2分間の物語
Algo Lighter アルゴライター
路地裏のプラネタリウム
コンビニの袋が 膝に当たる音だけが
深夜の国道に 不規則なリズムを刻んでる
ショーウィンドウのガラス ふと映り込んだ影法師は猫背で歩く 名もなきエキストラのよう
「世界は誰かのために回ってる」なんて
偉い学者が書いた 嘘くさい定説(セオリー)
じゃあ このすり減った踵(かかと)の痛みは
誰の物語の 何章目にあるというの?
私たちは 銀河の端(はし)ではぐれた星屑
台本(シナリオ)なんてないまま 暗闇を泳いでる
それでも 今日を生き延びた その呼吸の白さが
街灯に照らされて 確かな星座になる
誰も見ていなくても 君はそこで光っている
自販機の温(ぬる)いコーヒー 指先で弄(もてあそ)んで「幸せ」の定義を ネット検索してみる
派手な成功とか ドラマみたいな恋だとか
スクロールするたび 自分が透明になっていく
本当はもっと 単純なことだったはずだ
雨上がりのアスファルト 懐かしい匂いがしたとか
あなたが昨日の夜 「おやすみ」と言ってくれたとかそんな 砂金のような きらめきのこと
涙で滲んだ視界も 悪くはないさ
ぼやけた街の灯(ひ)が 宝石箱に見えるから
縦糸に孤独を 横糸に微かな希望を
織り込んで 私たちは 今日という服を着る
誰かと比べるには この命は愛しすぎる
悲劇のヒロイン気取りは もうやめにしよう
スポットライトが当たらなくたって
私が私の 一番の観客であればいい
見えないものを見る力が 明日(あす)を連れてくる
私たちは 銀河の端ではぐれた星屑
ぶつかり合い 傷ついて 欠片(かけら)を光らせる
「特別じゃない」日常に 隠された魔法
ポケットの奥底 クシャクシャのレシートの裏
書き留めた夢だけは 決して嘘をつかない
コンビニの袋が カサリと鳴った
見上げれば 雲の切れ間
月がひとつ 静かに 笑っていた
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