【第八章: 少しのすれ違いと、深まる絆】

秋が深まる頃、少しだけすれ違いが起きた。

あかりのテニス部が全国大会予選で忙しくなり、練習が遅くまで続く日が増えた。一方、健は相変わらず朝の遅刻を繰り返し、しかも街での人助けがエスカレートして、怪我を負って帰ってくることもあった。

ある日、健が腕に絆創膏を貼って学校に来た。あかりは心配して、

「どうしたの? また誰か助けて……?」

健は笑って誤魔化す。

「大したことないよ。ちょっと転んだだけ」

でも本当は、酔っ払い同士の喧嘩を止めに入って軽い擦り傷を負ったのだ。

あかりは少し寂しくて、

「私、最近忙しくてあんまり会えなくてごめんね。でも、健くんも無理しないで。私、心配だよ」

健はあかりの手を取って、

「俺こそ、ごめん。あかりが頑張ってるのに、俺はいつも遅刻ばっかで……でも、あかりのこと考えると、もっと強くなりたいって思うんだ」

二人は屋上で抱きしめ合う。冷たい風が吹く中、お互いの温もりだけが頼りだった。

その後、あかりは少し練習時間を調整して、健との時間を大切にするようになった。健も、できるだけ危険な人助けは控え、朝は少し早起きを頑張るようになった(それでもたまに遅刻するけど)。

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