷却ユニットが山ほど積んであるんだ。お前が乗ったら重量オーバーでサスがイカれちまう」


 タンクは呆れたように肩をすくめ、後方で黙々と機材チェックをしているリズを顎でしゃくった。


 「それにだ。今回の作戦の要は『奇襲』だろ? 俺とリズが派手に暴れて、境の護衛を引きつけるデコイになる。奴らの目が俺たちに釘付けになったその一瞬の隙に……」


 タンクはニヤリと笑い、ヴィンセントの胸板を拳で突いた。


「お前が機を見て突っ込み、お姫様を確保する。それが一番確実だ……違うか? サイクロプス」


 ヴィンセントは一瞬沈黙し、そして短く鼻を鳴らした。

 
 正論だ。

 
 ヴィンセントの『阿修羅』過剰駆動オーバードライブによる超高速機動は、車の中にいては宝の持ち腐れだ。彼は遊撃手としてフリーで動き、敵のフォーメーションが崩れた瞬間にその喉元を食い破るのが最適解だ。


 「……チッ。分かったよ。一番美味しい役回りは譲ってやる」


 ヴィンセントは渋々といった様子で頷いた。
 だが内心では、タンクの戦術眼に感心していた。

 
 自分たちの役割ロールを完璧に理解している。囮役というのは一番死ぬ確率が高い損な役回りだ。それを自ら買って出るとは、いい度胸だ。


 「リズ、お前は平気か? このゴリラの運転じゃ、三半規管がシェイクされるぞ」


 ヴィンセントが声をかけると、リズは『ニューロ・リグ』のケーブルを首筋のジャックに差し込みながら、無表情で答えた。


 「問題ないわ。移動中は感覚遮断してるから……それに、タンクの運転データは解析済みよ。荒っぽいけど、計算された『乱数』みたいなものね。予測不能だけど、事故率はゼロに近い」


