打ち切られたヒーローは賞味期限切れで異世界に帰ってきた件について。
イミハ
第一部 復活したおにぎりマンとバ〇オの愉快な仲間達
第1話 打ち切り明け、ゾンビ再登場
――人は、打ち切りを経験すると二度死ぬらしい。
一度目は物語の中で。
二度目は、作者のやる気が尽きた時に。
そして俺――おにぎりマンは、
なぜか三度目を迎えていた。
理由は不明。
伏線も説明もない。
ただ一つ確かなのは、
俺は賞味期限が切れている。
身体はゾンビ。
中身はおにぎり。
腐敗と炭水化物のハイブリッド。
正義のヒーローとしては、最悪の状態だった。
俺が立っていたのは、
ラブーンシティ警察署。
名前の時点で治安が終わっているが、
実際もっと終わっていた。
街全体が、
「なんか…いやらしい」
という感情に支配されている。
理由はEーウイルス。
感染すると理性が溶け、
ゾンビ化し、
ついでに欲望がダダ漏れになるらしい。
――ゾンビなのに、
変な意味で生き生きしている。
俺も例外ではなかった。
というか、
完全に感染済みだった。
その時だ。
ガチャ、と警察署の扉が開く。
「……ここが、ラブーンシティ警察署?」
現れたのは、
今日付けで配属された新人警察官。
名前は
ムリ(ッ)ス。
カッコを含めて本名らしい。
もうこの街に来た時点で、
人生がムリ(ッ)スだった。
ムリ(ッ)スは一歩踏み出し、
署内の空気を吸い――
「……なんか……
空気が……
いやらしい……?」
気づくのが遅い。
俺はその背後に立っていた。
ゾンビおにぎりマン、
賞味期限切れ、
打ち切り帰り。
「……オニ……ギ……」
噛みつこうとした瞬間。
バァン!!
乾いた銃声。
胸に穴が空いた。
「あ……」
思ったよりあっさりだった。
ムリ(ッ)スは震える手で銃を構え、
倒れた俺を見下ろしていた。
「す、すみません……
ゾンビだと思って……」
――正解だ。
俺は床に倒れ、
再び死んだ。
三度目の死。
だが、物語はここでは終わらない。
なぜなら、これは異世界ファンタジー長編ギャグ小説だからだ。
ムリ(ッ)スは、
警察署の奥にある
存在してはいけないはずの扉を見つける。
古びた扉。
鍵穴はない。
なのに、開いている。
扉の先には――
謎の洋館。
「……マニュアルに……
こんなの……」
ムリ(ッ)スは、
完全に嫌な予感を覚えながら、
その一歩を踏み出した。
その背後で。
床に倒れていたはずの
俺の指が、
ピクリと動いた。
――帰ってきたぞ。
打ち切りの向こう側から。
どうなる!!?
おにぎりマン!!?
そして、ムリ(ッ)スの人生!!?
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