この雨が、僕たちの壁を崩すなら

たーたん

 ベッドの上で私は寝起きの彼に抱きつく。汗と熱で布団の中のシーツは蒸れ、外にはみ出した昨夜の痕跡は、部屋の空気に取り残されていて、足先で触れるとひんやりと冷たい。

 柔らかな胸に耳を当てる。とくんとくんと、心臓の音が心地いい。彼の体温、呼吸で上下する緩やかな振動、鼻と口から漏れる吐息は私の耳元をくすぐっているみたい。手を握って親指で優しく撫でられる感触。日向ぼっこしてるみたいに気持ちよくて、また眠くなってきてしまう。


「今日も暖かい。晴れ、かな?」

「うん。いい天気だよ。今日は外食しに行こうか。会社の同僚から美味しいって評判のオムライス屋さんを教えてもらったんだ」

「楽しみ」


 彼の手に浮き上がる血管を指を這わせるのも好き。二の腕の裏まで進めると、くすぐったそうに笑う。そのあと、軽く抱き返される。そっと背中に回してくれる手も、櫛のように指先で髪を撫でる感触も、どれもが優しくてくすぐったい。


 朝のこの時間は、私にとってとても大切な時間だ。

 私は天気を予想する。

 彼は天気を答える。

 そうすることが、彼と私のコミュニケーションだった。


 *


 私は合鍵を持っているので、仕事が終わると彼のアパートに寄るのが日課だ。今日は彼の帰りが遅い。私は朗読アプリを聞きながら帰って来るのを待っていた。

 

「ただいま」

「おかえりなさい。お疲れ様。今、飲み物用意するから待っててね」

「ありがとう。今日はビールがいいかな。ロング缶」

「ビール……、おっきいやつだね。うん、わかった」


 私は冷蔵庫の中から背の高い缶を取り出す。疲れているのだろう、ソファの上でくしゃりとなる上着の音が聞こえる。私は、「はい、どうぞ」と彼に聞こえるよう少しだけ声を大きくして手渡した。いつもより彼の受け取る手が早い。


「ありがとう」


 彼の喉がこくこくと鳴り続ける。よっぽど喉が渇いていたのだろう。美味しそうな顔をして、一生懸命に飲む姿を想像しながら耳を傾けていると、なんだか可愛くて微笑ましい。「頑張ったんだね」と彼を労うと、缶をテーブルに置く音の大きさで彼は返事をした。


「今日は曇り空だったよ」


 彼の声は低く、元気がないようだった。


「そっか……風が少し冷たかったもんね」


 私は彼の隣に腰を下ろし、手繰り寄せるように抱き寄せる。彼は私の中で力弱く呟いた。


「雨が降りそう」

「それじゃ早くお家に帰らないとね」


 彼は返事をせず、私の胸の中に顔を伏せたままゆっくりと押し倒した。冷えた彼の体を少しでも温めようと私は彼を抱きしめる。彼はぽつぽつと、降り始めの雨のように私の体に唇を落としていった。彼の動きに合わせるように私も彼の細く、綺麗な首筋に口づけを繰り返す。控えめだった雨粒が跳ねる音は、徐々に音も回数も大きくなる。部屋の中に激しい雨音が降りしきる。


「君に包まれているだけで幸せ」

「晴れてきた?」

「うん。でもまだまだ足りないかも」

「じゃあもっとしてあげる」


 お互いの肌の感触が、どちらのものかわからなくなるくらい抱きしめ合う。

 そうしていつも、決まって最後に彼はこう言うのだ。


「ごめん……」


 *


 今日はお家デートだ。明日は休日なので、お泊りセットを抱えてお昼過ぎに彼の家に来た。彼と一緒に聞く音楽も、彼にプレゼントしてもらった服も着て来たし、気に入ってくれている肌着も身に着けてきた。


