師匠に弟子入り

ごとうもろい

師匠に弟子入り

社長の素晴らしい本に感想文を書くように命じられて、私は全てが馬鹿馬鹿しくなった。そこで師匠に弟子入りすることにしたのだ。

師匠は私に何も言わなかった、すくなくとも意味のある言葉は。そこで私は師匠の動作を観察し、真似をすることにした。


師匠は足を舐め、常に身ぎれいにしていた。私もそうした。

師匠は退屈な話にはあくびをし、動くボールの方に飛びついた。私もそうした。

師匠は一日の大半を寝て過ごした。私もそうした。

師匠は愛する人には鼻をこすりつけた。私もそうした。


私の収入はずっと減った。でも以前よりずっと幸せを感じた。


愛する人との間に娘が出来た。私は結婚することになった。私が人生でたどり着いたのは師匠だった。娘には教えようと思う。師匠に弟子入りすること。また、またたびは常に絶やさないことを。

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師匠に弟子入り ごとうもろい @moroi

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