雪に埋もれた魔法のランプ
Rotten flower
第1話
ざっ、ざっ、ざっ。足を動かすたびに、ザラザラとした音が白銀の世界に響いた。ダウジングマシンが敏感に反応する。そこに希望があるのかはわからない。
ここがいつからか雪の降り続ける街になったのは数ヶ月前であり、それまではずっと雪は降っていなかった。初日、子どもたちは大盛り上がりであった。なにせ生まれて初めての雪だ。それはそれは物珍しさに子供以外でも多くの日が集まったものだ。人々がすべてを忘れて雪をとにかく楽しんでいた、のも初日から一週間程度であった。
雪を知らない、というのはここで何か事件が起こった際に対処の方法を知らないのとおよそ同じである。それこそ、雪が降り続けるなんて眼中になかった。積もった雪が街を襲う、畑は雪に覆われて植物はろくに育たない。人々は足りない食事を争い、倒れる人が多くなっていった。
そして現在、一切の人を見かけなくなった。シャベルとダウジングマシンを武器に孤独を突き進む俺は、ただ一つ。ある希望を目指して彷徨っていた。
昔、図書館で見た一冊の古い本に存在が示されている「魔法のランプ」。見つければその場で願いを三つ叶えて、どこかへ飛んでいく。そんなランプがあると書かれていた。
そして、食料の尽きた何もできない僕は、今、ただその希望にすがるしかないのだ。
シャベルを反応の合った地点に差す。柔らかい雪を上にかき出して、その繰り返し。どれくらい積もっているかわからない。どこらへんに埋まっているかもわからない。何なら、埋まっているかもわからない。ただ、深く深く掘っていく。
どっと、雪よりも遥かに硬い触感がシャベルを伝わる。掘れ、掘れ。本能が身体に語りかける。
雪をはらうと見えたのはランプと結びつけるには
赤く染まった雪は、俺が何をやらかしたのかダイレクトに伝えてきた。でも、ダウジングマシンは反応している。その方向を見ると、その側にランプが埋まっていることを確認した。
……今は一刻を争う事態だ。一人の死くらい、優先度は低いだろう。
ただ、ひたすらにランプをこすった。
「願いを三つ、叶えてやろう。あと一つだ」所謂、魔神な見た目の男がランプから出てくる。
「……こ、この雪をやませてくれ」
「すまない、過去に叶えた願いと相対する願いは叶えられない……」
雪に埋もれた魔法のランプ Rotten flower @Rotten_flower
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