 「へっ、最高の褒め言葉だな!」


 タンクが豪快に笑い、運転席へと巨体を滑り込ませた。

 
 エンジンが始動する。
 地底の空気が震え、猛獣の咆哮のような重低音が響き渡る。


 「よし、作戦開始だ……サイクロプス、お前は自分の足で現地へ向かえ。タイミングはリズがリンクで指示する」


 「ああ。遅れるなよ、お前ら」


 ヴィンセントは愛車『ヴェンデッタ』の方へと歩き出した。

 
 背後で『鉄血』号が動き出し、暗闇へと消えていく。


 さて、と。
 ヴィンセントは車のドアを開け、シートに身を沈めた。


 
 ここからは別行動だ。


 
 ネオ・トーキョーの夜景が、フロントガラス越しに毒々しく輝き始める。
 祭りの始まりだ。


 ヴィンセントはアクセルを踏み込んだ。
 タイヤが悲鳴を上げ、車体が弾丸のように夜の街へ飛び出した。





 ネオ・トーキョーの首都高速湾岸線は、かつて物流の大動脈だったが、今は企業間の物資輸送と、違法ルーレット族の遊び場と化している。

 
 その上空を覆う分厚い酸性雨の雲が、街のネオンを反射して不気味な紫色に光っていた。


 時刻は深夜02:00。

 
 企業のコンボイが動くには、最もリスクが低く、かつ目立たない時間帯だ。


 「ターゲット、接近中。距離2000……速度120キロ」


 通信機越しにリズの無機質な声が響く。彼女は今、数キロ離れたビルの屋上から、無数の監視カメラをジャックして『目』となっているはずだ。


 
 ヴィンセントは、路肩に停めたヴェンデッタの運転席で、静かに息を整えていた。


 
 隣にはタンクが操る重装甲輸送車『鉄血号』が、獣のようなアイドリング音を立てて待機している。


 「おいサイクロプス、来たぞ……でけえな」


 タンクの声に緊張が走る。


 
 ヴィンセントの黄色いバイザーが、闇の向こうから迫る光を捉えた。


 
 それは、通常の輸送車列ではなかった。

 
 先頭と殿(しんがり)を固めるのは、境インダストリアル製の多脚戦車『ガシャドクロ』の都市迷彩仕様。


 
 そして中央には、漆黒の塗装が施されたリムジン。その装甲は戦車の砲撃すら耐えうる『神武鋼』製だ。


 
 さらに上空には、ステルスドローン『メダマ』の編隊が蚊柱のように旋回している。


「……大名行列だな」


 ヴィンセントは呟き、腰の『斬火』と、助手席に置いたライトマシンガン『ワイルドドッグ』の安全装置を解除した。


 
 ただの視察にしては護衛が厚すぎる。やはりファラリスの言う通り、何か裏がある。


 
 だが、今はそんなことはどうでもいい。


 
 目の前の鉄壁をどうやって粉砕するか。それだけだ。


 「リズ、ジャミング開始!」


 「了解……『悪夢』を見せてあげる」


 リズがダイブした瞬間、上空のドローン編隊が一斉にバランスを崩した。


 
 彼女が流し込んだウイルスにより、ドローンたちは敵味方識別信号を誤認し、一部のドローンが互いに体当たりを始めたのだ。空中で火花が散り、鉄屑となって降り注ぐ。


 
 その隙を突いて、タンクが鉄血号のアクセルを床まで踏み込んだ。


 「どけええええッ!!」


 重量10トンの重装甲車が、まるで砲弾のように路肩から飛び出し、車列の横っ腹に突っ込んだ。


 
 轟音。


 
 殿を務めていた『ガシャドクロ』が、予期せぬ質量攻撃にバランスを崩し、ガードレールを突き破って高架下へと落下していく。


 「今だ!」


 ヴィンセントがヴェンデッタを発進させる。
V8エンジンの悲鳴と共に、車はリムジンの真横に並走した。


 
 窓越しに見えるのは、驚愕する運転手の顔と、後部座席に少女のシルエット。
 


 ヴィンセントはハンドルを固定すると、ドアを蹴り開け、走行中の車体から身を乗り出した。


「『阿修羅』……起動ッ!!」


 脊髄に埋め込まれた過剰駆動オーバードライブが唸りを上げる。


 
 世界が、色彩を失った。


 
 雨粒が空中で緩やかに落ちていき、爆発の炎が揺らめく蝋燭の火のように彫刻のように穏やかになる。音すらも置き去りにした静寂の世界。
ヴィンセントの意識だけが、引き伸ばされた時間の中で加速する。


 ヴィンセントはヴェンデッタの屋根を足場にして跳躍した。
 強化脚が生み出す脚力が、ヴィンセントをリムジンの天井へと運ぶ。
 

 着地と同時に『斬火』を逆手に構え、屋根の装甲へと突き立てた。


 ズブッ。


 
 超高熱を帯びた刃が、最高級の装甲をバターのように融解させる。
 

 ヴィンセントはそのまま円を描くように屋根を切り裂き、装甲板を無理やり剥がし取った。


「ごきげんよう、お姫様」


 時間が通常の流れに戻る。
轟音と風圧が戻ってきた車内で、ヴィンセントはリムジンの内部へと飛び込んだ。


 
 そこにはイルカ・サカイと思われる少女と、二人の護衛がいた。
だが、護衛たちはまだ銃を抜くことさえできていない。ヴィンセントの速度に反応できていないのだ。


「遅い」


 ヴィンセントの一閃。

 
『斬火』が紅蓮の軌跡を描き、護衛たちのサイバーアームを一撃で両断する。切断面が瞬時に炭化し、彼らは悲鳴を上げる間もなく無力化された。


 残るは、イルカ・サカイただ一人。
 ヴィンセントは刃を向け、その顔を覗き込んだ。


「……!?」


 ヴィンセントのスキャナーが、警告音と共にエラーを吐き出す。
見た目こそ
、事前のデータにあるミチコ・サカイだ。


 しかしそこに人間はいなかった。座席に鎮座していたのは、機械仕掛けの人形だった。


 
 人形の瞳が嘲笑うように明滅する。


『引っかかりましたわね、おバカなワンちゃん』


「……クソッ、罠か!」


 ヴィンセントの思考よりも早く、イルカの胸部が赤く発光した。
高密度の爆薬。
 


 ヴィンセントは反射的にリムジンの天井を蹴り破り、外へと飛び出した。


 ドガアアアァァンッ!!


