第8話

「……ううん、なんでもない」


 シュトくんは首を傾げ「そうか」と言い残し、部屋を出た。

 私はその場に崩れ落ち、後ろへ倒れる。綺麗に飾られた髪飾りが崩れたが、気にならなかった。

 天井を見上げる。目を瞑るとシュトくんの笑顔が浮かんでは消えた。

 「ヒロインなんかになりたくなかったなぁ」と呟いてみる。目の奥が痛んで、涙が溢れた。

 扉の向こうから、愉快げなトレムくんの声が聞こえた。

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ヒロインなんかになりたくなかった 中頭 @mocha0925

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