「そっか。急にお仕事入ったんだ……、うん。私は大丈夫だよ。待ってるね。うん、お仕事頑張って」


 彼は留守だったので電話してみると、会社に急に呼び出されたらしい。バタバタしていて連絡する時間がなかったと謝られたが、それは仕方がないことだ。私はイヤな声を出さずに彼を応援する。私の声で力になってもらえたのなら嬉しい。

 そうだ。返ってきたらマッサージをしてあげよう。彼はくすぐったがりだからちゃんとできないかもだけど、彼が気持ちよさそうにする場所も少しずつ覚えてきた。精一杯、疲れた体を癒してあげなくちゃ。


「……」


 私は彼の匂いが残るクッションを抱きしめながらソファに腰かける。日当たりがよく私のお気に入りの場所だ。ぼーっとしているとつい、うとうとしてしまう。



 ――彼との出会いは雨の日だった。傘もレインコートもない私は、突然降ってきた雨から逃れ、途方に暮れながらコンビニの前で雨宿りをしていた。


「あの、すみません。良かったらこれ使ってください」


 そう声を掛けてくれたのが彼だった。


「コンビニで売ってたカッパです。安いので心もとないですが」


 私は遠慮したが、彼の声は静かで温かくて、心の中に晴れ間が差したようだった。つい厚意に甘えてしまった私は、お礼をするために再び彼とコンビニで会う。そこから、少しずつ彼との距離が近づいていった。

 彼は、なんというか、凄く……優しかった。もちろん親切な人や優しい人に沢山助けられてきたけれど、彼からはまた違った優しさを感じたのだ。それに彼は積極的で、こんな私に熱心にアプローチしてくれる日々は夢みたいだった。彼に初めて触れた時、爆発しちゃいそうになるくらい全身が熱くなってようやく自覚したんだ。

 私は、触れられることに飢えていた。


 ただ、彼も、私も。

 お互いに自分の気持ちを打ち明けたわけじゃない。体は重ねるけど、心の奥までは重なりきれてない。どうしても伝えきれずにいた。


 心と体が満たされるほど余計に解離していく理想と現実は、向き合わせるに手が届かないくらいにかけ離れてしまったかもしれない。


 いつまでもこんな日が続けばいい。私はもう、雨に打たれたくない。


 ――西日が目元を刺激する。

 浅い眠りから覚めると、いつの間にか離れてしまったクッションを探した。近くにあったのでぎゅっと抱きしめると彼の匂いがしてたまらなくなる。


「おはよう」

「え、あっ、おかえりなさいっ。私、つい……」


 彼は帰って来ていて、すぐ近くから声がした。


「ぐうぐう気持ちよさそうだったよ」

「や、やだぁ……。起こしてくれてもよかったのに」


 いつもなら彼の優しい笑い声が聞こえるのだが、今日はなんだか空気が重く感じた。空気で伝わってくる。きっと辛いことがあったのだろう。


「お疲れ様……」


 シャっとカーテンが閉まる音がする。


「今日は土砂降りだった」

「ほんと? 本当に大変だったんだね。私でよければ話、聞くよ?」

「……話、か」


 プルタブが開く。彼はお酒を飲んでいるようだ。彼からお酒の匂いがしていたので、どうやらもう何本も飲んで酔っているようだった。声色がふわふわと漂っている。彼の肩が私の腕に触れると、私の肩を力強く抱き寄せた。言葉を交わす間もなく唇が重なる。苦みのあるキスだった。彼の体重がいつもより重く感じる。


「すごい雨だね」

「しばらく止みそうにない」

「大変……」


 最近の彼は悩み落ち込んでいるようだった。言葉数も少なく私を求めてくるのは、彼が少しの間でも逃げ出していたいからだろう。それが彼にとって一番の方法だと知っている。それに、どんな状況であっても、彼に求められるのは嬉しい。私の声と指先、彼の動きに合わせる私の火照った肌は、逃がすまいと懸命に彼を受け入れている。「雨が空っぽになるまで雨宿りしていこう?」、と囁きながら彼と一緒にベッドのシーツの中に深く沈んでいった。


