【自認や自称が健常者】な奴は大嫌いという話 長月 黒3,365字

長月 空ーナガツキ ソラー@チーム長月

長月 黒という男の本質

 おは黒(お歯黒やのらくろでは決してない笑)


 新年早々、人によっては共感しづらい話をする。

俺は健常者が嫌いだ。特に自認や自称が健常者な奴は大嫌い。心の底から軽蔑している。


 空始め俺らは健常者では無く精神障害者。

世間様でマイノリティでは無くなりつつ有るかも知れないが、まだまだ差別や誤解は多い。多過ぎる程に。

健常者と障害者では障害の有無や悩み、サポートする側される側と色々有るのも理解出来るが、これはそんな話では無い。

単に健常者からの障害者への目や態度に明らかに俺らとして我慢ならないモノが多いんだ。

それも過去の話ではなく、今現在この瞬間も、だ。


 双極性障害で芸能活動を休んでいるHさん。

この人は少し前から統合失調症か双極性障害、そうでなくとも何らかの精神疾患を抱えていそうだとネットには結構上がっていた。

実際かどうか判断しかねたが、その内容を本人がやっていたのであれば確かに、と思う行動だった。

 彼女が実際にニュースになった時、精神障害者界隈は揺れた。

特に同じ診断をされている双極性障害の人や支える周りの人たちは戦々恐々としていた。自称健常者からの好奇の目、侮蔑、嘲笑、非難は結構酷く引用合戦も時に見られた。エアリプはもっと多かったが…


 これなのだ。

知らぬモノに対し好奇を向けるのは良いと思う。

俺も知りたいと思えば似た視線を向ける気がする。理解した上で配慮の有る行動をするなら問題無いと思う。

被害に有った方からの声は耳を傾けるべきと思う。

それは被害者からの肉声と訴えなのだ、俺としても人の振り見て我が振り直せ、と自分を改めたい。

 しかし実際の当事者や被害者ですら無い連中が、理解しようともせず外から勝手に想像して、勝手に理屈こねて、勝手に俺らを値踏みし非難する。


「実は健常者、嫌いなんだよね…」

と漏らす過去の空に空の兄は言った。

「そうゆうのやめよう?健常者とかさ。同じ人間じゃん。少なくとも俺からしたらそうだよ」


 この時の空は何も言わなかったらしい。が俺としては言いたい。

「同じ?ニンゲン?あんな連中を同じ人として扱う事なんて俺には出来ない。アイツらは俺以上に人でなしだよ」


 実際、母親は日頃から俺の同居人である椿への執着が酷いがそんなのはお飾り。

酒によって暴かれるその姿が奴の本性。

あまり強くない癖に吞み続ける。

椿は(あぁ、またアレが来る)と身構える。


 しばらくして母親が

「この家には盗聴器が仕掛けられている!!」

「近所の〇さんと父ちゃんは通通で、私を陥れようとしている!!」

「近所の子供がエアガンで私を打ってきた!私は避けた!!」

ウチは三階で庭が一階にあるから、その分近所は遠い。

射程範囲内に入れるならガスガンレベルのモノが必要と思う。


 そんなヤツはヒステリー起こしながら暴れ、皿を割りまくる。

次の日に自分で踏んで切れてるなんてのは茶飯事。

 奴の一番の罪は【病院への受診を一切拒否】する事と俺は思う。

どうやったって奴の言う言葉に全部は信憑性を持たせられない。

 残念ながら異常性としてはこれでも温い方。


 貰い物の酒(特に赤ワインが好きらしい)を呑むと誰にも止められない。

 会社帰りの父親に過去の全てを問い詰めていく。

金、暴力、離婚。夫婦の終わりを詰めた言葉が絶えず叫ばれていて、内容以外でも椿を追い詰める。

 回答が既に出たモノ、父親が逃げて解決して無いモノどれもこれも綯交ぜにして全部過去の一から今に至る(中には関係ない近所の噂話)迄をぶつけ続ける。

 そこに相手が居ようが居まいが関係は無く、独り言を延々言い続ける。

独り言なら可愛いが、叫び暴れ父親の寝室の襖を勢いよくバーン!!!と開け放ち叫ぶ。


 やがて父親が付き合いきれぬと自分の部屋で寝た後こそが、本当の地獄の時間。

椿の部屋の襖がいきなり明け放たれ、衝撃音と光が差し込んでくる。


 今ようやっと起きたのを装う椿。

そして自ら母親の前に座る。正座で、だ。

母親からの罵倒や悪口の全てを肯定し受け入れている(ような)言葉を返す。

 母親は延々と被害妄想か何かも分からぬ妄言を椿にぶつけるが、奴の目を見つめ、言葉全てに間髪入れずに肯定をしないとビンタが飛ぶのだから必死に来る言葉と返すべき言葉を予想し続ける。

