②人と競い合いたくなんてない-薄っぺらい笑顔-
理科の教科書が発端に、僕の周りの環境は変化していった。
幼稚園の頃から関係性を保つ努力をしていた、
たか君との関係も同時期に崩壊し、
1クラスしかない教室の男子全員から無視をされるようになっていた。
学校も習い事も父親との関係うまくいかず、
仲良くしてもらっていたおじさんも亡くなり、
限界なんてすでにきていた僕に母は、
「もう辞めよっか」と提案してくれた。
僕は情けないくらい涙を流しながら首を縦に振った。
小学6年生の夏、何もかも投げ出した僕は、
開放感と罪悪感とともに、次は何が起きるのだろうと
とても臆病になっていた。
でも、嬉しい出来事もあった。
学校行事はそれなりに楽しかったし、冬にはたか君と和解することになる。
ただ楽しい事があった日、家に帰るとストロングゼロを数缶開けた父親がいて、
情けない息子の僕はひたすらに怒鳴られる日々だった。
嬉しいことがあった日には必ず父に怒鳴られる。
そんな毎日を繰り返していた僕はいつしか、
「次に起こる最悪」を常に考えるようになっていた。
先生からの褒め言葉も、友達と過ごすかけがえのない時間も、
純粋に受け入れることができず、
今日も笑顔の裏で最悪の未来を思い描く。
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