 爆炎がリムジンを内側から食い破り、夜の高速道路に紅蓮の花を咲かせた。


 
 爆風に煽られながら、ヴィンセントはどうにか路面に受け身を取る。強化されたナノセラミックの装甲がアスファルトと擦れ合い、激しい火花を散らした。


『ヴィンセント! 一体何があったの!? 生体反応が消えたわ!』


 脳内の通信リンクから、リズの焦った声が響く。


「ハズレくじだ! こいつはただのデコイだ!」

『嘘でしょ……待って、バックドアが閉じられていく。この反応……逆探知!? 嘘、早すぎる!』


 リズの声色が恐怖へと変わる。


『見つかった! 誰かがこっちを見ている! ありえない、私のファイアウォールが一瞬で……いやぁぁぁぁぁっ!!』


 悲鳴と共に不快なノイズが走る。
神経を直接焼かれるような金切り声。


「リズ! 応答しろ!」


 返事はない。ただ、向こう側から冷たい「何か」が回線を通じて逆流してくる気配がした。
 このまま繋いでいれば、自分の脳まで焼かれる。

 ヴィンセントは躊躇なくリンクを切断した。


「……やられたか」


 舌打ちする間もなく、今度はタンクからの緊急通信が入る。


『おいサイクロプス! リズの生体シグナルがロストした! やられちまったのか!?』

「ああ、逆探知された。敵にバケモノ級のサーファーがいる」

『クソッ! とにかく合流して仕切り直すぞ! 俺がそっちへ――』


 タンクの声が、突然の衝撃音にかき消された。
 金属が悲鳴を上げる音。何かがひしゃげる音。


「おい、どうした!? タンク!」

『な、なんだコリャ……!? 女だ! 女が俺の車を持ち上げて……うわぁぁぁぁっ!!』

「タンク!!」


 ヴィンセントがタンクのいる方角へ顔を向けた瞬間だった。
 暗闇の中から、巨大な鉄塊が砲弾のように飛んできた。


「ッ……!?」


『阿修羅』を起動し、世界がスローモーションになる。


 
 飛んできたのは、タンクが乗っていた『鉄血アイアン・ブラッド号』だ。
 重量10トンを超える車体が、まるでサッカーボールのように宙を舞っている。


 
 ヴィンセントは紙一重で身を捻り、その質量爆撃を回避した。


 ズガアアァァンッ!!


