十一の星に鍵を回せ~魔力を持たない欠陥品は、鍵の魔道具で迷宮を進む~
藍家アオ
1-0 プロローグ
十年前。ある占星術師は言った。
禍ツ星来たれり、と。
人類は発展した。他ならぬ迷宮によって。迷宮はモンスターを生み、モンスターは資源を生む。モンスターの落とす戦利品は、人類の剣となり、盾となり、食料となり、服となった。人類は迷宮の探索に多くの魔力を費やし、その魔力は迷宮の糧となった。そのような共生関係によって、人類と迷宮は今の時代まで栄えてきた。
十年前に、侵略者が飛来するまでは。
流星のように現れた侵略者は、いくつかの迷宮をその手中に収めた。力の弱い迷宮はその侵攻に耐えられなかった。一方、力のある迷宮は侵略者の魔の手を跳ねのけた。人類は迷宮を取り戻すべく、侵略された迷宮へ挑んだ。迷宮を守るべく、侵略者に立ち向かった。
十年の月日を経てなお、迷宮奪還にあたわず。
一年ごとに侵略者は飛来した。合わせて九つの流星群がこの星に降り注いだ。そのたびに迷宮は侵略され、人類圏は狭まった。
そして今。十度目の予言が示される。占星術師は言った。
禍ツ星来たれり、と。
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