大好きなあの子は世界で1番可愛いの!

十坂すい

高校2年生の冬

第1話 冬休み明けのあの子


「う〜今日も寒い……」


私、山崎やまざきつばめはダウンコートに手袋、マフラーに耳当てという完全装備で登校する。

寒がりな私はこの格好でもまだ寒い。


昇降口で靴を履き替えて、目指すは北校舎3階の空き教室。

そこは物置き部屋となっていてほとんど人が通らないし、使わない場所だ。

なので勝手に、こっそり、私と大好きな恋人で学校で1番の美少女、七雲なぐも心花ここなちゃんは空き教室を使わせていただいている。


高校入学時から今までバレたことがないので今後もバレないと思う。

たぶん。

バレないで欲しい。


そんな彼女と私の秘密の空間に向かうわけだけど……。


緊張する!!

だって冬休み中1度も会えなかったから会うの久しぶりだし!

本当は冬休み中、初詣行くとか初日の出見るとか予定を立てていたけれど、私が見事に風邪をひいたせいで行けなかった。

そのあとも予定が合わなくて、なんやかんやしているうちに今日がきて……。


そして例の教室の扉の前まで来てしまった。


どうする私。引き返す?いやいや心花ちゃんには会いたいし……。

でも美少女を浴びるのは10何日ぶりだから耐えられるかどうか……。


「よ、よしっ」


心を決めて扉に手をかける。

いつも通りにすれば大丈夫と深呼吸をして。


「おはよ!!」


えいやっと扉を開く。

こういうのは勢いが大事だ。


「おはよう燕ちゃんっ」


そこには今年も眩しい輝く美少女がいた。

いつものサラサラツインテールにぱっちりお目目。なんといっても雪のように白くて、冬の乾燥にも負けることを知らないすべすべのお肌!


「生の心花ちゃんだ……」


感動で思わず涙が溢れそうになる。


「生の燕ちゃん!」


会いたかったよ!と彼女は私に飛びついてくる。

私は無意識のうちに、心花ちゃんを抱きしめ返していた。


心花ちゃんとこうするのは久しぶりだから心臓が止まるんじゃないかと思っていたけれど、今の私はそれどころじゃないらしい。

会えていなかった冬休み分、いっぱいいっぱい心花ちゃんと触れ合っていたいと思っている。


感動の再会というほど会えない期間が長かったはずじゃないんだけどな。

思っていたより心花ちゃんロスをしていたみたいだ。


「燕ちゃんだいすき」


ぎゅうううううっと抱きしめてくれるので私の身も心も温まる。

こんな可愛い子が私を好きで、しかも彼女だなんていまだに信じられない。


でも私は心花ちゃんを離したくない!


「私も心花ちゃんのこと大好き!」


2人でなら、暖房のないこの部屋でもへっちゃらだ。


「冬休みは終わっちゃったけど、残りの冬も楽しもうね!」

「もちろん!」


大大大嫌いだった冬も、今年は好きになりそうな予感がした。





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