【第六章: 初めてのデート】

週末の土曜日。初めての正式なデートの日。

待ち合わせは、街の小さな公園。健は少し早めに着いて、ベンチで待っていた。普段の制服ではなく、白いシャツにデニムというシンプルな服装。でも、目つきが鋭いせいで、通りすがりの人が少し遠巻きに見てしまう。健はため息をつきながらスマホをいじる。

そこへ、あかりがやってきた。淡いピンクのワンピースに、髪を下ろして、少しだけメイクをしている。いつもポニーテールのあかりが、こんなに可愛らしい姿だと、健は一瞬言葉を失う。

「……あかり、めっちゃ可愛い」

素直に呟くと、あかりの顔が真っ赤になる。

「そ、そんな……健くんこそ、制服以外初めて見たけど、かっこいいよ」

二人は照れながら手を繋ぎ、まずは映画館へ。恋愛映画を選んだが、健は最初少し気恥ずかしがっていた。でも、物語が進むにつれて、自然とあかりの肩に手を回す。暗い館内で、あかりが健の胸にそっと寄りかかる。映画が終わった後、外に出るとあかりが言った。

「最後、泣いちゃった……」

健はハンカチを差し出しながら、優しく笑う。

「俺も、ちょっとウルっときたよ。あかりと一緒に観れてよかった」

その後はカフェへ。窓際の席で、ケーキをシェアしながら他愛もない話をする。

「健くん、将来何になりたいの?」

あかりの質問に、健は少し考えて答える。

「うーん、決めてないけど……人を助けられる仕事がいいかな。警察とか、消防とか」

あかりの目が輝く。

「似合うよ。健くんは絶対正義の味方だもん。私、応援する」

健は照れ隠しに、あかりのフォークで取ったケーキを「あーん」と口元に運ぶ。

「え、ちょっ……!」

あかりが慌てて食べる姿を見て、健は幸せそうに笑う。

夕方、公園に戻ってベンチに座る。夕陽が二人の影を長く伸ばす。

「あかり」

健が少し真剣な声で呼ぶ。あかりが顔を上げる。

「付き合ってくれて、ありがとう。俺、目つき悪いし、誤解されやすいし……あかりみたいな子が相手してくれるなんて、夢みたいだ」

あかりは健の手をぎゅっと握る。

「私こそ。健くんの優しさ、本当の健くんを知れて幸せだよ。これからも、ずっと一緒にいようね」

健はそっとあかりを抱き寄せ、初めてのキスをする。柔らかくて、甘い時間。公園の風が、二人の髪を優しく揺らした。

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