 背後の防音壁に激突した『鉄血号』は、見るも無惨な姿になっていた。


 
 ただの衝突事故ではない。


 
 車体全体が、まるで巨大なプレス機にかけられたように、中心に向かって無理やり圧縮されていたのだ。
 戦車の砲撃すら耐える装甲が、飴細工のように丸められている。


 「……ぐ、うぅ……」


 ひしゃげた鉄の塊の中から、微かな呻き声が聞こえた。


 
 ヴィンセントは駆け寄り、装甲をこじ開ける。
 中には、全身の骨が砕け、オイルと血に塗れたタンクが挟まれていた。


 
 もはや助からないことは、一目で分かった。


「……タンク」

「へ、へへ……ざまあねえな……」


 タンクは血の泡を吹きながら、最期の力を振り絞ってヴィンセントの腕を掴んだ。


「リズからの……最期の伝言だ……。逆探知される寸前……奴らのログを……抜いた……」

「……」

「ターゲットは……タワーだ……。最初から……ここには、いねえ……」

「……そうか」

「あとは……頼んだ、ぜ……ヴィンセ……ト」


 タンクの手から力が抜け、ドサリと落ちた。
 彼の義眼から光が消える。


 
 一流のドライバーと一流のサーファー。



 たった数分。
 境インダストリアルは指先一つ動かすことなく、ヴィンセントのチームを壊滅させたのだ。


『……聞こえるか、ヴィンセント』


 今度はファラリスからの内線だ。その声には、明らかに焦りと苛立ちが混じっていた。


『リズとタンクのバイタルが消えた。作戦は失敗だ。これ以上は無駄死にだ、直ちに撤退しろ』


 冷酷な指令。
傭兵は道具だ。壊れたら捨てる。それがこの街のルール。


 
 だが。


 ヴィンセントはゆっくりと立ち上がり、タンクの死体を見下ろした。
その視線を、雨に煙る彼方の巨塔――境インダストリアル東京支社ビルサカイ・タワーへと向けた。


 「……断る」


 『なに?』


 「まだ終わっちゃいねえ……俺が残っている」


 ヴィンセントの声は低かった。


「仲間をやられて尻尾を巻いて逃げたら、それこそ野良犬以下だ……そうだろ? ファラリス」


『……正気か? 一人でタワーに乗り込むつもりか? そこにはリズを焼き切り、タンクを鉄屑にした怪物がいる。自殺行為だ』


「『自殺行為ケンカ』を買い取ると言ったはずだぞ」


 ヴィンセントは『斬火』を引き抜き、刀身に付着した雨水を振り払った。高熱を帯びた刃が、ジュッという音と共に水を蒸発させる。


 
 雨脚が強くなる中、隻眼の巨人は一人、怪物の住む塔へと歩き出した。



 

 ネオ・トーキョーの中心にそびえ立つ、漆黒の摩天楼。
 境インダストリアル東京支社ビル、通称『境・タワー』その頂に鎮座するイルカ・境のペントハウスは、俗世を見下ろす神々の社。ネオ・トーキョーの汚濁も喧騒も、決して届くことのない天空の聖域だ。


 ヴィンセントはその巨大な剣の麓に立ち、首が痛くなるほど天を仰いだ。無数の窓から漏れる光は、まるで巨大なサーバーラックのLEDのように冷たく、無機質に瞬いている。


 ファラリスの通信が入る。


 『君が元どこの所属か知っていて言うのだが、奴らのセキュリティがどれほど常軌を逸しているか君が知らないはずはない。裏口、抜け道、警備の穴を知っているのか?』


 「その知識はとっくに古い。俺が抜けてからシステムは何度もアップデートされている。それに、俺のバイオメトリックデータは最優先抹殺対象としてサカイの全ネットワークに登録されている。タワーに一歩足を踏み入れた瞬間、俺の存在は筒抜けになる」


 ファラリスが言葉を失うのがわかった。バックアップなし、援護なし。世界で最も警備が厳重な場所にたった一人で乗り込む。世界広しといえど、こんな馬鹿げた依頼を受ける傭兵はいない。自殺行為も同然だ。金の問題ではない。意地なのだ。


 サーチライトが雨を切り裂き、重武装のドローンが旋回する中、ヴィンセントは隠れることなく、堂々とメインストリートの中央を歩いていく。

 
 ステルス? 潜入?

 
 そんな小細工は必要ない。
仲間を殺された落とし前は、派手な花火でつけるに限る。


 ヴィンセントはコートの襟を立て、タワーの正面エントランスへと悠然と歩を進めた。磨き上げられた大理石の床、壁面をよじ登るホログラムの紅ズワイガニ、行き交うエリート社員たちの纏う高価な香水の匂い。ここは戦場とは無縁の世界。だが、ヴィンセントが足を踏み入れた瞬間、その完璧な調和は崩れ始めた。


 彼の顔を認識したエントランスのセキュリティシステムが、瞬時に警告を発した。


『警告。未許可の人物を認識。コード:レッド。最優先抹殺対象、ヴィンセント。直ちに退去しなさい』


 無機質な合成音声が、静寂なホールに響き渡る。行き交っていた社員たちが凍りつき、悲鳴を上げて散っていく。

 ヴィンセントは構わず、ペントハウスへと続くプライベートエレベーターへと向かって歩き続けた。


『警告。ここは境インダストリアルの私有地である。直ちに退去せよ』
『さもなくば、実力行使により排除する』


 無機質な合成音声と共に、エントランスの左右から黒い影が躍り出た。


 全員が黒一色の、身体のラインに密着したシナプシス加速スーツ。顔を覆う赤い三つ目の光学センサーを備えたフルフェイスヘルメット。背中には、鈍い光を放つ刀に『境』の紋章。特殊執行部隊『黒脛巾クロハバキ』だ。

