檻の中の鬼
wkwk-0057
一日目
俺がソイツにあったのは20○○年7月15日だ。
鉄格子を挟んで対面した。
虚ろな瞳でこちらを見ている少女
聞いていた話とは違う。
「中には怪物がいる」
そう聞かされていたはずなのに中には10歳ばかりの少女がいた。
コイツを見ていると自分の子供を思い出す。
もう……自分の娘は20歳になる頃だ。
だが俺の記憶の中では10歳で止まっている。
俺が仕事に行くとき
「いかないで」
なんて言われたこともあった。
なつかしい。
元気にしているだろうか。
俺は一昔の思い出を頭の片隅に片付け、やるべきことをする。
「ほらよ、飯だ」
トレーに乗せた質素な料理を受け渡し口から入れる。
するとゆ俺がソイツにあったのは20○○年7月15日だ。
鉄格子を挟んで対面した。
虚ろな瞳でこちらを見ている少女
聞いていた話とは違う。
「中には怪物がいる」
そう聞かされていたはずなのに中には10歳ばかりの少女がいた。
コイツを見ていると自分の子供を思い出す。
もう……自分の娘は20歳になる頃だ。
だが俺の記憶の中では10歳で止まっている。
俺が仕事に行くとき
「いかないで」
なんて言われたこともあった。
なつかしい。
元気にしているだろうか。
俺は一昔の思い出を頭の片隅に片付け、やるべきことをする。
「ほらよ、飯だ」
トレーに乗せた質素な料理を受け渡し口から入れる。
するとゆっくりと立ち上がりトレーを取り食事を始める。
がつがつと食べる姿に思わず笑ってしまう。
「嬢ちゃん、いい食べっぷりだな。料理は逃げねぇ。ゆっくり食べろ」
「ゆ……くり。ゆっくり」
そう言葉を小さく短く繰り返す。
そしてゆっくりと食べ始めた。
「偉いじゃねぇか。」
そう俺は言い地面に腰を下ろす。
「え……偉い……私……偉い?」
そのぎこちなく聞いてくる姿が娘と重なる。
「あぁ。偉い。ちゃんと話を聞いて出来た。十分偉い。」
少女は目を見開き、しばらく固まったまま動かなかった。
やがて、ぎこちなく、ほんの少しだけ口角が上がる。
――怪物、ね。
俺は鉄格子を見つめながら、心の中でそう呟いた。
少なくとも、俺の目の前にいるのは、ただの子供だった。
扉がノックされ終わりを告げられる。
「嬢ちゃん、すまねぇなもう帰って寝るわ」
「ね……寝る……バイ……バイ?」
「……いや、バイバイじゃねぇな。
"またな"だ。また明日も来る。」
「ま……またな?……またな!」
俺は腕を伸ばし頬に触れたくなった。
自分の子供と同じ年齢だったからだろう。
そういい俺は思い二重にもなっている扉を開け研究者と対面する。
「この紙に記録を」
そう白い手袋に持っていた髪を俺に渡してきた。
―――――――――――――――――
《記録用紙》
・様子:大人しい少女。
・言語能力:低め
―――――――――――――――――
俺は一言づつ書き研究者に渡す。
「ご協力ありがとうございます」
そう軽くお辞儀をして白い部屋に消えていった。
残された俺は顔を素手で覆い、深呼吸をする。
「帰るか……」
そう言い俺は左にある出口から外に出る。
刹那、風が俺と強くぶつかる。
暗い闇の中でポツポツとマンションや、オフィスの電気が漏れて見えていた。
俺はあくびをして伸びをする。
そして1日は幕を閉じた。
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