new me!
いながわ みさ
「新しい私」
4月の、桜の咲き乱れる日。
中学校の入学式の日。
私は、『新しい私』を身にまとって校門を進んでいった。
ううっ。緊張する。
やっぱり小学1年生の入学式も小学6年生のときの卒業式の日も緊張したけど、中学生になるともっと緊張するな……
私は羽口琴菜。今日入学したばっかりの中学1年生。クラスは1年2組。
小学校にはない緊張感が凄まじくて、足がガクガク震えてる。
「大丈夫?琴菜。」
「緊張しすぎて、落ち着いていられない……」
私を心配してくれたこの子は川村音々って言って、私の親友。彼氏がいて、恋バナが大好きな女の子。
「私も緊張してるから大丈夫!」
そんなふうに言われると、本当に緊張してるの?って思ってしまう。
「あっ!琴菜、もうそろそろで入学式始まっちゃうよ!」
「えっ、本当だ。急がないと!」
そして私たちは駆け足で体育館へと向かっていった。
入学式が終わった後。
休み時間でみんながワイワイと話している時、音々が
「琴菜、同じクラスでよかったね!話それるんだけど、そういえばね1組の駒谷ってやつが華ちゃんのことが好きなんだって!」
きたっ。音々の恋バナアンテナ。
音々は、誰が誰のことを好きだとかがアンテナを立ててるみたいに分かるの。
だから私は『恋バナアンテナ』って呼んでる。
ちなみに、私たちは1年2組だから駒谷さんとは別のクラスだよ。
あ、音々が言ったか。テヘッ
「へぇ」
私が言うと、
「いいな〜モテるって。」
と、音々がぼやく。
(いやいや、そんなこと言ってるあなたこそモテてるじゃん!)
そんな私の心の声はしっかりしまって、音々に言う。
「音々だって彼氏いるじゃん!私は、そっちのほうが羨ましいよ。」
それを聞いた音々は首を振って、
「いやね、彼氏がいたって楽しいことばっかじゃないんだよ。」
音々はすかさず
「最近なんて、浮気しそうな雰囲気でこっちがビクビクしてるぐらいだもん。」
なんか気の毒になってきてしまった。音々、ちょっと悲しそう。
「そっか。彼氏がいても良いことばっかじゃないのか〜」
私はんんんっと背伸びをしながら言う。
「帰ろっか。」
「そうだね。」
そんな他愛のない話をして、私たちは家に帰った。
―翌朝。
まだ少し肌寒い春の空気をまといながら、私は一人で学校に登校した。
朝早くに家を出たから、人通りは少なくて辺りはしんとしている。
私は小学生の頃からこの静けさが好きなんだ。
まだうろ覚えの通学路を思い出しながら私は考え事をする。
(そういえば昨日の放課後、3組のクラスの辺りに人だかりができてたような……)
まあ、ちょびっと見ただけだからよくわからないけどね。
その時、私はまだ知らなかった。この疑問が私を大きく動かすことになるとは考えてもいなかったんだ―
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