 
 彼らは一言も発することなく、背中の高周波ブレードを一斉に抜刀した。五人の忍者達の輪郭がブレた。

 
『迅雷・過剰駆動オーバードライブ』起動。
 常人の目には消えたように見えるほどの高速移動。

 一人が背後に回り込み、一人が頭上から、残りの三人が前方から。完璧な包囲網。抜き放たれた刀の切っ先が、寸分の狂いもなく彼の首、心臓、両手足を狙って突き進んでくる。その刃が彼の肌に触れるまで、あと数センチ。


 だが。


「……遅えよ」


 ヴィンセントの黄色いバイザーの奥で、瞳孔が収縮した。
脊髄の『阿修羅』が咆哮を上げる。



 世界が遅くなる。


 
 迫り来る忍者たちの動きが、泥の中を泳ぐようにスローモーションになる。宙に舞う埃の粒子の一つ一つすらはっきりと見える。刀の切っ先が空気を切り裂く際に生じる、微細な衝撃波さえも視認できた。


 
 彼らの『迅雷』は確かに速い。だが、ヴィンセントの『阿修羅』はそのさらに上の次元にある。



 ヴィンセントは、ゆっくりと迫る先頭の忍者の懐に、散歩でもするように歩み寄った。彼の右手が腰に差した斬火の柄を握る。刀身に組み込まれたサーマルユニットが起動し、刃が瞬時に赤熱化した。腰の『斬火』を逆手に抜く。


 まず、背後の忍者。彼の刀はヴィンセントのうなじを捉える寸前で停止している。ヴィンセントは身をかがめる必要すらなかった。ただ、すれ違いざまに斬火を水平に薙いだ。赤熱した刃が、忍者の腰を装甲スーツごと何の抵抗もなく切り裂いていく。


 次は頭上の忍者。彼は武装腕『蟷螂』を展開し、脳天に突き立てようとしている。ヴィンセントは見上げ、左腕の『手筒』を起動させた。

 展開された砲口から、小型の熱エネルギー弾が発射される。弾丸が静止した忍者の顔面へと吸い込まれていく。


 前方、三人の忍者。彼らは完璧な連携で、三方から突きを繰り出している。ヴィンセントはその三本の刀が交差する中心点へと、自ら踏み込んだ。

 そして、コマのように回転する。


 一回転目。一人目の忍者の両腕を、手首から斬り飛ばす。

 
 二回転目。二人目の忍者の喉を、水平に掻き切る。

 
 三回転目。最後の一人の胴体を、袈裟懸けに両断する。


 斬火の熱が、斬り裂いたすべての断面を瞬時に焼灼し、出血さえも許さない。

 刀の切っ先から、溶けたセラミック装甲の雫が一つ、床に落ちていく。


 ヴィンセントは『阿修羅』を解除した。


 時が元の速度を取り戻す。


 一瞬の静寂。


 
 次の瞬間、世界は凄惨な音と動きに満たされた。


 ドシャッ!
 背後の忍者が、上下真っ二つになって崩れ落ちる。


 
 ドッ!
 頭上の忍者が、顔面で爆発した熱エネルギー弾によって吹き飛び、天井に叩きつけられる。


 
 ガシャン! ズズッ…!
 前方の三人。両腕を失った一人が膝から崩れ、喉を焼かれた一人が血の代わりに煙を噴き出し、胴を両断された最後の一人が、ゆっくりと左右にずれて床に倒れた。


 わずか一秒にも満たない現実時間の中で、境の精鋭部隊はただの肉塊と鉄屑の集合体へと変わり果てていた。焦げ付く匂いと、鉄錆の匂いが混じり合い、エントランスホールを満たす。


 静寂の中、自身の排熱ダクトから出る蒸気の音だけが響いている。


 ヴィンセントは返り血一つ浴びていない『斬火』を軽く振るい、鞘に納めた。

 彼の目は、すでに目の前の惨状にはなく、静かに到着を待つプライベートエレベーターの扉だけを見据えていた。




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