 *


 翌朝。ひんやりとした空気で目を覚ます。隣に彼の気配はなかった。リビングから、「くそ!」と彼の声と一緒に、何か硬いものが壁にぶつかる音が聞こえた。私はベッドから這い出す。足元に感触があった、雑に脱ぎっぱなしのパジャマに急いで身を通すと、壁伝いにリビングへ向かった。


「おはよう」


 私の声に、彼が小さく舌打ちをしたのが聞こえた。


「まだ雨は降ってるのかな?」

「見ればわかるだろ……」

「あ、うん。そ、そうだよね。ごめんね」

「いやっ、違う、今のはそういう意味じゃなくて……」

「大丈夫だよ。お水、持ってこようか?」

「……ありがとう」


 ギシとソファが軋む。私は彼に水を持ってこようとキッチンに移動する。すぐにスリッパ越しに当たる感触がして屈んで触れ手に取った。彼のスマホかもしれない。ざらと液晶に亀裂が入っているような指ざわりだ。


「やっぱり、晴れないかもしれない」

「遠慮なく私に言ってね? 私はあなたの味方だから」


 彼の隣に座ると、沈鬱とした声で彼は言った。


「……ごめん、最近イヤなことが重なって」


 弱音を吐く彼を慰めようとそっと体に触れて、手首までなぞっていき指を絡める。


「ううん。謝らないで。どうしたの?」

「僕は……」


 するりと彼の指がすり抜ける。クッションが弾むと彼の声は遠ざかって行った。


「僕は――君に釣り合わない」


 耳を疑うような彼の言葉に息が詰まる。


「どういうこと……?」


 みしみしと胸が締め付けられて息が苦しくなってくる。

 それは彼が彼自身を否定する言葉だった。

 彼の声はいつものように静かに暖かく、笑っているように聞こえる。けど、言葉の節々から感じる彼の震える呼吸が、痛みに耐えているようだった。


「このままだと、僕は君を傷つけてしまう。僕と一緒にいちゃダメなんだ……」

「どうしてそんなことを言うの……?」


 彼の声が遠ざかってしまうようで思わず手を伸ばした。

 手のひらに伝わるのはひんやりとした部屋の空気だけ。


「君は僕の本当の姿を知らない! 僕はそれに甘えて、なった気で満たそうとしていた……。本当の僕は、卑怯で醜くて、どうしようもない奴なんだよ」


 本当の姿? 知ってる。知ってるに決まってる。


「今日は曇り空――」

「天気の話じゃないんだよ! 天気の話なんかじゃ……」


 また私を抱きしめて晴れが来るまで待てばいい。その想いを彼に伝えようとしたが、彼の大きな声は部屋の隅々まで反響し、エコーのように私の耳を貫いた。


「もう会わない方がいい」


 一方的な別れを告げられる。そんなの勝手すぎる。私の気持ちはどうするの?

 詰め寄って感情を口にしようと、懸命に声を絞り出そうとしたけど、ふと自分の愚かさに気づいた。


 彼に迷惑を掛けているのは、私の方なのだから。

 それでも。それでも私は――。


 言いかけた言葉を飲み込む。


「うん」


 頷くしかなかった。彼の重荷になるのは私だって望んでいない。

 彼の人生を私なんかで引き延ばしちゃいけない。


「今まで……ありがとう」

「……」


 彼が空気を吸い込んだ声が聞こえた。けど、その先に続く言葉はいつまでもなかった。外に出ると天気は雨だった。まだ大事に家にある彼がくれたレインコート。持ってきてなくてよかった。


 *


 彼と会わなくなって数週間が経った。

 今も胸の中にぽっかりと穴が開いている。空虚のような穴を埋めるような楽しいことなんて一つもなかった。仕事ではやっかみがられ、家族には余計に気を遣われている。


 これでよかったんだ。そう思わなくちゃ。

 今までに戻っただけのこと。今までだって一人だったんだ。暗い世界を一人で歩いた。そうやって生きてきたじゃないか。


「う……うぅ」


 公園のベンチに座ると涙が止まらなくなった。ぽつ、ぽつとまばらな小雨が一緒に泣いてくれるみたいで歯止めが効かなくなる。

 ひどい。ずるいよ。こうなるくらいなら人を好きになるなんて感情知りたくなかった! 抱き合って触れ合う肌の感触が、あんなに暖かくて満たされるものだったなんて知りたくなかった!


