純情ギャルサキュバスちゃんは××したい!

しゃりん

プロローグ


「あ、あたしと××しない?」


 放課後の夕焼けが色づく二人っきりの教室で、頬を紅く染めた女の子にそう言われた。


「……え?」


 今日、転校してきた女の子――あと可愛い。

 見た目は色白で長い金髪のギャル――あと胸も大きい。

 今日一日隣で見ていたけど、高校デビューして一ヶ月ぐらいになる俺よりも、今日一日でクラスの人気者のようになったと思える。

 これがギャルの魅力……いやいやそれどころじゃない!


「えっと……チョ、チョメチョメって?」

「……あれ? チョメチョメって言うんじゃなかったっけ? さすがに濁しすぎていたのかな、えっと……あ、あたしと、えっちなことしない? って言ったのよ」

「ええっ!? いや、そんな、俺なんかと、その……」


 そんなわけがない。と自然と体が後ずさっていたら、


「あでっ」


 後ろにあった椅子に足を引っかけてしまった。


「あっ」


 後ろ向きのまま倒れていく俺に、驚いて手を伸ばしているギャルも可愛いなと思いながら、俺は教室の床に背中をぶつけて、ぶつけて? ぶつけ……て?


「ふう、間に合った……」


 背中に衝撃はなく、代わりに背中と腰辺りにグニグニとした何かが巻き付いていた。


「……あれ?」


 どうやら転けそうになった俺を、何かが巻き付いて背中を限界まで反らした形ではあるが、そのまま倒れるのを止めてくれたようだ。


「大丈夫?」


 近づいてきたギャルが上半身だけ前のめりにして、限界まで体を反らしてしまっている俺の顔色を覗き込んできた。

 ……あ、ブラウスに隠れた深くてえっちな谷間の下には、制服のリボンが添えられ、さらには右胸の上には小さなほくろが見える――って、駄目だ駄目だ! 

 男のえっちな視線はバレると、妹から教わっていたのですぐに顔をそらした。


「だ、大丈夫です……」


 とりあえず転けずに助かった。彼女が助けてくれたんだろうか? それにしてもなんだこれ、黒い紐? いったいどこから伸びているんだ?

 体を限界まで反らしたまま頭だけを起こして、どこから伸びているのかと視線を辿ってみれば、ギャルの短いスカートに隠れるお尻に続いていた。

 そっかお尻から伸びる紐、まるで尻尾のよう……え、尻尾? お尻から尻尾!?


「これって……あれ?」


 そこで、ギャルの見た目が少し変わっていることに気付いた。


「あ、頭にツノのような物が生えているように見えるのですが……」


 するとギャルは口角を上げて笑い、自分の頭にあるツノを指先でつっつく。


「うん、ツノだよ。あなたを助けるのに、尻尾だけ生やすっていうのが出来なくて、尻尾と一緒にツノも出てきちゃった」


 ああ、やっぱり俺の腰に巻かれてあるのって、ギャルのお尻から生えた尻尾なんだ。最近のギャルのお尻には尻尾があるとは知らなかった。


「そっか、いやあ助かったよ……ん? いや! え!? 尻尾!? それにツノ?!」


 何で尻尾やツノが生えているんだ!? 


「あー、えっと、どうし……あ、こうゆう時は、確か……てへぺろ?」


 どうしようか悩む仕草が見えたけど、可愛い仕草で誤魔化すことにしたみたいだ。


『やっちゃった? でも許して』


 そんな軽い空気、さすがギャル――どころじゃない!?


「き、君はいったい――いてっ?!」


 尻尾に支えられていた筈なのに、俺は床に背中から落ちた。落ちる高さが低くなっていたから痛くはないけど、どうやら俺を支えてくれていた尻尾が離れたようだ。

 ……あ、尻尾の先がスペードというか、たぶんハートの形になってる。

 いや! 今はそんなことよりも!


「とりゃ」


 可愛らしい声が聞こえたと思ったら、うつ伏せに倒れた俺のお腹に、ギャルがお尻をふんわりと乗っけてきた。


「はい!?!?」


 重くはないけど、これってもしかしてギャルに馬乗りにされてる!?


「な――なっ!?」


 驚いて混乱していると、いつの間にかギャルのブラウスのボタンが全部外れていて、白の下着に包まれた大きな胸が露わになっていた。

 ……あ、意外に清純な白だ――じゃない!


「た、たぶん、あなただったら、だだ、大丈夫な気がする……」


 そう言いながらギャルは自身のスカートに手を入れると、ブラジャーとおそろいの白色のパンツの紐がチラリと見えた。


「だから出来る、あたしは出来る……」


 さっきまで積極的に見えたギャルの動きが止まった。スカートに手を入れて白のパンツの紐に手をかけているようだけど、まだ脱いではいないようだ。


「そ、その……ど、どうして俺なんだ?」


 今の状況に合っているかわからないけど、やっと出てきた言葉がそれだった。


「あ、あなたは、あたしのために用意された人だから、あなたがあたしとこうして二人っきりなのは、たぶん仕組まれたこと、だからあたしは……」

「用意された人? 仕組まれた? な、何だよそれ……」


 ――ど、どうしてこうなったんだ!? 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る