アダルトチルドレンの育て方

あだちのち

⓪白い部屋で独り

真っ白な部屋で小さい頃の僕が泣いていた。


その子は大きくなった僕の服の袖をクイっと掴んでは、

睨むようにこちらを見てきた。


大きくなった僕は逃げ出そうとするが、小さな僕が離してくれない。


母親は優しくしてくれるし、


父親だって僕に常にベストな環境を与えてくれる。


おじいちゃんだって欲しいものを買ってくれるし、


友達と遊びに行くことだってあるんだ。


今では僕のことを好きでいてくれる彼女がいる。


それの何が不満だって言うんだ。


僕は幸せ者だ。


彼女の前で素顔を出せなくても、


たとえ友達が陰口を言っていようと、


おじいちゃんが街中の嫌われ者だろうと、


父親から罵声や暴力を浴びせられても、


母親が隠れて泣いていようとも。


僕は幸せなんだ。僕は本当に恵まれているんだ。


何度も言い聞かせようとしたが、




僕の意識はそこで途絶えた。

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