 息ができなくなるくらいのキスだって、知りたく、なかった……。


「風邪、引いちゃうよ」


 ふと、私の顔に雨粒が落ちなくなった。


「う……ぐすっ……」


 みっともなかったけど鼻をすすって、ごしごしと零れそうになる涙を袖で拭った。


「なん、でぇ……?」


 上ずった声の向こう。受け止めてくれるような気配はじっと私の反応を確かめているみたいだった。



 *


 彼女が通る道を僕は何度か見かけていた。邪魔にならないよう自転車をどかしたこともある。彼女はいつも寂し気な顔で僕の目の前を通っていく。

 ある雨の日のことだった。雨宿りしていた彼女の手には傘も何もなかった。体が勝手に動いて、コンビニでビニールのカッパを買う。会計の時も僕は何をしているんだろうと自問を繰り返していた。

 答えは簡単だ。声を掛けるチャンスだと思ってしまっていたんだ。


「コンビニで売ってたカッパです。心もとないですが」


 半ば強引に彼女に渡した。彼女は申し訳なさそうに受け取るとカッパを広げ着替えようとする。さりげなく手伝っていると「ありがとうございます」と何度も彼女は儚げな笑みを浮かべた。


「お兄さん、優しいんですね……」


 そう言われた瞬間、僕の頭はひっくり返った。

 今まで悩んできたことも全て、彼女に認められた気がしたんだ。


 きっかけは雨だったから、僕たちの会話は何かと天気の話題が多くなった。彼女は僕の体に触れるたび、まるで心の中を読み取ったみたいに天気に例える。僕もそれに応えると彼女は嬉しそうに笑うんだ。


 彼女と体を重ねるたび、彼女が遠慮しているのが分かる。彼女は僕の上半身しか触れないし、一歩踏み込んだ行為を僕も出来ていない。彼女はわかってる。その上で僕を見てくれている。それに比べて僕はどうだ。シャワーを浴びて鏡を見るたび自分じゃない誰かに見える。


「ごめん……」


 それは口癖になって、吐き出すたびに彼女を傷つけてしまっていることに僕の頭はどうにかなってしまいそうだった。



「ご、ごめんなさい……。あなたに向き合ってなかったのは私だった」


 傘を差してくれたのは彼だ。声と匂いで分かる。肌で、彼の存在を感じる。


「わっ、私を見てくれることが嬉しくて! それだけが、嬉しくて……、私はあなたに押し付けちゃってた……。本当に、ごめんなさい……。私は、私のことしか考えてなかった。う……うぅ……」


 私の踏み出した一歩も、彼を分かったうえでだった。彼が彼じゃなかったら、たぶん、こうはなってなかったかもしれない。つくづく私は卑怯な女だ。彼が私を離すわけない、私だから彼を認めてあげられるなんて、ひどいことを考えていた。許されることじゃない。


「私はあなたのことが好き……! 好き、です……」


 あなたに突き放されたことが辛かった。私なんかじゃダメなんだって、毎晩泣いていた。彼は私の太陽だったのに。彼の近くにいるだけで、心が晴れたみたいな光を感じていたのに。


「……」

「あなたを苦しめるだけかもって思うと何も言えなかった……。あなたは自然体で私に優しくしてくれる。バカな私は、それが当たり前だって勘違いしちゃってた。あなたがどんな想いで、私を見てくれていたのか考えようともせずに、あなたに抱きしめられる温もりに甘えてただけなの……」