 余談になるが、つい最近俺や心理士さんとの会話から体罰が有ったと思い出す迄は本気で其れを知らなかったようで、その事実を知った瞬間寝込んだなんてことも有った。


 体罰も良い。怒鳴られるのだって自分の事なら別に慣れた。

しかし奴は椿の大切迄をも貶し続けるようになった。

「あの子は男を取替え引替えして頭オカシイ」

俺からすればオカシイのはお前のみだ。


「あの娘は女の癖に化粧もしない。男みたい」

お前もしない癖して棚上げも良い所。


「父親と近所が私(母親)を陥れようとしてる!」

そんな事実は無い。お前のコミュ症が原因。


「この家は盗聴器が仕掛けられている!!」

何を持ってそう思ったか知らんが、だとしたら何らかの被害に遭っているだろう。お陰様で俺も椿も全てに於いて疑心暗鬼だ。


 これは何度となく繰り返される。

父親が寝た20:00〜母親が寝る04:00迄ずっとだ。

我が子の反応が少しでも遅れれば奴にとってボーナスタイムで、それを理由に怒鳴り付け、叩いてくる。


 次の日も中々に辛い。寝ゲロ吐いた母親の汚物を処理し、毛布を掛けておいた事実をやんわり伝える。

母親は

「そんな事は無い!自分で寝た!この嘘付き!アンタはいつもそう!」


 分かるか?この時、相手は素面なんだ。

この頃はもう酒を呑んだ母親と呑んでない母親の区別と切り分けは出来ていた。

 椿は偽善者だし俺も異常者だとは思うが、母親から何をされても次の母親には心からの笑顔で接するのだ。そうでなければ次の夜、より酷く悲惨になるから。

(呑んでない母ちゃんなら聞いてくれる。お酒も控えてくれる筈)

これは簡単に覆った。この椿気持ち【健常者様】は分かるか?


 外では良い顔をし評価されながら、家庭内では九州男児と長男様々を拗らせまくったDV屑男の父親。


 椿がどんなに成績を上げ、表彰され、賞賛されようが、謙遜では無く本気で蹴落としてくる上、家でタガが外れりゃ只の頭オカシイヒステリー女なだけの母親。


 そんな奴等に育てられ歪み、不良友達を選び高校中退したのをコンプレックスにしていて、酒呑む度に政治の腐敗も絡めてやはり暴れ周り、辺りを穴と血だらけにする兄。

ああ、そうそう。

兄貴からは身体が浮き上がっても尚、首を絞め続けられた事もあったか。

発端は俺の悪戯だし、其処に至る迄に受けた彼の毒も相当な物だろうから、恨んではいるがぶつける気も無い。

何より俺を苦しめるのは呼吸出来ない、や痛い、では無い。

兄貴の顔だよ。あの時、自分に向けられた怒りという感情の全て。

殺意も有ったろうな。

見た父親が慌てて止める迄、俺の足は地に着かなかったのだから。



 そして、家族ごっこと呼ぶのも烏滸がましい、其れ等を反面教師にする為、アレ等の嗜好する酒と煙草を完全に自らに禁じた俺と椿。


 この中で【精神障害者】と診断されているのは俺と椿だけ。


 理解出来るのか?

【健常者様】は俺等の環境も思いも想いも行動も全て潰され続けて耐えて、酒も煙草もやらない。

だというのに用法用量通りの服用を忠実に守っても幻覚、幻視、幻肢痛(のような症状)、震え、誤嚥(エビリファイの副作用に多い)、呂律が回らない、悪夢に魘され続ける何てのが急に襲ってくるこの【精神障害者】の延々と続く日常が、理解るのかよ?


 この辛さをどこにもぶつけてはいけないまま生きなきゃなんない【椿】や【俺】の気持ちを【お前ら】は【理解出来る】のかよ!?


 だから嫌いなんだ。【自称健常者】、【自認健常者】は。

あんな偽善者共は、全て等しく滅びれば良い。

俺はいつもそう思っている。


 全て等しく黒に塗り潰してやりたい。



 心理士なんて気に入るんじゃなかった!

長月の【縁】なんてとっくの昔に切れば良かった!!

出逢わなければ、生まれて来なければ良かった!!!

其れを手放したく無いと、生きていたいと思ってしまった俺は、

其れこそ自分で自分に呪いを掛けたのだろう。


それは椿もまた同じ。冬馬も、空も、夏樹も。

……秋葉は分からないが笑


 辛く暗い日々は続いてしまう。

精神障害者の思いなんて置き去りにしたまま、残酷に時を進める。


 大嫌いだ。何もかも。大嫌いだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【自認や自称が健常者】な奴は大嫌いという話 長月 黒3,365字 長月 空ーナガツキ ソラー@チーム長月 @TATSUHAorKOTORA

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画