UMA娘

蟹場たらば

ニューネッシーはUMA、サテライトネッシーは馬

「新年あけましておめでとうございます」


「おめでとうございます。2026年もよろしくお願いします」


「いやー、今年もなんとか無事あきましたね」


「別にほっといても時間が来たらあきますけどね」


「新年ということでね、今年の目標と言ったら大げさですけど、やってみたいことを考えまして」


「午年は馬みたいに行動力の湧く年だと言いますからね。何をやるつもりなんですか?」


「僕、ゲームが好きなんですよね。『ドッカンバトル』とか『ヒノカミ血風譚』とか。それで今年は遊ぶだけじゃなくて、自分で作ってみようかと思うんです」


「そのラインナップは漫画好きという気がしますけど、どんなゲームを作ろうと思ってるんですか?」


「僕はオカルトも好きで、特にネッシーやチュパカブラみたいな未確認生物がお気に入りなんです。だから、みんなに知ってもらうために、未確認生物を美少女化したらどうかなって」


「ああ、そういうやつですか。賛否あるかもですけど僕は好きですよ」


「タイトルももう決まってます。名づけて『UMA娘』」


「『ウマ娘』じゃねーか!」


「え?」


「いや、『ウマ娘 プリティダービー』のパクリですよね」


「違います。UMAユーマ娘です」


「明らかに意識してつけたでしょ。こんなの否しかないですよ」


「UMAって実は和製英語で、本当はcryptidクリプティッドっていうんです。でも、クリ娘じゃ何のことか分からないでしょう?」


「それはそうかもしれないですけど」


「たださっきも言った通り、未確認生物を広めるのが目的なんでね。クリプティッドって言い方があることも知ってほしいんですよね」


「どうするつもりなんですか?」


「未確認生物学から取って、『UMA娘 クリプトズーロジー』にします」


「やっぱりウマ娘じゃねーか!!」


「何がですか?」


「絶対プリティダービーから取っただろ。パクリはダメだって」


「パクってなんかないですよ。ていうか、そもそもウマ娘って何ですか?」


「ゲーム好きで知らないっていうのは、ちょっと無理がある思いますけど。トウカイテイオーとか、ゴールドシップとか、実在の競走馬を美少女化したゲームですよ」


「へー、そんなのがあるんですね」


「漫画やアニメにもなってるんですけどね。オグリキャップが主人公の『ウマ娘 シンデレラグレイ』とか聞いたことないですか?」


「全然ないですね。ゲームの内容はどんな感じなんですか?」


「ユーザーはトレーナーになって、ウマ娘がレースで勝てるように指導するんです。元ネタが競走馬ですから」


「ならやっぱり別物ですよ。UMA娘はアイドルやるんで」


「音ゲーやリズムゲーってことですか?」


「それでライブを成功させて、マスコミに取り上げてもらうのが目標です」


「なるほど、UMAがB級ニュースになるのと掛けてあるんですね。意外と考えてあるじゃないですか」


「ちょっと似てるとすぐパクリって言い出す。オタクの悪いところですよ」


「はい、すみません。で、どんなUMAが出てくるんですか?」


「体の大きなネッシーちゃん、肉食系のチュパカブラちゃん、足が速いスカイフィッシュちゃん」


「元ネタの特徴が出てて、なかなか悪くなさそうですね」


「馬耳をつけたフライングホースちゃん」


「……馬?」


「ウマ娘は関係ないですよ。たまたま馬のUMAがいただけです」


「たまたまにしては知名度低いのを持ってきましたね」


「マイナー系なら、他にもナンディベアちゃんとかムビエル・ムビエル・ムビエルちゃんとかも考えてますよ」


「そういえばUMAを広めたいって言ってましたね」


「まぁ僕の一押しは、有名どころのエイリアンちゃんなんですけどね」


「どんなキャラなんですか?」


「髪は銀色で」


「宇宙人といえば肌が灰色ですもんね」


「性格は天然ボケで」


「そういう人を宇宙人って言いますからね。銀髪でクールっぽいのに、天然っていうギャップがいいですね」


「だから、このエイリアンちゃんで、ゆくゆくは漫画化やアニメ化まで狙っていくつもりです」


「まだゲームもできてないのに随分大きく出ましたね」


「名づけて『UMA娘 リトルグレイ』」


「やっぱりウマ娘じゃねーか!!」






(了)

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