 私はぐしゃぐしゃのみっともない顔で泣いているだろう。


「ぼ、僕も……!」


 私の言葉を遮るように彼の声が空気を裂いた。

 私と同じくらい涙が混ざった声を聞いたら、私の涙はもう止まらなくなる。


「僕も君のことが好きだ!」


 私たちは怖かった。

 一歩踏み出す勇気がなかった。

 現実に目を逸らして、求めあうことで補完し合ってた。


「君は何も悪くない。僕が、君の優しさに甘えていただけだったんだ」


 彼の声は、風にさらされた蝋燭のように心もとなく揺れていた。その風に晒されながらも、揺れの中に決意の光が込められているように聞こえた。


「そんな自分が許せなかった。僕のせいで君にまで必要のない傷を負わせてしまうことが悔しくて……。君は僕のことを理解してくれていたのに、肝心の僕は、ただ君を求めることしかしなくて、自分の寂しさを埋めようとしてた。どうしようもない奴なんだ……」

「ううん。そんなのなんてことない! 私の方があなたに迷惑ばかり掛けて……」

「それこそ違う! 君が傍にいてくれるだけで、どれだけの勇気をもらえたか……」


 彼と私の言葉がぶつかって沈黙が流れる。頬を掠める風が私の胸元まで潜っていき、熱くなっている胸の鼓動をそっと包み込んで落ち着かせてくれる。


「これだけは言えるの……。私は、あなたがだとしても傍にいたい。あなたの邪魔にならないようにするから、どうか……近くにいさせてください……」

「ああぁ……。僕だって、君の傍にいたい……。いたいよ……」


 お互い見せ合えない壁があった。

 その事実を相手に背負わせたくなかった。

 体が触れあうとそのことを忘れられた。

 だから、思い出さないように気持ちよさの中にずっと逃げていた。


 それは、ただの現実逃避に過ぎず相手を思いやる気持ちには至ってなかった。自分だけが背負うとか、相手の足枷になるとか。二人が二人を認めるなら、言葉で相手の心の中まで触れて、理解し合わなくちゃいけない。

 今になってそのことに気づいた。

 それが誰かを好きになるってことだったんだ。


「あの時はひどいことを言って、本当にごめん」


 私は彼に分かるように大きく首を振って、「ううん」と伝えた。

 彼が空気を吸い込んだ声が聞こえる。今度はその後に言葉が続くんだと、そんな予感がしていた。私はじっと彼の方を向いて、息遣いを逃すまいと耳を澄ませた。


「僕は、本当に君のことが好き、なんです。……君と離れるなんて、もう二度と言わない。だから、僕と……付き合ってください」


 ぽっかりと開いた穴は、彼の光で埋まっていた。

 どくどくどくと、新しい鼓動が生まれては激しく私の中で脈を打っている。

 光の粒はいつか見た星空みたいに瞼の裏で瞬くと、一瞬にして視界一杯に広がっていく。世界の輪郭が象られ、中心に立つ彼の形が見えたような気がした。


「――はい。私もあなたが好き。大好きです」

 

 飛び出しそうになる気持ちを堪えながら私の全てを彼に伝えた。


 彼が傘を閉じる音がした。

 空から落ちる雨粒も、私から漏れだす涙だって、とっくに止んでいた。


「今は、曇り……かな?」

「ううん。晴れ間が出てきた。いい天気」

「そうだね。あなたの表情も見なくてもわかる」


 私は手を伸ばすと、彼の手が私を支えてくれる。


「太陽みたいにあなたは眩しい顔で笑ってる。私にはちゃんと見えるよ」

「君の顔も朝日の光みたいに綺麗だ。僕の大好きな笑顔だよ」


 ふふ。

 そっか――


 あなたと私は太陽同士だったんだね。

 なんだか口に出すと恥ずかしいね。


 けど、そう思い続けて、

 あなたの隣で歩いて行けば、

 君の傍で笑い続けていれば、



 この晴れが、私たちの壁を崩すから。





(了)

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